第135話 どうする


「武田、お前もここに飛ばされたのか」


「それは俺のセリフだ!まぁ、とりあえず元の場所に帰るのにはどうすればいいと思う?」


「目の前にあるアスレチックとあからさまなギミックを解いた先に見えるあの手を倒さないとだろ」


目の前には道があり、その先にはアスレチックが始まる森がある。そして遠くに高い所があるのも見えた。


「割と面倒だな」


「2人で手5本とかになってないだけ

マシだろ」


「神夜がいればそっちの方が楽だったろ」


呪力でずスキル封印に対抗すれば確かに楽だろうな、ただまだまだ先があると思われるのに最初から飛ばしすぎるのはダメだろ。


「まず、……どうやってアスレチックに行くのかが問題だ」


「道……はあるがこれフェイクだな」


「スイッチが何処かにあるのか?」


「それか見てない床があるパターンもあるな、見えないスイッチがあるってのも有り得るな……」


「うーん、どうやってあのアスレチックがある森に入るんだ」


「ん?森?え、マジじゃん。さっきまで無かったよな?」


「いや、最初からあったぞ」


「あったのか、気が付かなかった」


「とりあえず、このフェイクの道踏んでみるか?」


「このフェイクの道踏んたら罠も発動するとか無いのか?」


「今回のはただ単に道だろうと歩き始めたら道が消えて落ちるタイプだろ、道は少し色薄いからな」


「なら、とりあえずどうするよ。スイッチ探しか?」


「そもそもこの近くにここから出るポイントがある可能性もあるな」


「「うーん」」


「とりあえず、辺り探すか」


「そうだな」


道ヘ入らない程度に辺りを歩き回り、手で触れ探っていく。


しかし、スイッチらしき物も出口らしき物も見つからなかった。


「おーい、見つからねぇーぞー神夜」


「鑑定も分析も無いからしょうがないだろ、これ帰ったら全員のスキル少しでも使えないか試してみるか」


腰を降ろし楽な体勢で座り、一旦少しの休憩を挟む事にしたようだ。


「まだ始まったすら無いのに時間かかってるぞ、どうすんだよ、目の前に広がるアスレチックとギミックは……」


「あの森見てる分には綺麗なんだがなぁ」


「おい、無視するなよ」


「ん?んん??おい、武田」


「なんだよ」


「あの木の隙間から見える木の真ん中に木で出来たスイッチみたいなの無いか?」


「なんて?スイッチ?何処?」


「あの木の隙間から見えるだろ」


そう言って指を木の隙間へと指す。


「ん?あのめっちゃめっちゃ木に一部みたいな出っ張ってる所か?」


「そこだな」


「どうやって押すんだよ」


「弓しかないだろ」


「飛び道具っていえば良いだろ、誰かの予備装備借りるか」


「そうだな、チャットはいけるか?念話は声が途切れたから無理そうだが」


「ダメだったら勝手に借りて後で謝るか」


「そうしよう」


よし、マジックバックを出して予備の弓を…


「……マジックバックが開かないぞ……」


「おい、神夜、冗談は止めろって。ほら開……かないない」


「「どうする」」


どうやら念話もまさかのマジックバックすら開けない場所だとは思ってもいなかった2人は進むであろう道を見て呆然とするのだった。


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