ふみつなのご
先生が入院してから、一週間が過ぎようとしていた。
6時間目の授業が終わり、バイトに行こうと思っていた矢先、先生からメールが来た。
『三津園くんへ
急にメールしてごめんね。
突然ですが、三津園くんに良いお知らせがあります。
それは、明後日、退院することが決まりました。
多分、来週の水曜日ぐらいから学校に行くことができると思います。
色々と三津園くんには、お世話になりました。
おかげで退院することができると思います。
これからもよろしくね。
船洲』
僕は、少し嬉しくなった、でもどこか寂しい気がした。
「退院祝い、なにか贈ってあげようかな。」
とか考えながら、バイトに行った。
「ありがとうございました。」
僕は高校から少し離れた、駅前の蕎麦屋でバイトをしている。
少し古めの蕎麦屋だ。
僕は、小学校の頃、親に連れられてこの店に何度か来たことがある。
すごく美味しかったのを覚えている。
その時、いつかここで働いてみたいなぁなんて思った。
そして今、こうやって働いている。
料理がまあまあできる僕にとっては、ちょうどいい仕事だ。
でも、基本立ち仕事だから脚がしんどい。
この時間帯は、お客さんが少ない。
お昼時じゃないからだろう。
だから、この時間帯は明日の分の仕込みをする。
なかなかの体力仕事だ。
大体の仕込みが終わって、店長に帰ってもいいよと言われたので、帰ることにした。
いつもなら、そのまま家に直行しているが、今日は違う。
今日は、船洲先生の退院祝いを買いに行く。
と言っても、何を買えば良いのだろう。
んー、ヘアピンとかどうだろう。先生、髪の毛長いし。
でもなあ、一人でそういう売り場に行くのも、恥ずかしいしな。
やっぱり、花がいいかな。だとしたら、前のと被ってしまうしなあ。
何かお菓子でも買っていくか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます