第125話 『講評』 断捨離するので書き留めるの巻

 四年前のこと。

「死という肥やし」なんてエッセイ作品を書き上げ(原稿用紙8枚)随筆春秋コンクールに送りました。


 こちらは、必ず講評を頂けます。なぜなら、二千円を為替で送っていますから(笑)


 断捨離で廃棄する前に、どんな講評が返ってきたのか書き留めておこうと思います!


 三名の方から講評を頂きましたが、私の好きな講評を公開致しますね。


 小学生の頃体験した無理心中未遂の顛末を書いた前半の部分は迫真の描写力で、恐怖におののく主人公の気持ちが端的で秀悦でした。それだけに、お父さんが翻意する過程があまりのもあっさりと二行でかたづけられているので、拍子抜けしてしまいました。


 後半は作者の死生観について書かれていたり「おはなし会」のことだったり、いずれもお父さんの死が近いということからの展開と思っていましたら、五頁に「父の命は、もうすぐ尽きる」とあり、次の六頁では「父の死後」とあります。とすれば、この文章はお父さんの死後に書かれたものと思うのですが、それならば五頁の「父の命は、もうすぐ尽きる」という表現はおかしいことになります。細かいことを言うようですが、時系列が乱れていると読者は違和感を覚えてしまうものなのです。


 筆力がありますし、生きる事への確固な自信をお持ちのあなてですから、これからも信念に基づいた素晴らしい作品を生み出してください。




 私の拙い文章を読んで下さって、このような丁寧な講評を頂き嬉しかったです。

 あれから四年、私の文章力は上がったのかと甚だ疑問ではありますが、今もこうして書き続けています。


 カクヨムサイトにも、こんな講評が頂けるシステムがあれば嬉しいですね~。


 

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