【閲覧 要注 意】「白ご飯」

「あれ?ここにお茶碗置いてなかった?」


 お母さんが、そう訊いてきた。


「これ?」


 僕は、空になったお茶碗をお母さんに見せた。


「あ~、もしかして」

「うん、食べたよ。いけなかった?」


 学校から帰ると、テーブルの上に、お茶碗に盛られた白飯シロメシが置いてあった。ご飯粒たちがおいしそうに躍る様を見て、僕の腹はぐぅと鳴った。

 高校生で食べ盛りなのだ。我慢できなかった。辛子高菜をたっぷり乗せて、僕は、ご飯を一気に掻きこんだってわけだ。

 それに、このお茶碗は自分のお茶碗だし、ダメなことはないだろう。


「あ……、食べたんだ。大丈夫、だった?」


 空になったお茶碗を見て何とも言えない表情になったお母さんが、また訊いてきた。


「うん。なんで?」





「いや、あれ、米粒サイズの大量の白い幼虫だったけど」

「えっ!?」

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