第133話 本物のレイドボス
「何も…無いな」
「無いな」
「無いね」
100階層へと着き、辺りを警戒しながらまず入口付近に罠が無いかを確認したが、どうやら無いようだ。
「なら問題は目の前のやつだけだな」
「一寸先は闇って言葉があるけど、今ほど言葉通りに当てはまる事は無いんじゃないか?」
「神夜、分身体で中入れる?」
「無理だな、まずどの符を近付けても闇に触れると効果が消える。この中はスキル使えないかもしれないな」
「勘崎呼ぼうぜ、俺の鑑定じゃどこ見ても、見方変えても無理だった。宮元の分析でも分かることは無いだろうし、勘崎に危険か判断してもらおう」
「なら呼ぶか」
勘崎100階層に来てくれ、送信っと
「送ったぞ、少ししたら来るだろ」
「鑑定が効かないのはこの闇が神夜の符みたいに効果が無くされてるからじゃない?」
「ファイヤーボール」
「闇に触れて消えたのか、中に入ったから見えなくなったのか分からん」
そんな事をしていると
「来たぞー、俺が必要な程の罠でもあったのか?」
「目の前の闇がお前を呼んだ原因」
「早速だけど始めよう。この闇の中も偵察した方が良い?」
「ダメだ、3人で行くと死ぬ」
「マジかよ!?誠と神夜居るのにか!」
「なら全員で行った方が良い?」
「そうだな、それでも死にはしないがギリギリかもしれないな」
「よし、皆を呼ぼう」
全員が100階層に集まってすぐに状況を伝えた。すると……
攻略するには入るしかないから入ろう
と言う結論へと至った。勘崎が全員でいけば死にはしないと言っていたのが決めてなのかもしれない。
「今回より大変な事も起きるかもしれないんだから、皆でいるうちに今は乗り越えてしまおう」
決めてからすぐに全員にバフをかけ、迷宮産の装備を次々とつけていく。
アクセサリー、武器、防具など宝箱で出てきた物を灰原が鑑定して、それを持っていた方がいい人へと渡して来た。
「よし、俺は装備終わり」
俺は、思考増加のブレスレットを1つ。未来視のブレスレットを1つ。武神の加護付きイヤリングを1つ着けている。
武神の加護と言うのは、簡単にいえば戦闘時に協力なバフをつける物だ。ブレスレットの効果はそのままなので説明は不要だろう。
「入ろう」
闇へと突き進み、中へと入っていく。
入った瞬間
自分に向かって巨大な剣向かっていた。
「ッ!」
ガキンッ!!!!
何とか刀で受け止める。
「左に受け流すから気を付けろよ!」
避けたの確認すると巨大な剣を受け流す。
ドーン!
地面へと剣が当たり、砂埃が舞う。
「おいおい、最後の最後で本物のレイドボスかよ」
様々な武器を持つ巨大な手が何本も浮いていた。浮いていが腕の付け根が見えないのでまだ本体は闇の中に居るのかもしれない。
今までの階層ボスは41人全員で倒す必要は無かった。多くて10人程度だったが、今回は全員で戦う相手のようだ。
辺りを見渡し、怪我をした人がいないか、全員揃っているかを確認する。
どうやら全員居るようだ。しかし、入った瞬間に感じた気配はもっと少なかった。そして、そもそも向かってきている剣を見た時には他の手や武器は浮いていなかった。
(別の空間に飛ばされる可能性が有る。面倒な相手だ)
口で話している暇はないので念話で全員と会話をする。
もう念話石は必要ない。
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