第百五十話 ナンターラ山の街ギルドの朝飯


う、うーん、、、いててて、、、

からだいて、、、

あ、床か、、ギルドの。


石張りの床で寝ていたんだ、そりゃ痛くなるのも当然。これが木張りの床だったらまだマシだったろうけど。

ドーラは起き上がり、周囲を見渡すと、、

あしのふみ場はどうにかあるかな?程度に冒険者たちがまぐろっている。

流石にはいたりしている者はいない。こっちの者は見た目欧米人風なんで中身もそうれらしく、アルコールにも強く、吐いているのを見たことがない。はく迄飲むやつがいないのかもしらんけど。


なぜか、冒険者が山になているその上に、ユータが寝そべっている。

そして、こっちではローラに女冒険者たちが重なり合ってる、流石ドラゴンだけあって上に何人もいても重くもないようだ。


カチャカチャカチャ、

厨房の奥から働いている音が聞こえる

「おっちゃーん、朝飯できるー?」厨房の中に声を掛けてみるユータ

「おっちゃんじゃないけど、できるよー」おばちゃんの声

「あ、ごめんー!大盛り一つ!あと味噌汁ってあるの?ここ」

「定食に付いているよ!」

「ありがと!」


飲んだ翌日の朝は味噌汁が良いのだ!!!これは誰がなんと言おうとっつ!!!

まじ、具なしでも良いから飲むべし!!


つか、ふつーに毎朝味噌汁飲めよ、ってかw

健康飲料です♪そういえば醗酵食、、、

同じ菌飲料の薬狂徒といとこ同士みたいなものか・・

あれも年寄りにはいいよな、ぷりっと出てくれる♪


などとユータの世界の食品のことを考えてると、おばちゃんが食事を持ってきてくれた。

「ありがと!、お、うまそう!」

「ここは北に近いから食材があるからね、、」

「だから将軍は南の街道を整備してるんか、、、」

「そうだろうね、南の食糧事情しらないけど、良くないんだろうねまだ」

おばちゃんは茶を入れてくれ、戻っていった。


新南東領都は将軍が駐在してるところだけあってまだマシだったんだろう。工事のために人も多く、商人たちがこぞって来ているのだろう。周辺は見ていない。他の土地って、結構厳しいんじゃないかな。

テイナのメテオも、ダンジョン付近まではふっ飛ばしていない、領都のみくらいで、周囲の森は領都側の木々が倒れたくらいだったようだし。領都郊外の畑は表面きれいにふっとばされたけど、、、


ーー


その頃、

北西王国(旧リターニャ)ミカロユス将軍はガンダにドラゴニア王都(本国側)と、ダンジョン側と中間の街、北の森の街、海辺の町などをざっと見せてもらっていた。

地下水路ダンジョンで船に乗りゴンザール側にも出てみた。


なによりもびっくりしていたのが、本国(王都)側の国民はほぼ子どもたちだということ。それでその仕事のすごいこと。魔法がすごく使えること。皆楽しんで仕事していること。

(これ、ドラゴンいなくても、戦争したらウチ勝ち目皆無だよな?)と思った将軍。勿論そんな自滅行為は絶対しないけどね?と自己確認もしていたくらい。


更に、冒険者たちの質が良い。人間が良い。ろくでなしが居ない。少なくともその目には見えなかった。


ガンダは将軍から北西王国南部の窮状を聞いた時、すぐに救援食料の手配をした。

そして、その場で北西王国の連絡事務所をダンジョン側の街に作らせ、ダンジョン側の街の商人たちへの北西王国の商売許可証発行をさせた。

北西王国から職員が来る迄はドラゴニアの子達がミカロユスと契約し、臨時職員になって。


その手際と発想にも驚いていた将軍。

翌々日には出発となった先発商隊の隊長を勤める年長の子を見たら、任せとけば安心だな、と思った。彼は領都に着いたら、そこにいる将軍の部下たちをうまく動かしてくれるだろう、とさえ思えた。

