第130話 姉ちゃんは、守られてたんだよ。
昨日、妹とスマホで話していて『ガツン』と一発
ちょっとね、私も愚痴をこぼしたわけですよ。
「あれもこれもやらなきゃいけないのに、義両親が来ないのよ。早く来てくれないと、仕事も始まるし大変。お風呂の使い方、IHの使い方、近所のお店、いろいろと教えなきゃいけないでしょ。だから、早く来て欲しいのよ!」
「お風呂の使い方とかIHの使い方とか、一日で覚えられるじゃん。そんなこと、大したことないよ。みんなは、もっと必死だよ。仕事しながらさ、家事や子育てや介護頑張っている人がいっぱいいるんだからさ、姉ちゃんは、甘い!」
「……?」
昨年から、怒涛の如くいろんなことが重なっている私。そこそこ辛いと思っているけれど、まだ甘い?
「結局さ、姉ちゃんは、旦那さんにずっと守られてきたんだよ。安定した生活の中で、そりゃ子育ての苦労とかあったかもしれないけれど、生活の為に働かなきゃいけないとか、そういうのなかったでしょ。30年守られて何もしてなかったから、今、慌ててるだけでしょ」
ずっと苦労している妹にこう言われちゃ、なんの反論もできない。そしてなんか、専業主婦が、まるで『悪』に聞こえる。気のせいか? いや、気のせいではないだろう。現に妹(独身)は、私も専業主婦になりたいと言っている。妹にとって、専業主婦は『悪』であり『憧れ』でもあるのだろう。
でもさ、妹よ。
私を守ってくれていた柱は折れてしまったんだよ。
そして今、私の背中には義両親と夫が乗っているのだよ。
それはまるで、力と武器を持たない中年女が、くそ重い荷物を背負い、なす術もなく地べたに這いつくばっているみたいな、そんな状況なんですけど……と思うのだが、何も言い返せない。
結局あれだな、妹には妹の苦労があり、私には私の苦労がある。その苦労には、大小なんてつけられないし、分かり合う必要もないということだな、うんうん。
最終的に、私の脇の下の『脂肪』の話で盛り上がり、妹には面白いネタをありがとうと感謝された。こうなると私の脇の下の脂肪も、無駄なものではなかったということだ。
人生に無駄無し。
良いことも悪いことも、全てに意味があるのだろう。
ちゃんちゃん。
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