第45話 冥土に行っても終わらない

「何処にいるか分かるか?」


森の中から隠密闘志の職を持つ影遣かげやが隠密状態になった後に小晴の強化で全体に隠密がかかるようにした。その後は氷魔法で足場を作り城壁を登って行く。


そして現在はこのかなりの面積を誇る国から3人を見つけようとしていた。


「広いな……勘崎……なんか分かる?」


「この辺りにはいない事は明白だな」


「チッ、何処だよ。攫ったやつも殺したやつも」


「そうですわ、今の内にかけておきますわ!【選択する罪ジャッジメントシン】」


「効果は?」


「罪がない人に攻撃しても死にませんわ、罪に寄ってはダメージも効きますし、死にますわ」


「なら最悪この国消しても大丈夫だな」


「「「「「そこまでして良いとは言ってない」」」」」


「この国の王は?と言うか何制だこの国?」


「公民から投票で選ばれた人らしいよ、人気は高いみたい」


「一様そいつにも攻撃はしておきたいな、罪があるやつなら死ぬだろうし」


「分散して探してー、する?」


「いや、明らかに妃芽達と同じカッコの奴らが何か探し回ってたらやばいだろ」


「それに隠密も持ってる人そんなに居ないからしなー」


「大体中央なんじゃね?中央ってどの辺だ?」


「分かんねぇ、遥か先まで街並みが見える……」


それはそうだろう、日本よりは大きいとは言わないがそれでもかなりの面積を誇る国なのだ。この広大な国の最低一箇所、最大三箇所に3人は居るのだ、それを探すのは簡単な事では無いだろう。


「念話石が一個届いた、一方通行にしか念話は届かないらしいが念話をした人の場所が分かるらしいな」


「なら分かれるか、まだ妃芽は殺されてないはずだが他の2人は殺されてはずだ。遺体が棄てられているかもしれないからそれも回収しないと行けない」


「燃やされていたら?」


「出来れば灰が欲しいが……無かったら何処で燃やしたのかはメモをしておいてくれ、まだ先になるかもしれないがそこの時間を巻き戻して遺体を持ち帰ろう」


「お、念話石は後数個なら渡せるらしい。なら散開して探そう」


「「「「「了解」」」」」


「あ、その前に私が強化かけておくね」


ナイス、小晴。これは普通に全体的なステータスのアップだ。隠密の効果は見つかった時点で切れるから見つかる前に素早く見つけよう。


「それじゃあ、散!」


3人とも必ず見つけるからな………待ってろよ。


高速で家の屋根などを伝いながら捜索していると、唐突に頭に声が浮かんできた。


「面倒だな、この国、中に広大な森があった。気を付けてみろよ?もしかすると地下とか湖の下とかに居るかもしれない」


マジかよ、国の中だろ?ん?日本も……と言うかどの国もそうじゃないか?でも城壁に囲まれて家が建ち並んでたから東京とかの都市部に広大な森があると思ったらおかしいのか。この世界面倒だな。


さらに念話が届く


「緒川の遺体があった。燃やしてる最中だったけど倒して止めた。最初は近くに他の2人も居たらしいが緒川を殺してから別の場所へと移されたらしい。後、これは強姦や暴力を普通にされていると思った方が良い。緒川の遺体はそれを思う程酷い。遺体はバック経由で送っておいた、送ってすぐに取り出してたから回復魔法で身体を綺麗にしていると思う。引き続き探索を続ける」


は?ふざけんじゃねぇ、ぶっ殺してやる。冥土に連れて行ってやろう、もっとも冥土に行っても終わらないけどな。

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