第10話 the end of their world


混乱したわたしは、白樺の林に車を止めようと

スローダウンして、パーキングを探した。


後ろから、さっき見かけたのと同じような

迷惑な家族連れが、こんどは白いトヨタアルファードで。

追い越せばいいのに、車間距離を取らずにぴったりと付き

車体を左右に振ったり。


威嚇のつもりなのだろう。


バックミラーには、風采の上がらない男が

狂喜に顔を歪めていた。



精神異常だ、とわたしは思った。


正確に言えば、米国精神医学会発行の精神分析マニュアルDSMによるところの「行動障害」は確実。


こんな連中は消えてしまえ。


ラジオのスイッチを入れる。


フェルディナントの声がする。「やる気?」



わたしは、さっきのレーザービーム・ポインタを取り出し

左にウインカーを出して、車を止めた。


不快なバンの家族連れは、意地悪く

すれすれに追い越しを掛けて行った...




まあ、それがあなたたちのこの世の終わり。



わたしは、レーザービームを照射した。

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