第百十九話 D/Day初日


ムータン王宮

広間が司令部になった。

と言っても、司令であるダンマスは出たり入ったりする。ダンマス群島の方があるから。

「ああ、でも一瞬で片付くんで、もし行ってもすぐ戻ってきますよ!」

と、なんでもないように言うダンマス。

つか、行きもせずに終わらせるつもりかい!



「さて、今、現時点での敵側の状況を話します。海と陸では陸のほうが行動おそいんで、開戦は陸に併せて行われるでしょう。海のほうのウチの側の対応はもう終わっていますので、開戦時は私はここにいて、最初のミサイルを防ぎます。その際にそれらミサイルを敵の攻撃部隊の最も物資や人員がいるところに返しますんで、多分先を進行中の車両等は生き残るでしょう。それらをドーラとユータは一つ残らず消してください。

ユーリ、もし消し漏らしたものがあったら、お願いしますね?

で、モモンガ達は国境線全域に散らばり、もし近づく者があれば全て跳ばしてください。魔法の効果範囲を上げていますよね?」


「はい!だいたい10キロ以内ならどんだけでも跳ばせます!」モモンガの隊長

「よくやりました。期待します。・・ああっと、モモンガを一人だけここの司令部に残らせてください。国内の警戒をしてもらいます」ダンマス

しゅたっ!!敬礼しそれで了解をあわらした軍服姿の、ひとの子供並みの大きさのモモンガ隊長。


ミサイルのICBMとIRBMに関しては、実はダンマスはもう術を掛けてある。罠の圏外からの発射だからだ。

別にハッキングとかじゃないので敵には気づかれない。ミサイルを発射して射程距離半分近く行ってから、引き返すというようにしてある。

短距離のに関しては、発射後からでも大丈夫だろうと思っているダンマス。


しかし、ダンマスの魔法の有効範囲というか、どこまで出張ってやって来たんだろう?まぁ転移使えるからっちゃーそうなんだけど、、ちょうと地球の反対側じゃないのだろうか?

それだけ、今回のこの件を真剣に楽しんでいる、ということなのだろう。

やり残しが後で見つかると、ああ!しまった!となって楽しさ半減だからね!!


ダンマスの現地情報によると、あと数時間ほどで敵側の作戦開始らしい。

皆はゆっくり食事をし、睡眠を取った。


ーー


ムータン夜明け前


皆はダンマスの転移で司令部に呼ばれた。


「開始です。遠距離ミサイルを全て対処したのち、皆転移で持ち場に行ってください。

10,9・・・・・0!!

ムータン向け、ダンマス群島向け大陸間弾道弾発射されました。数分後に中距離弾道弾、そのまた数分後に近距離弾道弾が発射されます。その10分後くらいに遠くから順に爆撃機部隊が発進するでしょう。

・・

ムータン侵略地上部隊は爆撃機が発信したくらいから侵攻開始するようですね。

あ、群島のほうの艦隊はもう動き出しました。数が多いですからねぇ、、全数出せるだけだしたみたいですね、、有り難い。」ダンマス

なんと言っていいのかわからない皆。



すっごく遠くで爆発音が聞こえているような、、まだ続いている、、と感じたユータ。

「あたり!ユータが今感じたのは、ムータン目指して最長距離を飛んできたミサイルが方向転換時に、急激な圧に耐えられず爆発したり、そばのミサイルに接触して落ち始めたのを、危険なので爆破しました、やはり核弾頭でしたね。まぁ半数以上は戻ったようです。」


「あ、」ダンマス

ずーんずずーーーん、、といくつかの爆発音。高空かな?


「今のは術が効かなかったとうか、掛けられていなかったモノですね。網の目から逃れたのもあったんですねぇ、、そのまま爆破しました。」


もう、ダンマス一人でいんじゃないの?と思う皆。


ダンマスは壁に投影した。群島のほうの衛星動画みたいなの、、

ミサイルはみな引き返したようで、航空機が丁度群島の近く、射程圏内近くに、、で、ある一定の位置に届くと、なんか見えない洞窟にでも入るようにみな消えている。


そして、

画面がかなり後方に引かれ、ずっと向こうにゴミのようにういている数え切れないほどの艦艇数、、が、やはり前の方から消えていっている。

後ろがつかえているから止まれないんだろうか?ww

何万隻いるのかわからない。大型艦ばかりだ。


「あれが、ぜんぶ、お米の国に降り注ぐの?ばらばらで?」市

「はい、みな人の大きさくらいまで小さくなっているはずです。彼らが好きみたいなので、ほら、くらすたー爆弾とか好きみたいでしょう?はしからはしまでまんべんなく隙間なく降り注ぎますっつ!!!」

ああ、自業自得か、、と一応納得。


これが王の専制国家であれば、王一族と貴族達全員の責任で済むんだったが、違うからね。



「あら、めずらしいことですね、、潜水艦が地雷原をうまく逃れました、、さて、、転送、、。宇宙にとばしてみました。水の中で活動できる乗り物が、宇宙ではどうでしょうか!!」

実験好きなダンマス。


「あれ?ばきばきに、、、だめですねぇ、、」

ダンマス、、宇宙まで見えるの?遠視?何の?どーゆー能力?インベーダー?なんなのこのひとっつ!!

