第170話 入院記

 おっす、月猫です!


 17日から22日までの入院生活は、あっという間でした。

 一番きつかったのは、もちろん術後ですね。


 もうね、あれですよ。

 全身麻酔から起こさないで下さい! 

 2、3日は全身麻酔で寝ててもいい。

 そんな感じです。


 手術とその後の処置が終わり、「月猫さん、起きてください」と意識を戻されると『うん? 左手が痛い。(点滴等の針だらけ) 右わき腹も変。(ドレーンが入ったまま)右肩痛い。喉痛い。(呼吸器のせい)』

 意識は朦朧としてますが、お医者様の言葉は入ってきます。


「月猫さん、胸腺腫が肺に浸潤していたので、そこも一緒に少し取りましたけど、心膜には浸潤してなかったので良かったです。手術もね、一時間程度で終わりましたよ」


「そうですか。ありがとうございます」(声、ガッサガサでした)


 こうして私は術後の患者さんが並ぶHCUに運ばれ、いろんな装置を付けられたまま、ほとんど眠れない一晩を過ごしました。


 カーテンで仕切られていても、音があちこちから聞こえてきます。

 すっごい痛みに苦しむ女性のうめき声。

「あぁ~~~。うぅぅ~~~。あぁぁ~~~」

 これは、すっごい気になりました。


 とはいえ、翌日には「月猫さん、いろんな物外しちゃっても大丈夫そうだね」と言われて、両足の血栓予防の機械・一部の点滴・鼻からの酸素、ドレーンも外してもらうことができました。


 なんて身軽な月猫。で、お部屋では尿道カテーテルを外します。

 でもね、カテーテルを外したらおパンツを履かなきゃいけないわけですよ。なのでまず、カテーテルを付けたままベッドから起き上がり(ふらふらです)、バックから赤いパンツを取り出し、またベッドに横になります。


 看護師さんにカテーテルを外してもらいますと「自分でパンツ履かれます?」と尋ねられましたが、無理っす。さっき起き上がるの辛かったですもん。パンツ自分で履くの無理と思い「すみません、お願いします」と言って、履かせてもらいました。


 羞恥心??? そんなもの術後にはありません。生きるか死ぬかの瀬戸際だったから、できないものは頼るのみです。そして私の脳裏に浮かぶ、施設でオムツ交換をされているおじいちゃまやおばあちゃまの姿。あぁ、今、私は彼らと重なっている。


 なぁんてことを思いながら、パンツ終了。

 そして、可愛い刺繡のパンツも持って来ていたよなぁ。イケメンの若い医師が、私の太ももの付け根から動脈採血するとき、そっち履いてたら良かったなぁなんてアホなことを考えながらベッドで横になっておりました。


 そして今、右脇の傷をホチキスでとめているため、ブラとかブラトップのゴムが当たるのが嫌で、昔売られていた『ヌーブラ』を買おうとお店に行ってみたのですが、なかったです。


 そっかぁ。ヌーブラって、需要があまりなかったかぁ。残念だなぁ。

 とりあえず、ソフトタッチランジェリーというカップ付きインナーを買って来たけれど、値段が高くて一枚しか購入できなかった…… 外出用にしようと思います。



 


 

 

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