第22話 探索、発見
潜入も二度目だと、随分と気が楽。
殺し屋の男に抱きつくのは気が重いけど。
自分自身とその周囲30cmくらいしか霧化できないって、本当になんとかならないのかねぇ。
ま、いいや。
さっきのルートで再侵入して、天井裏から室内に入ったよ。
僕、真祖のヴァンパイアだから、当然暗闇でも目が見える。
そこで驚いたのは、2人の男が真っ暗闇の中で起きて見張りをしていたこと。
しかも、目の前になんかごつい機械を付けている。
暗視装置ってヤツなんだろうね。
でも、さすがに天井から見下されることを想定した見張りはしていなかったみたいで、いきなり視線が合うことはなくて助かったよ。
とはいえこの先は、自分の目が赤く光らないよう、気をつけなきゃだ。あと、赤外線を見ているとしたら、僕はともかく連れて入った殺し屋の男の体温が心配だ。見えちゃうかもしれない。ただ、もやもやとしか見えないだろうから、それをどう判断するのかはわからないけれど。
でもさ、案外ガードが高いよね。
暗闇の中で待ち構えているっての、懐中電灯とか持って侵入されたらすぐに発見できるだろうし、音にだってより敏感になるだろう。
これが毎晩のことなのか、今晩限りのことなのかはわからない。
でも、今晩限りのことだとしたら、お姉さまと瑠奈、無事ってことになる。
襲撃されるのを予想しているって、そういうことだもんね。
ホント、そうなら安心できていいな。
順繰りに、天井裏から他の部屋も観察したよ。
男たちが寝ている部屋は、うーん、予想はしていたけどパジャマなんか着ないんだね。洗濯してある替えなんだろうけど、さっき帰ってきたときと同じ服だ。つまり、起きてすぐに戦えるようにしているみたい。
それから最大に心配していたのは、ノートパソコンを使っていた男と、長い棒みたいな銃の手入れをしていた男がなにしているかだったけど……。
この2人も寝ていた。
ただ、ノートパソコンを使っていた男は横になっていたけど、銃の手入れをしていた男はそのまま銃と添い寝していた。
うーむ、マニアだ。
それとも、さっきの予想のとおり、襲撃に備えているのかもしれないな。
あと心配になったのが、武器庫。
火炎放射器とかもあったわけだし、とんでもない量と種類の武器が備蓄されていると困る。
僕は自分を霧にすればどんな攻撃も無効だけど、お姉さまと瑠奈は生身の体だからね。とんでもない武器があったら、さすがにヤバいだろう。
きちんと見ておかなくちゃ。
結果的に僕、それでとんでもないものを見つけた。
壁に沿って置かれたラックに並ぶいろんな種類の銃、たくさん。さらに、太くて厚いナイフとか、防弾チョッキとか、手榴弾もあるのか……。ったく、戦争でもする気かよっ。
それでも、まあ、これには特には驚かなかった。
けど……。
問題は、それとは別のもの。
白い粉とか、茶色い粉末とか、かなりの量が厳重にパッケージされてる。
これ、絶対ヤバいやつだ。
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