第20話 311

国会図書館に行って、3月11の記事を閲覧したけど、地震の記事。

でも、原発は幸い、停止中だったために爆発しなかった、と

書かれていた。


人々は何気なく、震災の復興に努めていて。


私たちの機転で、爆発は避ける事ができたらしい事が、わかった。



ほっとしたけど、でも

なんとなく淋しいな。


フェルディナント...

おじいちゃんの顔は知っているけど(笑)どんな感じなんだろう。


わたしは、図書館の自動車雑誌でポルシェ博士の写真をぼんやりと見ていた。


この方が、偉大な祖先。



そう、ドイツに行って

会ってみたいなぁ。


空想した。


どこまでも続く黒い森と真っすぐな道を

ベージュのワーゲンちゃんでのんびりと走って。

大きなお家に、白いわんこ、ピレネーズかしら。


草原に、お家がぽつんとあって。


彼は、のんびりとお庭で...


空想しているうち、切なくなった。


彼は遠い未来の人。

絶対に、もう会う事ないんだもの。

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