『「えっ」ってなる瞬間集』
さんぱち はじめ
「えっ」ってなる瞬間
「秋の夜に」
「秋だな」
夜。私は、顔を上げて窓を見やった。
リリリーン、リリリーン♪
コロロロロ、コロロロロ……♪
外から、虫の声が聞こえてくる。
「ちょっと早いけど、今日はもう寝るか」
布団を敷いて、中に潜り込む。
静まり返った部屋で、遠くから虫の音だけが聞こえてくる。
心地よい。何とも風流じゃないか。
コオロギや鈴虫たちの輪唱を耳にしながら、たまにはゆっくりと眠ろう。
私は、ゆったりとした気分で目をつむった。
リリリーン、リリリーン♪
「…………」
リリリーン、リリリーン♪
近い??
リリリーン、リリリーン!
「えっ!?部屋の中から聞こえてる」
電気をつける。隅に一匹いた。
まったく、鈴虫さんめ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます