君のシグナル

冬休み。

星屑みたいな妄想が、

無数に群がる交差点。


からだが怖ばり、立ちすくむ。


君の発するシグナルは、

ぼんやり灯る黄信号。


夏休み。

昆虫みたいな暗黒が、

声を吸い込む交差点。


めまいに酔って、すわり込む。


君の発するシグナルは、

まぶしく輝く赤信号。


待つ事だけのアルバイト、

行交う笑顔をカウントする。


青春とは、

もっとも短くもっとも強い

光の波長。


差し伸べられた大きな片手が、

たとえ冷たく感じても。


両手で掴んで離さずに、

この星の、

引力蹴って駆け抜けよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る