第九十二話 少し見ない間に


昨日街を少しぶらついてみて、皆自分たちでもう独り立ちしているなと感じたドーラとユータ。

今日はダンジョン側の街も見てみようと、行ってみた。


「・・・はれぇ、、いつのまに・・」ユータ

「・・ああ、、、すげーな?」ドーラ


ダンジョン側の街も中心の作りはドラゴニア国内と一緒にしている。

位置が少し違い、ダンジョン入り口が王宮(邸)の部分にあたり、そこから3キロほど東に大通りが走りロータリーが在る。そこから東西南北に通りが走っている。

街の周囲はやはり田畑で、そこはゴンザールの農民に貸し与えている。


ダンジョン入り口から通りを眺めている2人。

通りの両側には2−3階建ての建物がみっしり立ち並び、そこからもう違う。ドラゴニア国内の同じ場所は、余裕を持って建物が在るので、一軒一軒の敷地がこっちの倍以上ある。みっちり感は無い。どっちかというと、田舎の町ののんびり感がある。


こっちは、、「街、だな、、、」ドーラ


そう、もうどっから見ても街!になっており、しかもすごい喧騒感!

荷馬車が走り回り、荷物をどんどんダンジョンの入り口に運び込み、各店の前も忙しない。販売も多いけど、荷造りが目立つ。

「どっちかってと、問屋街みたいだね」ユータ

今度持ってくる自転車は業務用自転車にしようと思ったユータ。


もちろんドラゴニア国民でストレージを使える者が増えているので、彼らによる「運送屋」も盛況なはずなのだが、それでも足りないのだろう。水路ダンジョンの船に載せさえすれば、ゴンザールに持ってってもらえるのだから。


通りを噴水(ロータリー)に向かって歩く。もちろんドラゴニア国内みたいく適当に歩いても安全なわけではなさそうなので通りの端を歩く。通りは荷車がひっきりなしに通っているのだから。


ロータリーから先の四方に伸びている通りの両側もかなり先まで建物が立ち並んでいる。

食堂があったので、軽く食ってみるか、と入る。


店の壁には品書きが張ってある。

「ユータ、そばが在るぜ?」ドーラ

「へぇ、、、こっちにあるのかな?今まで見たことなかったけど、、」

「どうだろ?食ってみよう」


店員にそば2つ注文してみた。

ほどなく来た。


「・・・・・つゆが、、、ちょっと、、ちがうかなぁ、、」ドーラ

「・・・うん、、もったいないから食べるけど、、、」ユータ

周りを見回すと、他にもそばを食べている人が居る。普通にすすっていた。


「まぁ、慣れればうまいのかな?」

「うーん、、、、慣れたくない、、、」


それからまたぶらつき、、

こっちの通りは本通りほど喧騒がすごくはないようで、喫茶店も宿も多く、くつろぐ人も多く見える。

でも、、

「なんか、ウチの国の子達の店が目立たないね、目に付かない。在るはずなんだけど、、」ユータ

「ああ、俺も気にしてみてたけど、、なんか、見ないな?」ドーラ


それから他の通りも歩いてみた。

結局、一日掛かってしまった。


夕食時に子どもたちに聞いたら、店は元の場所に在るよ、繁盛しているよ、と言っていた。

そばについては、まぁまずくないとの感想。

「今度、めんつゆ持ってくる」ユータ

「それがいいな」ドーラ

2人ともなんか許せないようである!w


「でも、ここでこーなら、ゴンザール側の砦の前も結構アレなんじゃね?」ドーラ

「だろうねぇ、、森の新しい街道の宿場町とかも、どうなってるだろ?」ユータ

結構気になるので、

「「あす」」

どーぞ、いやいやゆーたが、、

「行ってみようか」

「おう!」


王様達は別のテーブルで食事していた。今日は地図記入終わってから外をまわってみたようで、みないろいろ興奮して話しているようだった。良いことだ!



翌朝水路ダンジョンの船に乗る。

昨晩、転移で行くか船で行くか、と話し、船に。2人とも船もどーなってるか?と気になったのだ。


船上

「お久しぶりですね!」モモンガ船長

「あ、うん!元気?」ユータ

「元気ですよ、ダンジョンの魔物ですから!」船長

あー、一応そーなんだー。


「すごいな、大盛況だな」ドーラ

「ええ、もう船が何隻居るのかわからなくらいです、わかりますけどね」

今乗っている船の後ろにも積み込み始めている船が居る。終わった船から出ていく様子。

(ホントは転送で送れるんだろ?)ドーラ、船長に訊く

(もちろんですとも。でも様式美?とかダンマスが言っていましたんで)船長

なるほど?

まぁ、、このほうが人間にはわかりやすいからいいよな?


ユータ達の乗る船も程なく出港し、いつのも景色が見えてきた。

乗客も多いらしく、しかも皆慣れているらしく、甲板でくつろいでいる。


昨日見た街中でもそうだったが、忙しいけど喧嘩とか言い合いとかの声などは聞こえなかった。

ゴンザール側が許可与える人選をしっかりやってくれているんだろうと思う。


手すりに持たれながらぼーっと景色を見てそんなことを思っていると

「今度、ゲスザンスとゴーミの街中も見に行ってみないか?」ドーラ

両方の王都は消したけど、地方の街は残っている。

「うん、いいね」

その後、も見ておかないと危険かもしれない。

あと、少し気になるし。



翌日船はゴンザールに着いた。

混んでいるのでもう短縮しました、と船長は言っていた。

そのうち半日とかになってしまうかも、、と少し悲しくなるユータ。船で寝るのがいいのだ。なので一泊はしたいのだ。


ゴンザール側の出口の庭園の周囲はもう凄く、というか、、砦まで建物が立ち並び、、荷物を運び込んでいる商店がもの凄く多い。

ドーラの仲間の宿に行ってみる。


「ちーっす!主(みのさん)いるかい?」

「少々お待ちをー!」

・・

「よー!久しぶり!」

「来たぜ、すごいなここら、、」

「だろう、、、まぁ座れよ」

と、

宿の主のミノさんから発展ぶりを聞いた。


街道の宿場も凄く発展し、冒険者の数がえらく増えたという。

なんか、北の森の入り口からどんどん入ってきて、真ん中の街とかこことかに来るそうだ。

「向こうの冒険者の殆どがこっちに来てんじゃねーか?」とかまで言うミノ。

「「いいことだ!!」」ドーラ&ユータ


そっから空飛んでゴンザールを見回ってみたが、いい感じしかしなかった。

なので邸に転移で戻った。

明日はゴーミとゲスザンスを見てみよう、となった。

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