逆ざまぁされた王子のその後

蒼穹月

プロローグ

 昔々(と言ってもごく最近ですが)ある所に(というには大きな王国ですが)俺様何様王子様がいました。


 王子様はそれはもう何不自由無く、我儘は全て通り、王太子という地位もあって、思い通りにならない事はない唯我独尊で育ちました。


 そしてそれが仇となり、婚約者が居るにも関わらず、別の貴族令嬢に蛇蝎の如く嫌われてるとはつゆとも思わず、「俺様を愛してるのに身を引こうとしてる」と勘違いをして付き纏い、遂には婚約者が「俺様達の愛を妨害」していると断罪してしまいました。


 然りとて流石に何もしていない、寧ろ被害者たる貴族令嬢を擁護していた婚約者を裁ける訳もなく、逆に王子様が王侯貴族としての資質無しと、父である国王自ら勘当を言い渡され、子供を為せない様に去勢玉無しにされて市井に放逐されてしまったのです。


 この物語はそんな元王子様のバッドエンドのその後を描いた物語です。

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