第432話 水晶花の戦い②
水晶花の花柱の上の戦いは続いていく。
ビルディガ相手に、アレンは虫系統の召喚獣の弱点を考えていると、もう1体の上位魔神との戦いにも動きがある。
ドゴラがバスクの一撃に耐えられず吹き飛ばされた。
「んぐ!」
バスクの一撃をもろに受け客席まで吹き飛ばされた。
『おいおい、しっかり力込めて攻撃しろよ。ドゴラちゅあ~ん』
「クソが!」
『いひいひ。たまらねえな!』
この日を待っていましたとばかりにバスクはドゴラを痛めつけ、快感を覚えているようだ。
ドゴラはあまりに重い一撃で、一振り一振りの攻撃にその場で耐えかねた様子だ。
ドゴラは憤りを見せるが、正直相手にならず、戦いは拮抗すらしていない。
(やばい、かなり強くなったのに、バスク相手に1人は無理か)
「ドゴラ、俺も加勢する」
アレンはラモンハモンの相手をしようと思ったが、バスク相手に苦戦しているドゴラと一緒に戦うことにする。
「ああ、すまねえ」
アレンの知力ならドゴラに加勢しつつ、ビルディガを虫系統で攻めることは可能だ。
(レベルもスキルも随分上がったのに、加護は中か。加護が上がればもっと善戦できたんだろうけどな。というか、魔神が何体もいたおかげでドゴラのレベルがカンストしてしまったな)
アレンは随分成長したドゴラのステータスを今一度確認する。
【名 前】 ドゴラ
【年 齢】 16
【加 護】 火の神(加護中) 火攻撃吸収
【職 業】 破壊王
【レベル】 99
【体 力】 8729+14600
【魔 力】 4007+9800
【攻撃力】 8988+14600
【耐久力】 8235+14600
【素早さ】 6213+14600
【知 力】 3845+9800
【幸 運】 6028+14600
【スキル】 破壊王〈6〉、真渾身〈6〉、真爆撃破〈6〉、真無双斬〈6〉、真殺戮撃〈6〉、全身全霊〈3〉、真闘魂〈2〉、斧術〈7〉、双斧術〈3〉、盾術〈4〉
・スキルレベル
【破壊王】 6
【真渾身】 6
【真爆撃破】 6
【真無双斬】 6
【真殺戮撃】 6
【全身全霊】 3
・スキル経験値
【真渾身】 約20万/1000万
【真爆撃破】 約10万/1000万
【真無双斬】 約10万/1000万
【真殺戮撃】 約10万/1000万
【全身全霊】 約50万/1000万
ドゴラは今年の6月に行われた5大陸同盟会議以降、5ヶ月間S級ダンジョンでアイアンゴーレム、最下層ボスのゴルディノと戦い続けた。
お陰でレベルもスキルレベルも上がりに上がり続けた。
クールタイムが1時間の全身全霊も、アレン軍、勇者軍の多様な補助を貰い、最大魔力を上げてからの全魔力消費によるスキル使用で、スキルレベル3まで上げることができた。
斧術はノーマルモードの限界を超えたスキルレベル7まで上げることができた。
そして、帝都パトランタ北部で戦うアレン軍と勇者軍共闘戦線も、精霊王の祝福のお陰で、経験値取得条件を満たしている。
魔神を4体倒しているため、ドゴラのレベルが99になり、ステータスから経験値欄が消えてしまった。
これで、エクストラモードの限界を知ることができた。
(エクストラモードのレベル上限は99か)
そして、バスクとの力の差を装備と仲間や精霊神の補助を貰ってのステータスを込みで推察する。
【ドゴラの主なアクセサリ】
・指輪①:攻撃力5000
・指輪②:攻撃力5000
・首飾り:攻撃力3000
・耳飾り①:物理攻撃ダメージ7パーセント
・耳飾り②:物理攻撃ダメージ10パーセント、体力2000上昇、攻撃力2000
【ドゴラの主な武器・防具】
・神器カグツチ:攻撃力20000
・オリハルコンの大斧:攻撃力12000
・アダマンタイトの鎧:耐久力6000
・ドゴラの装備、補助等込みのステータス(+武器、防具)
【体 力】 44800
【魔 力】 21848
【攻撃力】 55180+(右手20000、左手12000)
【耐久力】 49480+(6000)
【素早さ】 30957
【知 力】 19512
【幸 運】 26817
バスク自身のステータスは上位魔神になったので、動きなどからも恐らく6万前後だろう。
ドゴラは装備込みで神器カグツチを握りしめた右手は攻撃力75000だ。
バスクの相手を1人で任せようと思ったのだが、バスクの方が圧倒的に強いように思える。
これは邪神教の折に戦ったバスクよりもパワーアップしているように感じる。