と、驚愕のメンバー一同!!

でもユータは例外、すごいなーダンマス。とだけ。


宇宙のどのへんに放り出されたのか知らないが、乗組員達は外に放り出されてはじめてそこが宇宙だと知ったろう。

どう思ったんだろうね?一瞬しかなかったろうけどさ。


「群島の方は、もうほっといても大丈夫でしょうね、上陸されても何もないし。さて、、モモンガ隊とドーラとユータ、お願いします。」

「「「はいっ!!」」」


と言っても、ドーラとユータは城の天辺の屋根の上が持ち場。

モモンガ達は転移でそれぞれ散っていく。


ーー


「アルファゼロワンアルパカゼロ、アルファベースどうぞ!」

「・・・・・・・・」

「アルファゼロワンアルパカゼロ、アルファベースどうぞ!」

「・・・・・・・・」

「応答ありません」通信兵

「ジャミングか?」

「じゃないですね、機械の故障とか、向こうが物理的に通信出来ない状態と同じ感じです」

「また電磁波攻撃?」

「うちらは平気ですけどね?」

「ピンポイントで基地だけか?」

「さあ?」

「・・・作戦通りいくしかないか、、」戦車部隊長

自軍が発射したミサイルによって、全てのベースが破壊されていることを知る者はいない。



「あれ?1号車?」車長、キューポラから半身乗り出している。

「・・いや、もっとだ、、音が減っている、、」操縦士

そこら一帯の騒音量が減っているのがある程度わかるようだ。

あ!、目の前の戦車が消えた、、

と思ったら、、、



モモンガ兵、最終的に100人ほどにしかならなかったが、健闘甚だしく、重戦車などは人相手のの何倍も魔力使うのに、ばんばん跳ばし続けている。両手に握った魔石の魔力が切れると、異次元ぽ・・ストレージがから新たな魔石を取り出して握って、魔力を吸い出し、それを使ってまたどんどん消していく。

モモンガ達がいる場所の10キロ以内に入った車両はほとんどいない。入ってもすぐに消されたが。


敵戦車などは、射程はどうにかなるかもしれないんだから、盲撃ちでいいからどんどん射てば、モモンガ達の邪魔を少しはできたかもしれない。でもそんなこと全く知ることもできないので無駄弾撃つとかできない。そこは各自で判断していい範囲外だからだ。目の前に敵が居る、だから撃つ、くらいの判断しか許可されていない。

でも、敵にもし聡明で勘の良いものが居ても、モモンガ達相手には意味なかったろう。


兵員輸送の装甲車も例外では無く、目の前の車両が次々に消えていくのを信じられなく、停車することすらせずそのまま前進し、消されていく。実戦経験が足りないと、不測の事態を認識することすらできないのだ。


万の桁の車両をほぼ全て消し去るには数時間かかった。

モモンガ達は魔物なのにバッテバテで司令部に戻った。


「も、もろりまひたー、、、」ドサッつ、、

ぶっ倒れたモモンガ隊長。

特に隊長は上の者として頑張り、彼の兵達の倍は敵を消していた。

魔石の消費量半端なかった。


「よく頑張りました。今回の作戦の中で、あなたがもっともよく働いてくれました。ありがとう。」ダンマス

ダンマスはモモンガ隊長に魔力充填し回復を掛けた。

モモンガ隊全員にも魔力を充填し、回復し、皆に食事をさせた。


一方、

ドーラとユータ。

「ミサイル、来なかったね?」


カチューシャみたいなのが用意されて来ると思っていたのだが、

ああいう多連装ロケット砲はそう多くないようで、特に侵攻よりも防衛用らしい。

なので、侵略するより侵略されるほうに力を注いでいる寒い国と中くらいの国には多いが、お米の国は作っていなかったようだ。

侵略するのには、自走砲の臼砲や戦車砲で充分だということだろう。

今までだったら。


ダンマス情報によると、ムータン敵対勢力の支配圏下で、被害を受けていないで自律している基地はほとんどなく、被害受けていない基地はほとんど近隣のおおきく被害を受けた基地の統制下であるので、指揮系統断絶で全く身動きできないとのこと。


「なので、皆さん!今日はもうおしまいでーす!お風呂入ってご飯食べて寝ましょう!」ダンマス


まぁ、ダンマスがいいっていうんだから、、と王様を始め皆納得?してそれぞれ風呂はいる用意しに自室に戻った。


一日目修了


ダンマスは基本眠らない。眠りをとらない。皆が疲れて眠っている間も、密かに動いている。

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