第八十三話 峠の満月チームの場合


横暴なことをしていた傭兵共が逃げてしまったので、どうしようか?と、、

「とりあえず最後の村に行ってみないか?いたら5等分して好きにしていい、ってことでどうよ?」ドーラ

いいね!と全員賛成。


帰っても暇だし、戦果ゼロとか、、なんかしょぼいからねぇ、、


てくてく歩いていたけど、時間がもったいないなーと、ユータが全員を村の入り口に転移させた。


小さい村なので、入り口から全体が見渡せる。一本のみの通り。店屋も2軒ほどか、、

傭兵達の本拠地に使っているらしい、村で最も大きい屋敷。元は村長のだろう。

前庭で酒盛りしている傭兵共。20人位か。


「あ、多分、さっきの奴等を追い抜いちゃったなw」ドーラ

だねぇ、、あいつら徒歩だもんね、、


「先にこいつら頂いとこう。」ドーラ


「あー、貴様らに告げる。心を入れ替えて善人になりたいやつ、いるか?本心なら見逃してやる。すぐ名乗れ。

・・・いないな?」ドーラ

「ああ?小僧、何言ってるんだ?」

ボン!

焚き火の側で立ち上がったその男の頭がはじけ飛ぶ。

へ?と

見回すと、えへへぇ、、と舌を出してるテイナ。実験したな、、、


凍りついたように身動きしない傭兵たち。頭爆発男は立っていたんで、爆発の様子が全員に見えたようだ。


ほどなく、シャラン、と、安っぽい剣を抜く音がそここから聞こえる。


「んじゃ、一人5名まで自由にしていいから。」ドーラ

「「「「おう!」」」」


ユータはさっと動いて側の剣を抜いた傭兵に斬りかかる、傭兵は全く対処できない。ユータの動きが見えていない様子だ。魔獣はちゃんと追ってくるのに。

すぱっ!

「あれ?手応え無いよ?」ユータ

「そりゃ、魔獣に比べりゃいくら装備付けててもたかが傭兵、ケーキ切るようなもんだろ?」ドーラ

「いやー、ケーキのほうが切りごたえあるけど、、」

そうか?

と、切りかかってくる傭兵を手刀で剣ごと縦に真っ二つにするドーラ

「あ、ほんとだ、、空気切っている感じ、、、」

「だよねー」


テイナはあっちこっちで腹や頭をボンボン破裂させている。流石に自分にその汁がかからない距離を開けている。

が、破裂する獲物の側にいる傭兵にはそのまま降りかかる。


ニヤは拳を叩きつけている、剣だろうが兜をかぶった頭だろうが、鉄の鎧の腹だろうが、ぶち抜いて、腕は獲物の血だらけだ。


マキは普通に首をひょいひょい落としている。というか、どうやってるのか、首がすっぱーん、と跳ね飛んでいく。まるで首がバネで跳ね飛ぶおもちゃのように。


・・・・・・・

あっという間に獲物がいなくなった。


「どうしよう?足りないよ?」ユータ

うんうん頷く皆。


足りないよ、ってどーゆー意味だよ、、、と悩むドーラ、、


「しかたねーなー、、ユータ、領都に行くぞ」ドーラ

「うん!」と、皆を領都に転移させる。


領都、中央広場に現れたユータ御一行。

ちなみにニヤのみ腕が血みどろ。ほかのメンツは綺麗なものだ。


怪しく見えたのか、カネになると見えたのか、衛兵達が数人駆けてきて剣を構える。

「おまえら、怪しいので衛兵詰所に来い」と命令してくる。


「騎士団に行きたかったが、先に衛兵達でいいかな?」ドーラ

「うん!まず軽く、ってことだね!」マキ

いいよー、と皆。


傭兵たちが全く手応え無かったんで、量で補いたいと思い始めているのかもしれない。


詰め所に行くと、連れて来た者達含めても20人もいない。


「これだけしかいないのか?」ドーラ

「おまえらにはこれでも多いくらいだ。」兵士

「お前たちは心を入れ替えて善人になる気、あるか?あるものはすぐに名乗り出ろ」ドーラ

「ああ?何言ってん ボン!! ドサッ、、、頭がなくなった兵士が前のめりに倒れる。


後ろの方にいた兵の数人が逃げ出す。

ほかは剣を抜く、


ユータたちは詰め所から後ずさりで、しかしゆうゆうと出る。


狭い中でやると、ユータ達にも血しぶきがかかるからだ。


「一人あたま3人、といいたいが、ここは早いものん勝ちだな!」ドーラ

おー!!!!(皆)


ザン!切りかかってくる兵の剣ごと体を切り裂くドーラの手刀。

ユータも一番ガタイのデカイのに向かって、他の兵たちのあたまごしにひょーいと飛び越え、上から斬りかかる。

そのガタイのいい兵はでっかい剣で受けようとするが、その剣ごと切り裂いて真っ二つにする。


「なんか、兵隊たちの装備が紙みたいに役に立たないんだけど、手応えは傭兵と変わらないね」ユータ

「まぁ、衛兵だからなぁ、、一般人相手に強がって悪さしていたんだろ?」ドーラ

「うん、うちの孤児院なんかもかなり嫌がらせされたねぇ、、」マキ

「あー、なんか、そんなんでも懐かしいね、随分前のような気がする、、」テイナ

「あっはっはっは!!仕返しにゃっつ!!!」ばきん!ぼん!どーん!!


