イザヤに恋して

第60話 剣をすきの刃へ

 創世記から数えて二十三番目の書、「イザヤ書」についてお伝えします。


 皆さま、イザヤをご存知ですか? 西暦前八世紀に活躍したイスラエルの神の預言者でイザヤ書の筆者であります。


 預言書に関して、メジャー預言書とマイナー預言書がある事は以前お伝えしましたね。マイナーかメジャー分けは巻物の長さによってです。


 イザヤ書はめちゃくちゃ長い。六十六章あります。ゆえに日本語訳では『大預言書』に分類され、エレミヤ記、エゼキエル書、ダニエル書と同じで有名です。


『ソロモンの歌』と『エレミヤ記』の間にあるイザヤ書。まずは筆者イザヤに関する情報をお伝えしますね。


「ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代にアモツの子イザヤがユダとエルサレムに関して見た幻」1:1


 イザヤはユダ王国の王四人の在籍中に預言者として仕えたんですね。懐かしい名前がありますね。ヒゼキヤです。ラブシャケとバトルした王様です。覚えておられますか?


 ヒゼキヤ編でイザヤが登場した事も覚えておられるでしょうか? ヒゼキヤに腫れ物が出来て死にかかった時、遺書を書くように言い放った預言者です。


 血も涙もない、もとい神に従順な大物預言者です。それもそのはず、名前の意味は〈ヤハウェの救い〉だからです。


 家族構成についても触れておきましょう。女預言者と呼ばれる妻を持ち、子供は男の子が二人います。長男シェアル・ヤシュブ。次男マヘル・シャラル・ハシュ・バズという舌を噛みそうな名前です。


 家族四人でエルサレム在住。宮廷に簡単に出入りする事が出来ました。王様側も何か困った事があるとすぐ、イザヤ宅に行きました。


 イザヤがイザヤ書を書いた目的は何でしょうか? 同時にイスラエル国民に何を伝えるように命じられたのでしょうか? 簡単にお伝えしますね。


 イスラエル国民がアブラハムの子孫であり、契約の民である事はアブラハム編でお伝えしましたね。子孫が星の数ほどになると保証されました。


 イザヤは勿論、その契約を理解しており、自分自身も神との特別な関係にある事を喜んでいました。


 しかし、うなじの怖い民、学習能力がありません。モーセがシナイ山で契約した「神のおきてを守るなら特別な所有物である」という大切な事を忘れて、背教する者も多くいました。


 はい、それでイザヤはこの頑なな国民に裁きの音信を伝えるように命じられたのです。背教するのではなく、神の元に戻るように!じゃなきゃお仕置きするけどね。いつものドMとドSの関係ですね。


 どんなお仕置きなのかは、次回以降、少しずつ解説致します。


 コロナ禍なので、イザヤさんにリモートで出演して頂けないか交渉中です。


  (相変わらず、妄想癖強いハナスです、ハナスです、ハナスです)



最後に、イザヤ書が身近に感じる一つの情報をお分ち致しましょう。


皆さまの中でニューヨーク国連ビル、国連広場に行った事がある方、手を挙げてください。そこで『イザヤの壁』や男性のブロンズ像を見た記憶はありませんか?


 一方の手にはハンマー🔨、もう片方の手に剣を持った男性像です。


そしてイザヤの壁にはこんな事が書かれていたでしょう。


☆ They shall beat their swords into plowshares, and their spears into pruning hooks nation shall not lift up sword against nation neither shall they learn war any more. 老眼ゆえスペル打ち間違いご容赦ください。


日本語訳です。

⇩ ⇩ ⇩ ⇩


『彼らは剣を打ち直してすきとし、槍を打ち直して鎌とする。

国は国に向かって剣を上げず、もはや戦う事を学ばない』2:4

 

武器を農具に打ち直す事で、戦争を終わらせ、世界を平和にする願いが壁に刻まれているんですね。


イザヤ書は現代人にとっても、希望の音信となる預言書です。


次回「神様、本当に罪を赦してくれるんですか?」です。乞うご期待!

 




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