梅ちゃんと私。

月猫

第1話 子どもをやめたい。

私の母は、超・超・超・守銭奴である!

名前は梅。


大切なのは、命よりお金。

当然、子どもよりお金。


お風呂なんか、毎日入っちゃいけねぇ。

まぁ、一週間に二回入ればいいだろう。

こんなにケチなのに、パチンコが大好きな梅ちゃん。


『パチンコにお金を使うなら、家族に使えよ!!!』

そう思うが、聞く耳をもたない梅ちゃん。

はい、自己中人間です。


そんな梅ちゃんと月猫のエピソード、お聞きください。


  ♢     ♢


小学二年生頃だったかなぁ、隣町のお祭りに行きました。

私も弟も、屋台が並ぶお祭りに大喜び。

人ごみの中、梅ちゃんからはぐれない様に気を遣いながら歩きます。

しかし、とんでもない恥ずかしい事件が、踏切を渡っている最中に起こりました。


突然、梅ちゃんが「ぶっ、ぶぅー」と大きなおならをしたのです!


一瞬何が起きたのか理解できない私と弟。

そんな私たちの様子を見て、笑いながら梅ちゃんは言いました。

「大丈夫だぁ。みんな、(祭りの)太鼓の音だと思うから」



梅ちゃんに集まる視線・視線・視線の嵐。

飽きれている人。

笑っている人。

顔をしかめる人。

それらの視線を物ともせず、堂々と歩き続ける梅ちゃん。



30代前半の女性が子連れで屁をこくなんて、そんなの信じられなーい!!


この日、私は梅ちゃんの子どもをやめたいと思ったのです。










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