第十六話 過去からの荷物
部屋に帰ってきたら、荷物が目に付いた。
「あ、忘れてた、、」
前回、母親が持ってきてくれた荷物。開けてもいなかった。
「でも、おかしいなぁ、、」
なんか注文した覚えがない。
ネットで注文するときは少額なら自分の小遣いでできる。
でもこれはちょっと大きめな箱で、少し重い。
大判の本くらいが入って梱包材が入っているくらいかな?大きさと重さ的には。
差出人は、、見ると、見たとたん、日本の文字がぐにゃりと他の文字に変わった。
読めない、、
変わった?魔法?
「ドーラ、、この文字読める?」
「どれどれ、、・・・誰だこいつ?アズーナブル?ユータの知り合いか?」
「ううん!全然知らない!日本人名じゃない、えと、この国の人の名前じゃないし!しかも、見た途端日本の文字がぐにゃっとなってこの文字に変わったから!」
「魔法だな、、こっちに誰か居るのかな?とにかく開けてみろ、怪しげな感じはしないから、」(多分、、)
開けてみる。
・・・・
古い本。
ぱらり、、
本を手に取ると、ほんの裏に張り付いていたのか、手紙らしきものが落ちた。
・・・
開けてみる。
読めない、、
「どーら、、」
「おうまかせろ。えーと、・・・・・・・
かいつまんで言うとだな、あの腕輪と指輪と札拾ったろ?その拾った者にこれがなんらかの手段で届くようになっていたんだと。
それらを拾った者は、向こうの世界とこっちを行き来できているはずだと。
腕輪と剣を見つけ、向こうに行って、それから指輪を見つけられるようになって、その後あの札が見つけられる仕組みになっていたんだと。
なので、札を持った者がこの本を受ける資格があるだろう、と、この手紙には書いてある。あの札がカギになってるんだろうな。
でな、この手紙書いたの、あの大魔法使いだ。」
・・・・
「いっ、、、、、え?え?、、」
「手紙も古いよな?いくら魔法で保存していても、こっちは大気に魔素が無い。かなりの時間が経っていたのだろうよ、、千年とか、な。」
「・・・・・・」
時間の辻褄が合わないけど、それ言ったら行き来しても時間が経たないってのも大変辻褄合わないことで・・。時間魔法?
「ユータ、おまえ、ガンダが名字持っているの不思議に思わなかったか?」
「え?なんで?」
「・・・・ガンダは孤児院にいたって言っていたろ?でも名字がある貴族だ。
これは、人間にとっては随分前になることだが、、今の王の祖父がかなり以前に、あの国の始祖の家系から国を奪ったんだ。裏切ってな。その時代には、前王関係の貴族が随分処分されたらしい。でも生き残りが居たんだろ?親たちがどうにか子供を一人二人と逃したんじゃないか?
なかには、自分の父祖達の苦労を忘れたくない。いつか、きっと、と思う子どもたちがいてもおかしくないし、」
「え、でも、ガンダさんそんなに歳とってなくない?」
「今の王の前が10年ほどで死んだ。その前の、国を盗んだ本人は、盗んでから5年ほどで死んだ。あいつら、長生き出来ないようだな。国を奪った瞬間からそれはもう極悪非道だったらしい。恨みを買わないほうがおかしい。
だから、今の王も、いつ死ぬかわからないから好き放題しているんだろ。」
・・・
・・・
「俺は、ずっとダンジョンに縛られていたけど、今回は死と再生の間の隙間みたいなのその束縛を逃れて出てこられたけど、それまでずっとダンジョン内にいた。
けど、魔人などでも温厚な奴も結構居てな、遊びに来てくれてたんだよ。そいつらはひとに擬態して街でおいしいもの食って、それを俺に自慢していたけどなー、ムカつく!
そーゆーとこから、いろいろ話が入ってくるのさ。
魔人からしてみりゃ人間達の権力争いなんてすげーくだらないことなので、バカみたいだろ?って笑い話で話していた。
ほんとバカみたいだ。他にもっとやらねばならないことなどいくらでもあるだろうにな。
ちなみに、そーいう話を聞くと、外に出て滅亡させちゃろか!とか思ってたんだよな、いつも。
胸糞わるいだろ?」
「今は、やめてね?」ユータ
「おう、まずはケーキ優先だし、ケーキ作る奴等とかおまえらは良いやつだから危害をくわえないから安心しろ♪」
それからドーラに本を読んで貰った。
でもわけわからないのでドーラに解説してもらいながら。
いつの間にか寝ていた。
そして僕は夢を見る。魔導書を読んでもらって寝ると、その夢を見る。
夢の中で、魔法の勉強、訓練をしていた。
先生は、教官は、、お顔がよく見えないです、、多分男の人です。
魔法の種類はそう多く覚える必要はない。種類はあとあと覚えればいい。
基本は、体に貯められる魔力量を増やすこと。指輪に頼らなくとも良いくらいにまで。
魔力を最も効果的に使うにはどうするのか?を考えること。
そのために、魔法の勉強をすること。そういう考えを元に勉強をすると、気付きが早い。覚えが早い。どんどん効果的な方法に向上していける。
とのこと。
毎晩、夢の中でその勉強と訓練は続いた。
でも、朝目覚めると、ほとんど覚えていない。何かの夢をみていた、くらいなだけだった。
そしてそれは全て読み終えるまで続いた。
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