第4話 勇者④

5話構成の4話目。佳境? です。

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「悪い、なんか勘違いして思いの外何も材料が無かったから、チャーハンなって、オイ⁉」


「ふえ~ どうちたんれすかぁ~ よういちたん」


 無茶苦茶真っ赤になったエレンがリビングの床に転がっていた。


「エレンは酒飲めるのではなかったんかい?」


「ほんなぁはずで、わ~ ないのれす、よぉ~ げろくの魔法がぁ~ まりょくぶしょくできかにゃいにょぉ~ あははは」


 こんな筈では無いのです。解毒の魔法が魔力不足で効かないのです、でいいのかな?


 エレンのやつホントは酒に弱すぎるのにパッシブの解毒魔法で酒を無毒化してたから今まで飲めていただけなんだな。


「それは酒が飲めるとは言えないな」

「ましゃかげんわくていろでまりょくぶしょくにニャルとは……むひひ。はじゅかしい~」


 ヤダこの酔っぱらい。ビール一缶も飲みきってないじゃん。

 もったいない。飲んじゃおっと。グビグビ……


「ひゃあ~ あたちのおしゃけのんだったらいやぁ~ よういちた~ん」


 エレンは俺の頭を抱え込むと、そのまま俺の唇に自分の唇を重ね激しく吸ってきた。舌も口内もエレンの舌に蹂躙される。


「おいしい……」


 一度口を離したのにもう一度さっきよりも更にねちっこく俺の舌を舐め尽くし唾液さえジュルジュルと音を立てて吸い取っていく。


 やられてばかりはおられないと俺もやり返す。

 流石にこれだけやられては止まるものも止まらない。ここまできたら弱みに付け込むも何もないだろう?


 誰に言い訳をしているんだかわかんねえけど、俺の手はエレンも柔らかくもハリのある双丘の果実を掴み撫で回し続けている。


「何がJust Do It! だよ。言われなくとも直ぐやるさっ」


 エレンの着ていたTシャツを剥ぎ取り、素肌を顕にする。


 エレンもエレンで俺の着ていたワイシャツを既に剥ぎ取り終わり、下着のシャツを破り捨てる作業に忙しい。


 これ以上破られてはたまらないので、下はベルトを外して自分で脱いだ。


 この間もエレンは俺の頭を抱えては唇を割って舌を潜り込ますことに余念がない。


 ツンっとお高くとまった果実の先端の突起を口に含むとたまらずエレンは嬌声をあげる。


 絨毯の上だが、移動する手間が疎ましい。絨毯を柔らかいやつにしておいて良かった。


 後のことなんて全く考えられなくなって、俺はそのまま何時からなのか準備万端状態のエレンに突入した。


 プツリとした引っかかりを抜けたら、もうそこは異世界だった。


「あ、あ、アフ……洋一……もっと、もっと奥まで頂戴……」


 絨毯の上で三回。

 ベッドに移動して二回終わったところで落ち着いた。


 落ち着くの遅くない?


 つか、なんで五回も出来てんの? いくら何でも数時間で五回はありえんよ? それも毎回大量ドバドバ出てるしさ。


 あと、一回終わる度に股間がピカって光っている気がするんだけど? なんでかな?


 異世界の女の子はイク時に光るのかしらん? そんな訳無いわな。エレンが単独でイク時は光ってないもん。


「エレン、ごめん。勢いとはいえ避妊しなかった」


「洋一、大丈夫よ。エンデルバでは、魔物が婦女子を攫って子をなす畑にすることもあるので、不妊の加護が女性には生まれた直後に施されるの」


「じゃあ、いくら中に出しても大丈夫なんだな……」


「だから平気よ。寧ろ、もっと頂戴。洋一の精は魔力が豊富でとても気持ちがいい……蕩けてしまいそう。あなたの唾液も……美味しい」


「え? じゃあ、さっきから股間が光っているのは?」


「一回中に出されるとわたしの魔力が回復するから、その魔力で今度は回復魔法で洋一を回復させているのだよ」


「とんだ永久機関だな!」


「洋一、あと三回だけ……いや、二回だけも頂戴。あなたをもっとちょうだい……」


 本当は俺に抱きつくだけでもそれなりには魔力が回復するくらいらしいが、俺の体液摂取が一番いいらしいい。


 あんな事言われて断れる男がいるかい?