「詰め所って、ここだけなのか?」

「ここは東門で、あと北と南と西にもあるけど、、本部が領主の城の側ににあるよ」テイナ

「んじゃ、そっちは多いんじゃないか?行ってみるか、」

おーー!!!


いつの間にか野次馬達に囲まれていたが、ユータ達が動くと道を開けていく。怖いのだ。


「孤児院時代、誰か助けてくれた者達、いなかったの?」ユータ

「昔はいたけど、そういういい人たちはなぜかどんどん消えていなくなっちゃった。」マキ

「残ったのはクズだけ、ってことかな?」ドーラ

「多分ね」


「なんか、ブレスで全部焼き払いたくなったが、、、」ドーラ

「もすこし実験させてほしいかな」テイナ

「うん、ボクも久しぶりだからも少し斬りたいかな、、」マキ

「腕が鳴るんにゃっつ!!!」

・・・・仕方ないな、、と、ドーラ


衛兵本部はもぬけの殻だった。

先程逃げた衛兵が報告に行ったのだろう、でも、逃げるってのが、すげーな、、とってもゲスらしくっていいけどwww


隣の領主邸の敷地内に騎士団があるらしいというので、やりたい、というニヤに、塀を拳で破壊してもらい入る。

気を、魔力を矯めて一気に突くと、塀はどっこーーん!と大爆発した。向うにあった厩舎は半分なくなっていた。

ウマ、大迷惑w


騎士団本部なんだろう、建物からわらわらと人が飛び出てきた。

破壊音して、そのまま全身を晒すためにわざわざ出てくるか?バカじゃねーの?


テイナはもう出てきた者達をどんどん破裂させている。ぽんぽん頭や腹が弾けている。

奥に兵舎があったのか、わらわらと完全装備になった騎士っぽい連中が、本部らしき建物の向こうがわからたくさん出てくる。


「おう!大盛りやっときた!食うぞっつ!!」ドーラ

「「「「いっただっきまぁあああすううう!!!」」」」


・・・・・


200人か300人くらいいたのかな?頭さえないから、数えられないや♪


魔法で一つにまとめて、魔法で穴掘って捨て、埋めた。


ゲスに仕える奴等の処分はその程度でも多すぎるくらいだ。埋めてもらえただけでもよかったよなw

まじ細切れにして豚のえさにするかな?とおも思ったが、その豚を食うと、ゲスが伝染りそうでいやだよね?


領主邸はひっそり、物音一つしない。が、大量の視線が、、

身動きせずにこっちを伺っているようだ。


「どうするの?アレ」とユータが領主邸を指差す

と同時に領主邸に大動揺が走る。

見つかった!!みたいな、、

次に瞬間、わーとかきゃーとか、にげろーとか、大混乱が中で起きているようだ。


「テイナ、メテオストライク、できるようになったの?」ドーラがテイナに訊く

「!!なぜそれを!!!」

「いや、、おまえがダンマスといろいろやってる気配感じてりゃ、それらしいなぁ、、とわかるぞ?」

「・・・・・ドーラ、、恐ろしい子!!、、、いや、ちっさいのはもうできるけど、、一発だけだし、、、」

「実験する?ちょどいい大きさじゃね?」


「・・いいの?」

「いいさ!」


ってんで、

ユータたちは最後の村の入り口付近まで退避。

テイナがメテオを唱える。意識集中と矯めの為の詠唱を作ったという。慣れればいらなくなるらしい。


数分後、

「あ、結構でかいじゃん、、、、ここまで余波、くるな、、ユータ、俺ら全員を峠まで頼む」

うん!シュン!


峠で、ドーラは低く厚い壁を作り、皆でその陰に隠れた。モモンガ達と保護した娘も。

ずどどどどーーーーーん、みたいな低いものずごい音の後、ものすごい風と直後に大きめの地震のような振動が来た。


風が通り過ぎた後壁から頭を出して見て見る。


「眺め、いいね!」ユータ

前方にでっかいクレーター。ちょうど領都の大きさくらい。

その周囲は、クレーターを中心に、外側に全ての木々が倒れ、村などがあったであろう痕跡に残っている建物は無かった。


「綺麗に掃除した後みたい」テイナ

「そうだね、巨大掃除魔法だね」マキ

「気分いいにゃ!!」


「でもよくわかったねドーラ。でなけりゃボク達も消えていたんじゃない?」

「あー、だろうな、、でも、だいたい判るだろう?」

そういうもんだろうか?と思ってユータはテイナを見た。テイナは首を振った。


本人でもわからなかったそーですけど、、


音もなくダンマスが現れていた。

風切り音さえしない、、、忍者ダンマス!!


「テイナ君、おみごとです!今後の課題は複数ですね。」ダンマス

「ありがとうございます!今後も指導を宜しくお願いいたします!!」

うんうん、と頷いているダンマス


どこで練習するだろう?と思うユータ。


それから皆で邸に戻った。お腹減ったから。

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