第八話 手乗りフロアボスがケーキ食いてぇ!!って付いてきた!


「もうそろそろ9階層への穴の近くなので、ボスがでそうなんだが、、、あー?」ガンダ

「以前倒したときって、いつ頃だったっけ?」ジオ

「3ヶ月ほど前だ」ザク

・・

「3ヶ月たっても新たに出てこないってのは、ないよなぁ?」

「「ああ、ねーな」」


歩き続け、もう穴が見えた。

「??どっかに出かけてるのかなぁ?」

「畑に行ってるとか?」

「そー言えば、子供の頃お前よく畑に行ってたよなー」

「勉強させられるより、仕事のほうがいいからな」

「「「「「うん、わかる」」」」」


なんか皆一緒の村とかだったのかな?


「きゅーけーい!! 当番の人、茶を入れて」

ボクとニヤだ。

ニヤは何をやらせても手早い。猫は素早いからだろうなー、とか、ボクがおたおたしているうちにニヤが全部済ませていた。

「ごめん、ニヤ」

「いいにゃ、こんにゃのなれだけにゃ」


茶を飲んでゆっくりしたのに、何も来る気配もない。小さな魔獣すら。


「なんだろー、、?」なんか少し感じたボク


ピン!

ニヤの耳がピンとした。音?

ニヤがすたすたすた、と歩き出し、、何かを拾う。


「???」持ってきた。

「これ、にゃんだ?」皆の真ん中で手のひらにのせて見せるちいさな、、

「・・・・・?????」全員


ジオがそれをつまむ。手のひらに載せてみる。魔力を込めている?

「・・・うーた、これ、、」

ユータの手のひらに載せる。

「魔力少しずつ込めて、ゆっくりな」ジオ


・・・・・・・・

小さな明かりが灯るように光るそれ

魔力を込めるに連れ、次第に大きくなる光

「はいストップ」ジオ


ユータの手の上に、ちいさな赤い竜がいた。

「手乗り竜?」ユータ

全員爆笑wwwww


「いや、これ、ここのラスボスだから、、」ガンダ

「いったい、どうしたんだろうこれ?」ジオ

とテイナを見る。

「、、私も思い当たることは、、ないです」テイナ


「まぁ原因が何であれ、今はこうなんだから。」ガンダ

「で、どーするよ?飼う?それとも一気に潰しちゃったほうが、また新たにボスになって生まれてくる可能性高くないか?こいつにはそっちのほうがいいんじゃないかなぁ、、手乗り、じゃなぁ?」ジオ

もっともである。


「で、これって話せるんですか?それとももう野生のみ?」マキ

「ああ、話せると思う、一応知性の在る魔獣という話だからなー」ガンダ

「前回は一言もなかったんですか?」テイナ

「ああ、いきなり襲われて、、」ザク

「不意打ちしたくせに負けてんの?これ、、」って手乗りを指差すマキ

その話が理解できるのだろう、ピーチクパーチク鳴きながらゴッ!ゴッ!ってブレス吐いてる。手のひら痒いだけだけどw


「もう少し大きくしていいですか?」とボクは訊く

「ああ、でも手に乗る程度でなー」ジオ


、、、、、

少しずつおおきくなる、、横幅が手のひらいっぱいくらで止める。

「おい!もっと魔力よこせ!!こんなちっこいんじゃどーしょーもねーだろー!!!」赤竜

「あ、喋った!!」

おーーー!!ぱちぱちぱち! 拍手までされる竜。

竜はまんざらでもないようだ、、、


「これ、何食べるんだろう?」ボク

「トカゲとかかな?」マキ

「それじゃ共食いだろ?」ジオ

「我は竜だぞ!!誰がトカゲだっ!!」

「親戚とかじゃなかったっけ?」ザク

「全く違うわ!!!」竜


「んじゃ鶏肉とかかなぁ」マキ

「葉っぱとか?」テイナ

「葉っぱはやめて、、とりにくがいい!!」竜

・・・・・

「竜がはっぱが苦手、と、、」ニヤ



「で、真面目な話な? おまえ、どーしてこーんなんなってんだ?前戦った時はすげーでっかかったよな?」ガンダ

・・・・

「ほれ、正直に言ってしまえ!誰に負けたんだ?あ?」ジオ

「今にゃらニヤでもこの爪で一裂きにゃ♪」

・・・「・・・・だ」

「あ?きこえないー!!なんだって?」

「・・・・なんだ」

「は?誰か聞こえたか?」

皆首を横に振る

・・

「恥ずかしがらずに言えよ、今のこの状態がもっと恥ずかしいだろ?」

「うるさい!なんか知らん魔法使いっぽい奴に魔力全部吸われちまったんだよっつ!!!」

・・・・

「こえーな?」ジオ

「ああ、こえー」×2

「ドレイン?」テイナ

「にしては量が桁違いだろ?」マキ

「魔人か勇者級だにゃー」


「そのひと、この下の層にもいったんですかね?」ボク

!!

「そーだな!!」×5

「いや、多分行ってない、、最後の方で聞こえたけど”お腹いっぱい、ゲフッ!”とか言ってたからな」竜

・・・・

「魔力吸うと、お腹いっぱいになるんですか?」

「なるかいっ!!!」×6

「www、魔力を満杯に貯めると、そこの部分がいっぱいになる感じがするの。それをお腹いっぱいって表現したんだと思う」テイナ


「んじゃ、、どーするよ?」ガンダ

「竜さん、どーしたい?今回は死んで、また再生したい?」訊くボク

・・・・・

「・・・様子見、、」竜

????

ボクは皆を見回

皆首を横に振る

「えっと、意味分かんないんですけど、、」

「おまえ、頭の上のスライム、飼ってるんだろ?俺も一時的に飼え」竜

皆を見回す

「理解不能みたいっす、、」


「あーっつ!もうっつ!!!

俺はなっ!ず〜ーーっと勝っても負けてもいつもいつもいつもいつもココに居て、誰か阿呆が来るのを待っているだけなんだよっつ!!!いい加減飽き飽きしてんだよっつ!!!

ちょうどいいだろ?こんなちっさい愛らしいかわいい赤いドラゴンなんか、人気者になるだろ?街に行って人気ものになって、いろいろ食いたいんだよっつ!!!」


「え、街は人を食べるとこじゃないし、、、討伐されちゃいますよ?」ボク

「くわねーっよっつ!!!!!ケーキとか!ケーキとか!ケーキとか!お菓子とか!しちゅーとかっつ!!!美味しいものが食べたいのっつ!!!」

・・・

「なんで?」

「お前らの会話なんかこの層に降りたときから聞こえているわ!おなごがいりゃー、いつも食べ物の話、俺はそのたびにいろいろ想像して、、どんなものなんだろう?どんな味なんだろう?ってな!!くいてーのっつ!!!」

・・・・


「と、いうわけなんですが、、ボクが飼っていいですか?」ボク


「ウータ、ちょっとあっちにさー、今できるおまえのいちばんでっかいファイアーボール放ってみ?」

???

えい!

・・・・・・・・・

ずどどっごぅううーーーーーんんんんずずずずずぅーん・・・

がらがらがらがらがら・・・・・

階層のずっと奥からその何かでっかいのが崩れる音は、僕らがこの階層を抜けるまで聞こえ続けた。


勿論竜は、ボクの右肩にしっかりとまり、微動だにしなかった。目が見開きっぱなしってのは竜の仕様なのだろうか?あと、汗かきっぱなしって、ここ暑いのかなぁ?ボクには涼しく感じるけど、、、

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