それは、ここドラゴニア本国のリーダーを勤める者の平均的力量だ。ほぼ彼ら自身の経験のみで培ってきた力量だ。

(これ、まじ、ここの国民に勝てる国などないな?)と思う将軍。


領都から将軍の部下の一人が自分で早馬で連絡に来た。

街道が一晩で整備されたことを報告に来た。

「あ、ドーラとユータだな」おもわずつぶやくガンダ

将軍もそれはわかった。

「んじゃ、うちの王さまに習って、、」と、ガンダはテイナとジオに、街道整備に魔法の上手い子達を出してくれないかと頼んだ。で、ガンダはミカロユスに

「ミカロユス将軍、うちから魔法が上手い子たちを数名派遣させましょう。早急に整備しなければならない場所は彼らに頼ってください。」と。


急がないでよいところは、ミカロユスの部下達の魔法の訓練にもなる。実地の仕事ほど訓練に相応しい環境はない。

ミカロユスはガンダに発言の真意を理解し、ありがたく派遣を受け入れた。


2,3日うちには街道は完成させられるだろう。

街道の整備が終われば商隊の行き来は更にはかどる。

食うに困る、という者はほどなくいなくなるだろう。


ミカロユスは南北の主街道の整備が終われば、東西の街道、それが終われば、枝街道と、道を整備していくという。国内の農業が復活するまでの経済措置でもあると言った。


あと、ガンダは子どもたちの学校への協力を申し出た。給食と教師の。

朝から昼迄。給食食べたら下校。すべての子どもたち、例外なく。という条件。

「この、例外無く、は徹底してもらいたい」ガンダ

ミカロユスは少々考え、了承した。

王も、ここに視察にくれば心底納得するだろう。とミカロユスは思った。


そしておまけのようにガンダが

「教師として行く彼らには様々な知識がある。彼らはその土地での農業振興、街のインフラ整備、防疫、など多方面にも活躍できるでしょう」

と言う。


ミカロユスは信じられなかったが、このドラゴニア本国の有様を見ると、そうなんだろうな、と思うしか無かった。

彼らが自分達で、この国を作ったのだ。

ミカロユスの国から逃れ、この人跡未踏の土地であったここに。孤児達ばかりで。しかも最初は50人ほど?からだと言うではないか。


ーー


ドーラが一階の食堂で朝食を食べていると、そこらに転がっているマグロ状態の中から少しづつ起きてくる者が出始めた。また、外から帰ってくる者達もいる。

起きてきた者は半分ぼーっとしながらも朝食を食べ、帰って来た者達は食堂の有様に驚きながらも食事をし、その後に部屋に寝に行った。


「なードーラ、ダンジョンってどこらへんにあるんだ?ここらにはあるのか?」

と飯を食べている冒険者。


「ココらへんには無いなぁ、、気配も感じられない。ローラのダンジョンに行けよ、がっらがらだから稼げるぜ?」

「南かぁ、、、考えとく、、」

「あの入り口に、また宿を作るかなー、誰かやってくれるかな、、やるだろうな」

「どこに作るんだ?」


「ああ、ダンジョンのある森の入り口、魔獣のいる森の入り口に以前宿作ってて、街やダンジョンの入り口まで馬車出しててな、繁盛していたんだよ。弁当も作って売っていた。ストレージ持ちなんか10コくらい買い込んでったぞ」

「そりゃそーだな、、自分でわざわざ作るのはめんどくせーし、干し肉でいいし、でも安く売ってりゃ買うな」

「自分で作るよりやすかったんじゃね?」

「そら買わない奴は馬鹿だな」

あっはっはっは!!×2


「どーら、作れよ、その宿」

「おまえ、やってくれる?」

「ナニを?」

「宿」

「できねー」

だよなぁ、、


「わかった、うちのコ達にやってもらうわ、、強いからいざとなったら頼りになるだろうし、、」ドーラ

「んじゃ、俺はその宿に住んで狩り三昧だな」


「いつ頃行く?」ドーラ

「んー、、、そうだな、4−5日、行く者を募るから、その後だ。向こうまで4−5日で着くか?」

「余裕だな。んじゃそれまでには宿と食堂開店できるよう頼んどくわ」

「おう!、、、ダンジョンかー、、お宝出るのかい?」

「出るみたいだけど、よく知らん」

「ラスボスは出さなかったのかよ?」

「お宝はダンマスの仕事だからな、俺は知らない。ダンマスはいたずら好きだからなぁ、、宝箱開けたらうんち、とかあるんじゃねーの?」

「・・・・・・行かないほうがいいかな?」

あっはっは!!


冒険者ってのは、いろいろ移動したほうがいいのだ。様々な経験を積み重ね、問題を乗り越え壁を破り、強く、良い人物になっていける。過ぎる危険からは当然逃げることも経験の一つ。で生き残れる。

魔獣を相手にしてると、口先は通用しない。

ほんとの狩人たる冒険者にクズはいないのは、それだから。

ただ、そういう者たちはほぼソロだった。自分で、自分に必要な分だけを手に入れるだけだから。


ドーラは念話でニヤに、あの宿を再開し、誰かにやってほしいとお願いしておいた。10日もしないうちに客が行くからお願いね!と。ニヤは、んじゃ自分が行ってやっとく、そのうちに誰かに任せる、と請け負ってくれた。

ニヤが行けば小さなスタンビードくらいも対処しちゃえるだろうからまず安心だ。食事も美味いし。


「今連絡した、ベテランがやってくれるって。飯美味いど!」

「・・・・今?」

「おう、念話で。」

「ナンでも在りなんだ?」

「おう!便利だぜ!、うちの奴ら大体使えるぜ!」

「・・・俺、おまえんとこのコだったら良かったな、、」


「うーん、、、宿に入ったら、休みの日にでも教えてもらえばいんじゃね?」

「わかった、頼んでみるわ」


昨日はじめて会った者だが、一晩飲んでバカやると判ってくる。

で、このように付き合い長い者みたいにもなる場合も。

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