強さと目標

第70話 昼寝したい

PV1200ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


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………ん?あれ?


「何処だここ?」


目を開けると見知らぬ草原にある木立の陰にいた。


辺りを見渡しても特に何かがある訳でもなく、何かが居る訳でもない。気配を探っても反応は無い。念の為に自分の周りに常闇残滓を出しておく。例え何かが猛スピードで来ようと残滓に当たれば威力もスピードも落ちる。


服もバックも自分の物だとだと判断すると、バックから念話石を取り出しフェグラン魔国の王城にいる仲間に繋げる。


「もしもしー、誰かいるかー?」


「神夜!?連絡が遅いぞ!なんで1日後に連絡するんだよ!」


「は?1日後?まぁ、とりあえず俺を転移で城に連れて行ってくれ」


「了解、ちょっと待ってろ」


少々暇な時間だな。しかし、ここの居心地はとても良い。少し暖かいくらいの気温に優しい風、少し離れた所には緩やかな川が流れており流れる水の音が良い。地面も芝生の様な植物が覆っており、手を乗せてもチクチクしない。


皆には悪いけどもう少し堪能してから連絡するべきだったのかもしれない。


「はーあ、眠たくなるなぁ。昼寝したい」


ここは転移が使えるアイツにマーク打ってもらっとこう。皆で来れるようにな。


「瞑想が捗りそう。うーん、もう少しで転移出来るだろうけど少しだけやっておこう。」


座禅を組んで意識した呼吸をする。


「すぅー、フゥ〜、すぅー、フゥ〜」


眼はちゃんと閉じるんだぞ、閉じないと瞑想だとは言えないぞ。


「あー落ちつ「もしもしー?いけるぞ神夜」い……りょか!」


「あ、やる前に伊田いてんにここマークしといてって言っといて」


「何故?」


「ここめっちゃいい場所だから、なんか周りに何も居ないし、自然の中で癒される場所だから」


「なるほど、じゃあ言っとく。1分後に転移させるぞ」


「りょかー」


出した念話石をバックに戻し、立って待つ。別に座った状態でも寝転んだ状態でも転移は出来るが転移先にその状態のまま行くからな。座ってたら転移先でも座った状態って事だ。だいたい何処だろうと立ってた方がいい。ベットからベットなんて事するなら寝転んだ状態でも座った状態でもいいかもな。


「そろそろ1分経つか?よし、3・2・1!」


……あれ?おかしいな


ヒュン


「おかえりなさい、ゆーちゃん。うーん、見たところ怪我は無さそうね。でも念の為に診て貰う事にするね」


「早かったか……」


「何が?」


「いや、なんでもない。それより攻撃チームはどんな感じだ?」


「今怪我した人達は全員治療は終わったわ、全員が治るまで1ヶ月は掛かるって言ってたわ」


「動けない奴は魔力訓練だな」


そんな事を話しながら転移して来た場所から回復役がいる場所を目指している。


「そういえばなんで部屋に転移したんだ?皆が居る場所に転移させれば良いのに」


「よく使う場所はもう固定の場所って決めた方が楽だからって言ってたわ。行きは何処でも言いみたいだけど帰りは固定のあの部屋って事ね」


「なるほど、そんな感じになったのか」


話していると目的の場所が見えてきた。


「今居るよな?薬柳くすやなぎ福磨ふくまは」


「さっきゆーちゃんが行くからって言っておいたから居るずよ」


そう言われて扉に手をかけ扉を開ける。ここは普通の扉だから普通に開く。


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次回は5月13日の予定です

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