バスクは今日も指輪、聖珠、耳飾り、足飾りとてんこ盛りの装備をしている。
そして、気になる点が2つある。
前回同様バスクは半裸なのだが、全身に漆黒の帯が脈動するように纏わりついている変態チックな風貌になっている。
きっとオシャレに目覚めたのではなく、何らかの防具なのだろう。
そして、オリハルコンの大剣2刀流であったのだが、1本奪ったその手に漆黒の闇が漏れる禍々しい大剣を握りしめている。
『おい、バスク! さっさとそのガキを殺して血を飲ませろ。何を遊んでやがる!!』
ドゴラを滅多打ちにして楽しむバスクに対して、魔剣オヌバがさっさと切り殺せと言う。
まるで剣そのものが血を欲しているようだ。
『あん? 分かった。そう急かすな。もう少しいたぶったら、全部飲んでいいぞ』
(剣がしゃべっている件について。ふむ、親父ギャグが飛んでしまったな。また1つ罪を犯してしまった。それにしてもしゃべる剣とはフレイヤの親戚か? この世界では剣が話すのが流行っているとか)
『貴様、オヌバか!? 何故、こんなところにおるのだ』
『あん、その声はフレイヤか。そうかそうか。バスクについてきてよかったぜ。て、てめえも抹殺の対象だからな!!』
今度は神器カグツチを通して、フレイヤとも会話をし始めた。
メキメキと魔剣オヌバはさらに禍々しくなる。
どうやら魔剣オヌバは火の神フレイヤとも何らかの関係があるようだ。
言葉の途中から怒りが大きすぎて、罵声に変わってしまう。
『じゃ、そろそろ、殺るか!』
吹き飛ばされたドゴラに一度の跳躍で距離を縮め、バスクの握りしめる魔剣オヌバがその首に迫った。
「させるか!!」
『どうした、ドゴラってうほ! アレンちゃんも相手してくれるのか? オヌバ、お前に飲ませる血が増えたぞ。いひひ!』
間に割って入り、バスクの首めがけて切りつけたアレンの攻撃にバスクがすぐに反応をする。
そして、寸前で体勢を変えてアレンの剣を躱し、元居た位置に一蹴りで戻る。
(俊敏過ぎるな。ドゴラは攻撃面に特化させ過ぎたから素早さが低すぎる)
ドゴラの2回りは巨躯のバスクは、そのガタイとは裏腹にとても動きが軽快だ。
重い一撃に、圧倒的な装備、攻防のバランスの取れた上での素早さ、危険を感じればいったん距離もとれる圧倒的な戦闘経験の高さ。
アレンは改めてバスクを強敵だと思う。
さて、ラモンハモンを攻めようとしたが、ドゴラに加勢する形となり戦況がとても悪い。
キュベルは祭壇の上に漆黒の炎を燃やし、何かの儀式を完成させつつある。
ペロムスにかけた「擬態」はもう間もなく解除されてしまう。
だからといって、この状況で応援にメルルやメルスを呼べば、帝都パトランタ北部の戦線がかなり危険になるだろう。
少なくとも、アレン軍、勇者軍共闘戦線の防衛陣の兵たちも、帝都パトランタの魚人の兵や民たちも多く死ぬことになる。
それだけに魔神たちの強さも、魔獣たちの数も脅威だ。
まだまだ主力メンバーは帝都パトランタ北部で戦ってくれないといけない。
あらゆることが後手後手となり、追い込まれる。
これが全てキュベルの策略であるということか。
何を優先させるべきか最善を考えながら、自らのステータスを調整し、新たな作戦に出る。
メルスには、最優先で魔神を叩くように言ってある。
戦況を変えかねない魔神の存在を、戦場からなるべく減らしたい。
13体の魔神が帝都パトランタ北部にいるのだが、戦闘が始まりメルスは最優先で、アレン軍に隙あらばエクストラアタックを使ってもらい、数を減らしてくれた。
お陰で、ドゴラよりもレベルが低く、93だったアレンはレベル100に達することができた。
【名 前】 アレン
【年 齢】 16
【職 業】 召喚士
【レベル】 100
【体 力】 4515+13200
【魔 力】 7180+9200
【攻撃力】 2516+12000
【耐久力】 2516+19200
【素早さ】 4679+24800
【知 力】 7190+17200
【幸 運】 4679+4400
【スキル】 召喚〈9〉、生成〈9〉、合成〈9〉、強化〈9〉、覚醒〈9〉、成長〈8〉、拡張〈8〉、収納、高速召喚、等価交換、指揮化、王化、共有、〈封〉、〈封〉、削除、剣術〈5〉、投擲〈3〉
【経験値】 約800万/1000兆
・スキルレベル
【召 喚】 9
【生 成】 9
【合 成】 9
【強 化】 9
【覚 醒】 9
