第百二十四話 やっと戻れた!ドラゴニア


ドラゴニアに帰ってきた。

ダンマスの方で呼ぶまで自由にしてて、というので。


「おかえり、どうだった?」ガンダ


こっちで大体行き来しているときは、以前は夜寝ているときが多かったけど、今は茶の席が多い。

なので、前回は金(きん)を貰いに来た時にムータンに戻る前に茶を飲んだ時。そこに帰ってきた。

こっちでは向こうに行く前に「茶でも飲んでけ、」と言われるのが定番になっちゃった。

毎回そう言うのはガンダさんだ。最近、僕らこっち来てもすぐ戻っちゃってたからね!だからせめて少しは茶でも飲んで休んでけ、って。


今回みたいにちゃんと帰れるのはほんと久々な気がする。


「やっと帰ってきたぁ!」ドーラ

「うん、ほんっと久しぶりにちゃんと戻った感じ!」ユータ


「なんか、疲れたよねー、、」ユータ

「ああ、大してやった事も無かったのになー」ドーラ


「いや、そういう時は、力強い味方が居るだけでも随分違うだろ?俺らがもし闘いに出て、ドーラとユータが守りに入ってくれたら、全然違うぜ?気持ち的にさ。心置きなく暴れられるぜ?」ガンダさん

「そうだな、、それは言えるな」ジオさん

ザクさんは畑の出てるんだろう、ここにはいない。


「ニヤはどっちにしてもやるだけにゃ!」

「私も安心して好きなことできるわねー」テイナ

「ボクもだな!」マキ


そうかー、、そうだ、防衛の方はどうなの?とドーラはマキに訊く。


「うん、この街から40人、大きくなった子たち。魔法メインの子が6人で、他は剣が主な魔法剣士。で、ダンジョン側の街から

「え、あっちからも参加?!」

「うん、希望してきた。」

「希望??」


「別にこっちの街に入りたいとかじゃなくって、普段は冒険者やってるから、イザという時は参加したい、って。なんか、守りたいんだって。」

「・・ありがたな、、」

「そう。ドーラやユータは桁違いだからそういう働きだろうけど、普通の働きは2人じゃ不足でしょ?魔獣を追い払ったり、多すぎたら間引きしたり、スタンビードとか不測の自体にはすぐ集まって行動できるように、って。」


「なんか、悪いな、、」ドーラ

「いや、彼らの気持ちだから。それに、ウチも、多くはないけど基本的な賃金出すし、宿舎も作った。メシもそこで出す。風呂もデカイの作ったし。なので、怪我したり、冒険者できなくなったり、年取ったりしたら、ウチであとあとまで面倒見ることをちゃんとすればいいと思う。」ジオさん


「そのくらいは当然するけど、、なんか、悪いな、短い人生の半分にも匹敵するだろ?」ドーラ

・・・・・・・(皆)

あ、

「いや、、まぁ、、なんだ、、」ドーラ

「大丈夫。人間の寿命はそんなもんだから。特にドーラは長いし、ダンマスはほぼ永久だし!」

フォローなのかなんなのかよくわからん


「やりたい、と思うことをやらせてもらえるのが、一番嬉しいんだよ?」マキ

「そうだな、そういうことだ」ガンダ

「そうだな、、ありがたく受け入れよう」ドーラ

で、何人よ?と、ドーラ


「100人くらいかな?」

「・・・・まぁ、、有り難い、、、、そんないんの?」

「うん、集まっちゃって、、」

「俺も俺もって煩かったにゃ!」


「ジョニーはなんか言ってた?」

「受け入れてやれって、、」

「まぁ、そうか、、だよなー、、他に比べりゃ、ウチは良い冒険者の楽園だもんな、、」


「よいのではないでしょうか?だって、ムータンから人がきたら、警備とか凄く必要になると思う。向うの人戦えないし。」ユータ

たまに冴えるよね?ユータって、、と皆感心する。


「そのとき、あれだよ、あの魔法、、向うの人、こっちの言葉喋れないから、、ほれ、、」ドーラ

「ああ、言語変換魔法は難しいんで、意思疎通の魔法ね」テイナ

「それそれ、それをこっち側の皆ができるようにしてもらいたい」

「そうか、向うの人、まだそこまで行っていないから、、」

「ほとんど無理だと思う。王様とかすげー努力して結構付いたから、行けるとは思うけど」


ひとまず防衛隊の魔法の訓練で教えるのと、子供の学校でも教えることになった。



ジョニーはまだまだゴンザールから戻ってこられないようだ。

今までの冒険者ギルドが事実上無くなったので、ゴンザールとラットビア、イスターニャに新しくゴンザールとドラゴニアで作った冒険者ギルドの支部を出して、運営を一人前にして、独立させねばならない。

なぜ独立かというと、組織がでかくなると管理側が権限を握ってろくでもなくなる可能性が高くなるから。

現場のベテランが仕切っていないと全く意味がないのだけれど、上の者たちの利権化してしまう。


ただ、またろくでもなくなったら、そこは潰す。だからおめーらまともにやれよ?ということだ。

経営悪化などは、ドラゴニアやゴンザールで面倒見るので、経営のしわ寄せを冒険者に行かないようにさせることが大事。


ジョニーは他にも孤児院とか一般社会の不都合とか、いろいろ見て回っているようだ。

それらをガンダ達から聞いたドーラ

「一生戻ってこられないじゃん、、優秀な子を数人付けてやれば?」


「それはジョニーが自分で少しづつやっているってさ。見て回ってるときに、孤児院や街の浮浪児からいいのを見繕って手下にしているって」ガンダ

手下、、、悪の親玉みたい、、


「まぁ、あっちの王達は奴等なりに頑張っているようだけど、やっぱ当事者から見たら手落ちだらけだろうからな。助かるよ、現場を子供の頃から知っているジョニーが見てくれて。」ドーラ

ドラゴニアには孤児院の院長もいるが、歳だからフットワークはほぼ無い。

また、孤児院の施設側と孤児側では、また目線も変わる。それが良い人の院長であっても、だ。


孤児だった、そして自立して冒険者になり、クズの国に居るのが嫌でゴンザールまで苦労して来たジョニー。

その物心着いてから今までの経験は、かなり活かされるだろう。



結局「人」だけどな。いくら王が頑張っても、人があまりよくないといわれなき差別はなくならない。つまり嫌がらせや虐待も形を変えて続けられる。

ジョニーはそれを見つけられる。そういった社会にいる子達を、皆連れてくるだろう。それでいいのだ。ゴミの中に居ていい理由など無い。

俺達は、そこをゴミだと言うだけだ。

上っ面にメッキしても、ゴミはゴミなのだ。ジョニーなど、見ることができる者が見れば、すぐわかる。

そう思うドーラ。


それから、その他、国内のこと、国外(ダンジョン側の街、中間の街、北の森の街)のこと、ゴンザールのこと、ダンジョンのことなどを聞いた。


ほぼ問題なさそうなので、

「ジョニーのところにいってみるか?」ドーラ

「いいね!久々に会いたいねー」ユータ

ニヤたちからジョニーへの土産を貰って、出発。

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