 結局あれから三回……ではなく五回もやってしまった。


 だってさ、エレンが気持ちいいのは分かったけど、俺もものすごく気持ちいいんだぜ? やめ時が見つけられなくなったのよ。


 始めたのが多分に二〇時過ぎぐらいで今は深夜の三時ちょい過ぎ。都合七時間ほぼ繋がりっぱなしだったけど、回復魔法のせいで全然疲れてないわけ。


 やばいわ、回復魔法。


 最後の二回はエレンは自分にデバブ掛けて俺にはバフ掛けたからエレンが噴水状態でもう大変。


 だけどこれが余計な魔力を消費してくれたからか、回復魔法が最後は発動しなかったんだよね。


 冷めきってカピカピになったチャーハンをレンチンし直して食って、風呂一緒に入ってやっとそこで寝た。


 もう辺りが白み始めてきたけど、急激な眠気に襲われて、もうそこまででギブアップ、おやすみなさい。




 パチンと目が開いたのは正午一二時ピッタリ。寝起きなのに溌溂しているのは不思議な感覚だ。


 俺の腕枕で眠っているのは黒金髪の褐色肌した青黒眼美女勇者様のエレン。


 スースーと可愛い寝息をたてている。


「エレンとイタしたりくっついて寝ると俺まで回復の恩恵に与れるってことなんだよな」


 寝起きから分かる体調の良さ。身体が軽い。昨夜たっぷり出したから軽いってわけじゃないよな?


「んんん~」

「おはようエレン。おはようって時間じゃないけどな」


「洋一……チューしたい」

 いきなり甘えるとは上級者め! はい、しますよ。


 唇を合わすと、直ぐに舌を割り入れて俺の口の中を舐め回す。

「おい! コラ!」


 チョップを額におみまいする。

「痛いよ、洋一」


「朝っぱらから控えろよ。昨日とぜんぜん違うじゃねえかよ。昨日までは若干オドオドしていたくせにさ」


 態度から口調までだいぶ柔らかみが出たな。悪くはない。寧ろいいくらいだ。


「夜伽はこんなにも気持ちいいものだったとは。蕩けてしまいそうでおかしくなりかけたわ。聖女マリノはこれを知っていたからわたしには一切関わらせなかったのね……」


「イヤ……どうだろうね。エレンがこっち来たせいかもしれないし、俺が特殊なのかもしれないし。そこはなんともいえないわな」


 そもそもこっちの世界には魔法自体ないから魔力がどうしたこうした言われてもね。わかんないんだわ。


「そんなのいいじゃん、気にしなくとも。お互いに気持ちよかったんだからそれで問題なしってことでいいだろ? エレン」


「で、では。今からでも……洋一……」

 布団に潜り込んで俺のモノをちゅーちゅー吸い出すエレン。


 オイオイ! いきなり盛ってくるなよ。腹減ったし、家には昨夜? 今朝? 食ったチャーハンが最後の食料なんだよ。


「なんか飯買ってくるから、ちゃんと服着て顔洗って待っておけ」


「え~ はい……わかったよ」

 何でそこまで落ち込むのさ。どれだけエッチしたいんだよ、全く。


 近所のコンビニで弁当二つと飲みもんのペットボトルを二本買って帰る。

 先ずは腹ごしらえしたら、今度こそエレンの下着と洋服を幾つかネットで購入しないといけない。


 俺が穿いていたわけではないにしろ男もンのボクサーパンツを脱がすという行為は若干だけど萎える。


 七時間も繋がりっぱなしのくせに何を言っているんだと言われたらそれっきりなんだけどな。まあ、ちゃんとしたもん着させてやりたいってだけなんだけどな。


 情が移った? 俺が? まさかね。依存されて喜んでいるだけだけの陰キャ男だよ。


 エッチが大好きで気持ちいい思いをいくらでもさせてくれる可愛い女の子だから優しくしてもっとエッチがしたいだけだよ。うん、そうそう。


 はあ、この自虐グセも魔法でなんとかなんねえかな。虚しくなってくるわ。




「ただいま。おまたせ、飯だぞ、飯」

 帰宅するとエレンは空中のどこかに腕を突っ込んでゴソゴソとなにかやっている。


「何をやっているんだ? 探しものか?」

「洋一に世話になりっぱなしなので、何かお返しになるような金目のものはないか探しているんだよ」


 床にはなにかの牙や禍々しく光っている珠その他よく分からないが明らかにこっちの世界のものではないものが散乱している。


「俺が好きにやっているだけなんだから気にしないでくれよ。それより、この散らかっているの片付けて飯くおうぜ」


 勇者だからなのかエレンだからなのかは分からないが義理堅くて仕方ない。最初だって身体を差し出そうとしてたぐらいだもんな。


 まあ、身体そっちはしっかりと頂いちゃったけどさ。


「しかし……」

「しかしじゃないよ。夜伽もたっぷりしてもらったんだからもう要らないって。ああ、そうだ。俺、友だちがいないから友だちになって話し相手になってくれよ」


「そんなことでいいのか? と、友だちは夜伽もしていいのか?」


 全部そっちかよ⁉ まぁ世の中にはセフレってのもあるみたいだしな。


「ああ、構わないさ」

「そ、そうか。じゃあ、今から一発やっておくか?」


「…………」

「じょ、冗談だってば! 友だちジョークだよ、やだな洋一。真に受けないでくれよ……」


 汗をだくだくかきながら言い訳しても説得力ないからな。


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次で最終話。

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