【成 長】 8
・スキル経験値
【生 成】 約10億/1000億
【合 成】 約10億/1000億
【強 化】 約10億/1000億
【覚 醒】 約10億/1000億
【成 長】 約75億/100億
・取得可能召喚獣
【 虫 】 封ABCDEFGH
【 獣 】 封ABCDEFGH
【 鳥 】 封ABCDEFG
【 草 】 封ABCDEF
【 魚 】 封ABCD
【 霊 】 封ABC
【 竜 】 封AB
【天 使】 SA
【 - 】 S
・ホルダー
【 虫 】 H2枚、G2枚、F2枚、E2枚、D2枚、C2枚、B5枚、A5枚
【 獣 】 H1枚、G1枚、F1枚、E1枚、D1枚、C1枚、B1枚、A1枚
【 鳥 】 G1枚、F2枚、E2枚、D1枚、C1枚、B1枚、A10枚
【 草 】 A1枚
【 石 】 E1枚、D1枚、C1枚、B5枚、A5枚
【 魚 】 D3枚、C3枚、B3枚、A3枚
【 霊 】 C1枚、B1枚、A1枚
【 竜 】 B1枚、A11枚
【天 使】 A1枚
【 - 】
【アレンの主なアクセサリ】
・指輪①:攻撃力5000
・指輪②:攻撃力5000
・首飾り:攻撃力3000
・耳飾り①:物理攻撃ダメージ7パーセント
・耳飾り②:物理攻撃ダメージ10パーセント、体力2000、攻撃力2000
【アレンの主な武器・防具】
・オリハルコンの剣:攻撃力10000
・黒龍の鎧:耐久力4500
・アレンの装飾品、補助等込みのステータス(+武器、防具)
【体 力】 36772
【魔 力】 25194
【攻撃力】 42208+(10000)
【耐久力】 47561+(4500)
【素早さ】 42223
【知 力】 34878
【幸 運】 11803
アレンがドゴラの間に入り、二手でバスクを攻めたてる。
バスクは2人を相手に器用にステップを決め、2人を翻弄する。
正直装備も一新し、成長スキルを8まで上げたが、やはり上位魔神相手にアレンのステータスはまだまだ成長途中だ。
何とか相手になると言ったところだろう。
(一対一ならな)
現状は2人でバスクと戦っている。
戦いようなら、いくらでもある。
「ドゴラ、俺に合わせろよ」
「あ、ああ」
かなり厳しい戦いの中、アレンはドゴラを見ずに声をかけた。
「うおおおおおおおおおおお!!」
(一発は耐えられるよね)
そして、アレンは大声を上げ距離を取ったバスクに突っ込んでいく。
『スキルも使えねえ雑魚が。いっちょ前に声出してんじゃねえぞ』
アレンには攻撃系のスキルが1つもない。
これがステータス以上にバスクに翻弄された理由だ。
バスクは自らの魔剣を使い、スキルを繰り出してくる。
玉砕のように突っ込んだアレンの剣ごと上段から魔剣オヌバを叩きこむ。
アレンはオリハルコンの剣でなんとか防いだが、あまりの一撃で、S級ダンジョンで手に入れた防具が大きく拉げ、血反吐を吐き吹き飛ばされる。
(よし。致命傷で済んだぞ。加護たちも頑張ってくれた。痛いんだが!)
アレンには、ほかの仲間たちにはないものがある。
それはBランクの召喚獣で霊Bと竜Bから受けることができるようになった召喚獣の加護だ。
【Bランク以降の召喚獣のステータス上昇以外の加護】
①霊Bの召喚獣の加護:物理耐性強
②竜Bの召喚獣の加護:ブレス耐性強
③虫Aの召喚獣の加護:毒無効
④獣Aの召喚獣の加護:クリティカル率アップ
⑤鳥Aの召喚獣の加護:飛翔
⑥草Aの召喚獣の加護:破魔
⑦石Aの召喚獣の加護:ダメージ軽減
⑧魚Aの召喚獣の加護:回避率上昇
⑨霊Aの召喚獣の加護:物理耐性強
⑩竜Aの召喚獣の加護:ブレス無効
⑪天使Aの召喚獣の加護:なし
①と⑨は重複のため、物理耐性強はそれ以上の効果を発揮しない。
②は⑩の下位の効果のため、②の効果を発揮しない。
お陰で血反吐を吐きながらも、物理耐性強でダメージを下げ、回避率上昇でバスクの攻撃がクリティカルにならないようにする。
致命傷だが、死なずに済めば、先ほどから絶妙なタイミングでもらえるキールの回復魔法が、全快にしてくれる。
アレンにバスクが攻撃するタイミングに合わせて、ドゴラが既にバスクとの距離を詰めていた。
「全身全霊!!」
ドゴラが握りしめる神器カグツチが高温を上げ水中の水を沸騰させながら、バスクに迫るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます