第百十五話 いれぐい


その後、ややあって。


「あ?また?なんだってあそこの上空でばかり!!!何かされてるんだろう!!さっさと突き止めろ!!」

ここはムータンから遠くチューインガム諸島の空軍基地。

毎回毎回偵察機の機材が故障しているのだ。決まった場所でのみ。

それがムータン上空。


もっと近くのインド洋にあるチョコ諸島の空軍基地のほうが近いのだが、そこはそこで中央アジアへの攻撃を担当しているからだめ。

国外は大体海軍が仕切って、空軍はあまり占領地をもらえていないのだ。そのくせめんどくさくなった半端にだめにした仕事を押し付けてくる。

クソ海軍が!と海外現場に出たことのある空軍の連中には蛇蝎のごとく嫌われている。


「大体、陸軍があんなだからNATOを使わざるを得ないんでダメなんだよっつ!!」

海軍が力を付けるために陸軍を押しつぶし小さいままにした。そのことを言っているのだ。

侵略国家が海軍に力を入れるのは当然のこと。


もしその場にドーラがいたら、同じ穴の狢だろ?国の寄生虫じゃねーか。と突っ込んだことだろう。国家予算で軍が侵略し、支配層民間が利権を得て儲ける図式は昔も今も変わらない。


なので、対軍に対しては全く躊躇しないだろうドーラとダンマス。

兵隊も、自分たちが世界で何をしているのかを知っているはずだし。知らねばならないし。殺ってるんだ、殺られる覚悟はあるはずだし。当然のこと。


ーー


「あ・・・」


ある日、ダンマスは郊外の見晴らしのいい所で一人でちょこっとした実験していた。

ドーラだったかユータだったかが言った、その格納庫で爆発させてみれば?とか言うやつだ。

なんか起爆装置が超面倒くさい陣のように特殊な式(プログラム)で埋まっていたんでテキトーに解明していじくっていた。

ら、

いきなり爆発しちゃった。


「失敗です。陣の解明できませんでした。まだまだあるからいいですけど、、」とひとりごちるダンマス。


ネバネバダ原野のサイロにある古い古いICBMの機体だった。今となっては大昔のミサイル。廃棄予定に入っていたものだった。確か随分前に行われた前回の削減交渉で廃棄されたはずだった機体がなぜあるのかはしらないw

その直後、同型ミサイルは即時解体に入ったようだ。古くて勝手に爆発したと思われたようだ。古すぎて今はデータは外とほとんどシンクロしていず、様子がわからなかったから。


でもその解体の前に、ダンマスは解明を済ませていた。その後の新型などはかなり楽だった。特に中央とリンクしているので

「とても楽ですね!」ダンマス。


スタンドアローンは面倒だし、しかも一機一機手作業で合うようにそれなりに変えられている。肝心なところが変わってりゃ、魔法が効かないこともあるから。

だから、それ以降の機体は中央からコントロールされているので楽だった。


終わったようだ。

「よし、これで反転させることもできるでしょう♪!」ダンマス


ーー


衛星カメラは、直上からでなくとも写せる。最大何度なのかはしらないが、15度や20度くらい振れるのもでてきている、ズーミングできるようになったので。下界のPC画面の文字をはっきり読めるらしい。

なので、

今回見晴らしのいいところ、4000m級の山頂の尖った岩の上に、普段着で、どうみえてもバランスとれていないはずなのにつったってほげっとしているダンマスの写真は撮られた。

ただそれは、AUTOであり、めったに人がいない地域で人らしきのが居たら撮影するという、機械のルーチンワークだった。


それらから膨大な数の同様のオートで撮られた写真が毎日上がってくるので、担当の者達は、削減されてる人数でわざわざ張り切って全部見るやつはいない。削った経費がどこに消えてるのか下っ端でも知っているのだから。


そういうのを相手にしているということを、ダンマスたちは知らない。

もし、

知っていたら、

即時燃やして終わりだったろう。

「遊ぶ価値もない」と。


ーー


砂漠のお国のいくつかの基地の壊滅、

遺跡級核ミサイルの暴発

空軍の偵察機の機材故障が連続

軍事衛星の故障の連続

ムータンで使っている工作員たちの行方不明

ありえない写真の男。


これら、まだ見つかっていないのも(最後の)あるが、結び付けられる者はいない。まだ。

・・・今後出てきそうもないけど。

その程度なのだ。レベルひくすぎ。

でも、

ドーラもユータも、流石に偵察機と衛星と工作員は結び付けられているだろう、対策は始まってるだろう、と思っていた。


おお甘だ。賢くて聡明な者は排除され潰され、今はそういう者を入れない組織になっているのだよあそこは。

なので、待ちぼうけをくらうことは目に見えている。



だがしかし!!

王様、何を思ったか、ドーラが持ってきた金貨1万枚鋳なおしてインゴットにして市場に流した。

レート爆下げ!世界中で阿鼻叫喚の中、大爆笑な寒い国!即時全部かっぱいでいったw

中くらいの国も嘆いてないで買えばよかったんだよ?まず嘆く、はやめるがよろしw


で、完全に睨まれましたムータンの王様!!

国際金融資本を始め、世界有数10本指の(悪の)歴史ある資本家たち、その手先の成り上がりの資本家達がこぞって作ってるビルダーズなんとか毎年一回やってる会議を初めて臨時開催して全会一致。ムータンをお米の国とNATOに支配させると。


で、その会議参加者全員、ムータン王家にはまだ金はざっくざっくとあるであろうと思ってる。合理的理由は全く無い。裏付けゼロ!!。でもそう信じちゃってる。それが彼らのデフォ。

なので、各自にそれなりのを現地に打ち込もうと目論んでいる。下手な某中央情報局なんぞよりもお上手な人員を多く持っている奴らは多い。


奴ら連携はダメダメだが自分の利益のためだけに動くのは素早い!

で、速攻!何百人も跳ばされましたっつ!!


「ムササビ達、いい仕事しています」ダンマス談


さっぱりわけわからん、そいつらを送ってきた者たち。いくら送り込んでも入る前に音信不通になっちゃうんだからな!!


で、一部の者たちは、空から闇夜に紛れてパラシュートで潜入させようと、、

ムササビ!!いつの間にパワーアップしていたの?!!恐ろしい子っつ!!!

その飛行機ごと跳ばしてしまいましたw

バミューダあたりで残骸で排出されてるんじゃないかな?


「跳ばす時、中でシェイクさせます」モモンガ談

ああ、だからあのひともねじねじびろーんだったのか、、、とわかったユータ。


ある夕食後のひととき。

ダンマスからそれら一部始終を聞かされ、ティルームは爆笑に包まれた。


「お、、おうさ、ま、、ぷ、、ひ、ひとがっ、わるい、、ぷっ、、腹いてぇ、、」市

王様の行った盛大な釣りのことだ。

「ひー、、、ずりーなー、自分たちだけたのしくぅー、」泣きながらのドーラ。もちろん笑い過ぎで涙が出てw

こっちはミサイルや偵察機関連のことだろう。


「いれぐい、って、すごいね!」普通に笑いながら言うユータ。つぼがわからないのかな?

ユータは物理的にドッコン!と盛大に行いたい派なので、いまいちなのかもしれない?


その晩、当然、ドーラとユータは向こうに帰り、更に1万枚の金貨を持ってきた。もちろんガンダ達にことの成り行きを話し、今はこれが大切だと。

爆笑しながらも、いーっすよ、どーせ使わないんだし、、と、皆快く♪


さらなるいれぐい作戦には、どうリアクションしてくれるのかっつ!!頼むぜ!!

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