小野ノ里萌子

日前みかん

第1話(里萌子13歳)インフルエンザって何ですか?。

「あ?~、インフルエンザやね」

はっ?・・・・・。

「だからインフルエンザに罹患して死んだのだ君は」

はあ?・・・。

真っ白白助の空間に、淡いオレンジのオーラをまとった、白い衣服のお爺様はそう言った。

「まあキツい風邪引きみたいなものじゃ」

「つまり風邪引いて死んだと」

「そう言う事じゃ」

「んでじゃのう、お前さんさえ良かったら異世界で生きてみんか」

「えっ、でも死んだんじゃ?」

「じゃけんのう、もう一度新しい人生を、異世界でどうじゃろかいのう言うとる」

「・・・・・」

「らち空かんがな、チートスキル一つやるから、ほれ行きんされ」


ポン!。


そうして身一つで送られた先は森の中。

えっ、これが異世界転生の常識?。

知らないよ、私そんなの。

異世界転生って言われても、ラノベって言われても、チートスキルなんて何の事やら。飛鳥奈良時代の女の子に解る訳無い!。


どうしょう?。

えっと、スキル。

ポン!。

わっ!、なんこれ?。

向こうが透けてる板に何か書いて有るけれど・・・何これ?。

種族  人間。

年齢  13。

性別  女。

職業  操縦士。

スキル  遠隔制御。

所持品  金貨百枚

     アイテム袋

     召喚獣(瓜坊)

     種籾(百万粒)


・・・・・金貨?。

アイテム袋?。

瓜坊・・・・・かっ可愛い。でも召喚獣って何?。

種籾・・・食べちゃ駄目なやつだよねこれ。

んでもって・・・操縦士とか遠隔制御って何なのよもう。


はあ、とにかく歩いて森を出なくっちゃ。

とぼとぼ、とぼとぼ。

・・・・・方向分からんし、どっちに行きゃあいいのよ。

あの爺さん何考えてんの、女の子を森に一人で置き去りとか。

獣とか出て来たらどう・・・(ガサッガササ)!?、(ブヒヒィー)へっ、(ドッドド)「キャアアァー」(ドッドド)。

「あわあわわ、瓜坊助けて」

!?、・・・速っ。

いつの間にか瓜坊の背中に乗ってる私。

速っ!?。何この瓜坊速過ぎ。

猪の化け物よりはるかに速い瓜坊に乗って私は・・・、森を抜けて街道に出ていた。


疲れただろうと思い、瓜坊から下りて一緒に歩いたけど、少しも疲れて無いみたい。瓜坊君はすごいね。そして可愛い~。「ぷぴっ」

鳴き声・・・「かっ可愛い~」

そうやって瓜坊を抱き締めたら凄く喜んでた。

モフモフ、いやゴワゴワだけどいいのよおー。


にしてもあんな化け物みたいな獣が出るとか(超特大の猪)怖い世界に来たもんだわ。

そうこうしてるうちに、遠くに城壁が見えて来た。

「何、あれ?大っきい~」

そう私は城壁なんて物を見た事が無かった。せいぜい堤の石囲いぐらいなのだ。

ワクワクしながらいそいそと向かう。

「待て!。通行証を見せろ」

門を通ろうとしたら門番に道を塞がれた。

「通行証?」

「何だ、通行証が無いのか。なら詰所まで来い」

すぐ脇の憲兵詰所に入れられる。

「この者通行証を所持しておりません。確認をお願いします」

そう言って憲兵に渡された私。

「何だその猪の子は」

「うちの召喚獣やわ」

ガタッ!・・・・・。

「しょ召喚獣だとぉ」

「そうや、うちの召喚獣や」

「ちょっと待て、今魔力を調べる」

「なんでやのん。うち魔力なんかあらへんよ」

「馬鹿言うな、低い魔力で召喚獣なんか連れている訳無いだろう」

「んっ、そっそうなの?」

「当たり前だ。並みの5倍は必要なんだ。火炎とか水槍とか空気弾とか出せるだろ」

「えっ、いや火すらおこせ無いよ」

「そんな事あるか!、この窓からあの塀に向けて火炎弾撃ってみろ」

「うーん、うーん、出ないよそんなの」

「マジか・・・」

「初級魔法が出来ないで、召喚獣持てるとか、有り得ん。・・・他には何か無いか?」

「う~ん、アイテム袋有るけど」

「アイテム袋だとおオォー」

「その類いや召喚獣ってのはな、上級魔法の使い手しかいねえよ」

「じゃあ、この瓶に水出してみろ」

「うーん、うーん、あっ、漏れちゃった」

「・・・・・汚え」

「もういい、その何だアイテム袋見せてみろ」

「取っちゃダメだよ」

「アホか、アイテムボックスとかその個人しか使えねーよ」

「お前何でそんな事知らねーで持ってんだよぉ」

「ああ、早く見せろアイテム袋」

「はい、ドサッ」

「「・・・・・!?」」



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