第6話 メイドファッション大会
ケアマネにとって、月初は地獄である。
月が明けると、前月分の利用実績が、各事業所からわんさとやってくることになる。
そして、ケアマネはその実績をもとに、給付管理票を作る。
何よりも、10日までに給付管理業務を終えないと、お金が出てこない。
そのため、めいっぱい忙しくなるという現実がある。
とは言え、今日でそれも終わってひと段落。
と、いうことで缶ビールとピザとから揚げという、身体に悪い三点セットをテーブルに置いて、PS4を起動する。
今日のチーム集会は、ゆみみさん主催のメイドファッション大会。
どんだけ、メイド好きなんだろ、あの人。
とは言え、私のりぼんさんも、がっつり仕上げている。
ふふふ。
一位はともかく、上位入賞は狙えるはず。
戦略としては、「メイドドレス」を使わずに組み立てる、という点がポイントだ。
何せ、あの人、メイド集会で散々メイドさんを見ている。
そのため、単にメイドドレスをベースにしたのでは、平均点以上は取れるが、それ以上にはいけない。
だからこそ。
ふっふっふっ。
勝利の方程式は出来上がっていた。
「今日は取りに行くぞー」
景気づけにビールを流し込む。
ぷはーーーっ。
さて、がんばるぞー。
ログインすると、チームルームには、すでに人が集まっていた。
「本日は、チーム外の人も来てるので白チャで行きまーす」
パグさんの開会宣言。
「では、こんばんは」
「こんばんは」
「こんこん」
「やほー」
「こんばんわーの」
全員で記念撮影をした後、いよいよファッション大会スタート。
チームルームの中心を舞台に見立て、順番に披露していく、というやり方だ。
「では、アルフィさんから行きましょー」
順番の指名はパグさん。
呼び出しに合わせて、舞台へと出ていく。
アルフィさんは、赤いロングヘアにピュアメイドドレス。ワンポイントで眼鏡。
「素晴らしい」
カットイン付きで、ゆみみさんがコメントを入れる。
「りっぴさーん」
次は六花さん、通称りっぴさん。
グリーンのベースウェアにハートエプロン。
う、可愛い。
「可愛い」
と、コメント。
「りぼんさーん」
あ、もう私か。
「はーい」
りぼんさんを舞台に移動させて、披露。
ガナッシュフォンダにスウィートショコラを組み合わせてみた。
そしていつもの赤縁メガネ。
コンセプトは。
「文化祭のメイドカフェでがんばる女子高生でーす」
「素晴らしい」
よし、素晴らしいいただきました!
今日の一位賞品は累加追撃カプセル。
高額SOP。売るもよし、自分で使うもよし、という代物だ。
とりあえず、いい線行ったはず!
そして、ルーナさん、ドリスさんと続く。
ドリスさんは、足元にイルカのしっぽを仕込んで、マーメイド。
だじゃれかっ!
そして、ファミミさん、HARUさん、suzumeさん、セリアさんと続く。
あー、結構メイドドレスを外して、ヒヨリユキアメとか、和風で攻めてくる。
「素晴らしい」も何回か出ている。
リニアーさんはFGOのアルトリアオルタメイドの再現。
う、意外なところを突いてくる。
そして、パグさんが自分で登場。
「今回パグさん、複数エントリーでーす」
「あー、ズルい」
「人にキャストメイドって勧めたので、自分も作ってみましたw」
ファミミさんがキャストメイド作ってたのは、そういうわけかw
そして登場したのは。
赤いリボンが目立つキャスト。
キャストパーツはよくわからないけど、たしかにこれはメイドさん。
しかも、メカメイドだ。
「素晴らしい」
あー、そうだよね、ゆみみさん、こういうがんばった変化球好きだよね。
ネタは流すけど、こういうの食いつくよね。
「チェルシーさんです。よろしくー」
うわー、いつもネタに走るのに、なぜこういう時に、こういうことしてくるのか、この人は。
その後は、ロレ姉さんとゼウスさんが、ほぼネタ被りっぽくゴシックメイドドレスをゴツいマッチョなおじさんに着せるという感じで披露して、最後パグさん二つ目の赤いゴシックメイドドレスに総髪の落ち武者みたいなネタキャラが走り回る感じで終了した。
そして、ゆみみさんが結果発表。
三位がsuzumeさん。
そして、二位がチェルシーさん。
あー、やっぱ成績いいなあ。
いや、でもまだ一位は発表されていない。
自分を信じろ私!
「一位は」
「でれっててててててれてててーーーーん」
チャットによるファンファーレ。
「りぼんさん」
「よーーーし、来たぁ!」
これはリアルの声。
チャットは「ありがとうございまーす」
慎み、慎み。
最後に記念撮影。
プールに集まってギャラリーの方々も一緒に撮影。
しばらくすると、ゆみみさんからトレード申請が。
そしてやってきたのは、累加追撃カプセル。
これで、りぼんさんの火力は大きくアップする。
ふふふふふ。
がんばるぞーーー。
そして、酔っぱらったまま能力付けをやって、スロットを三つぐらい吹き飛ばして、我に返った。
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