第169話 男を守る女。

 はい! 月猫です。


 先日のことなんですが、大量のゴミを車で自己搬入したのですよ。

 知り合いの男性に手伝ってもらったのですが、私の車なので運転手は私。助手席に彼。そこまではいいのですが、私は運転が苦手。


 黄色信号にぶつかると、このまま突っ切るべきか急ブレーキ気味でも止まるべきか悩むタイプです。この日は、人を乗せていたので「ごめん! 止まる!」と声をかけてちょっと急ブレーキ。


 同時に私、左手で助手席の彼の体が前のめりにならないようにガードしたらしいのですが、無意識です。

 彼から「あのね、俺、男ですよ。しかも、いい大人。いや、なんならおじさん。自分の身くらい自分で守れますから。俺、こんなことされたの初めてですよ。したことはあるけど……」と笑われて、体が勝手に反応していたことに気づきました。


 もうね、そのあと大爆笑!!!

 笑いが止まらん。

 考えたら、子どもが幼い頃は助手席に乗せて急ブレーキかけるたび、左手を出していたっけ。その癖が残っていたようで、まさか大人の男性まで守ろうとするとは……


 助手席に座る女性が素敵な男性にされたら「胸キュン」でしょうが、自分より年上のおばちゃんにされた彼の心は如何に複雑であったか考えると可笑しくてしょうがない。


「優しいなー」と彼は呟いていたけれど、月猫は涙を流して笑い続けました。


 そうです。

 月猫は子どもだけじゃなく、おじさんも守ります! 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る