第69話 神殿再建後とイザヤの最期

 捕虜になっていたユダヤ人は、ペルシャ軍によって解放され故国に帰還する事が出来ましたね。その後ユダヤ人はどうなったか簡単に説明しますね。


 ここを押さえておくと、旧約聖書と新約聖書の繋がりが分かります。


 ペルシャの支配下にありながら神殿再建はいつ行われたのでしょう?


 ネヘミヤ記にその記録が残っています。ネヘミヤ記を書いたのは、ネヘミヤです。笑 ネヘミヤはクセルクセス王と次のアルタクセルクセス王の献酌人として仕えました。ちなみにクセルクセス王はエステルの夫です。


 ネヘミヤは故国が荒れ廃れたままだと聞いて悲しみました。それを見ていたアルタクセルクセス王は、神殿再建を許可します。たっぷり資金を持たせます。


 ネヘミヤはエルサレムに戻り、祭司ゼルバベルと協力して指揮。わずか52日で城壁を建て直しました。そして西暦前445年神殿再建。良かったね。


 ユダヤ人は神殿再建を喜び、四百年以上ギリシャやエジプトの攻撃に耐えながら、神殿を守り抜きます。


 そして、イスラエルの神ヤハウェの崇拝回復もします。もう先祖のように国を追われるなんて嫌なのです。モーセのおきてを守る契約の民として、どの国の支配下になる事も嫌なんです。


 エジプト、アッシリア、ペルシャ、ギリシャの支配下だったユダヤ人。自由が欲しいですね。その自由を与えてくれる救世主に望みを託します。


 その誕生を待ち侘びていましたね。その有名な救世主がイエス・キリストです。旧約聖書の中でたくさん預言されていました。


 ミカの預言からベツレヘムで生まれる事も分かっていました。なのに、ベツレヘムで生まれた救世主に導きを求めるのではなく……殺しちゃいました。


 まさかの、殺人。神様プッツン。そこで当時ユダヤ人を支配していたローマ帝国を用いてエルサレムと神殿を破壊し滅亡させます。西暦70年の出来事です。


(神さまに逆らって罰を受けるのは彼らのお家芸。なみさと様コメントより)

 

イエスの弟子たちは山に逃げて無事でしたが、ほとんどのユダヤ人が殺されます。生き残っても離散。ヨーロッパに逃げたユダヤ人。国を追われたユダヤ人。


 また流浪の民になりました。異国でどう生き延びたでしょう。ユダヤ人は高い教育水準です。頭がいいのです。生活していくために金貸しになりました。


 西暦380年、ヨーロッパの多くの国がキリスト教を国教とします。ユダヤ人はユダヤ教ですね。異端です。イエス殺害の罪でキリスト教徒から憎まれ迫害されます。高利貸しで莫大な富を持ち、選民意識が強い事も災いして迫害されます。


 迫害や追放。差別されたり隔離されたり悲しい歴史がありますね。ドイツが苦しむのはユダヤ人のせいだと……ホロコースト。


 1948年、5月14日。イスラエルが建国されました。しかし翌日からすでにそこに住んでいたアラブ人との戦争が起きます。中東戦争。紛争。戦争。


 何千年も約束の地を求めてさまよっているイスラエル国民。辛いですね。


 聖書の観点からだと、霊的な流浪です。西暦70年に破壊されず残った西壁は「嘆きの壁」と呼ばれています。ユダヤ教徒はそこでエルサレム陥落を嘆き、回復の祈りを捧げています。聖地です。


 この事から聖書は歴史の書物でもある事が分かりますね。


□ ◼️ □


 バビロン捕囚と、キュロス大王によって解放されると預言したイザヤはどうなったでしょうか?


 ヒゼキヤ王とは仲良しだった預言者イザヤ。ヒゼキヤ王の時代は平安でした。


 ヒゼキヤ王に息子が生まれて状況が変わりました。息子マナセ王は偶像崇拝に傾きます。バアルの祭壇を築き、アシュラ像を造り、ケモシュやモレクといった異国の神に子どもを捧げます。生贄として火の中を通らせるんです。


 イザヤは恐れる事なく、マナセを糾弾します。マナセ王はキレまくります。


マナセ王の命令により……イザヤはノコギリで斬殺。殉教しました。( ; ; )


本当に残念です。お悔やみ申し上げます。イザヤ、お疲れ様でございました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る