第46話 洗礼者ヨハネ 受難andお疲れ様でした(泣)
「あの方は増し加わってゆき、私は減ってゆかねばなりません」ヨハネは何のことを言っていたのでしょうか? 体重ですか? お金ですか? ブー!
正解となる出来事をお話ししましょう。
ワイルドなヨハネは宣教も大胆でした。イスラエル人にもローマ人にも大胆にモーセの律法や神について語りました。
その当時、ローマの貴族は哲学者や宗教家から話を聞くことがセレブのステータスでした。あのヘロデ・アンティパスも流行にのって、喜んで聞いてました。妻のヘロデアと共に聞いた事でしょう。
「あなたが兄弟の妻を自分のものとしている事は不法です!」
ヨハネはキッパリとアンティパス夫婦に言います。何で? 実はヘロデアはヘロデ大王の孫です。アンティパスはヘロデ大王の息子です。つまり近親婚です。
非難されたアンティパスは激怒して、ヨハネを捕らえ牢屋にぶち込みました。
ヨハネは信念の人。ダメなものはダメだと大胆に語りました。しかし、投獄されて二年経っても状況は変わりませんでした。落ち込むヨハネ。
イエスは何をしているのでしょう。ヨハネが投獄された事を知っています。助けてくれないのでしょうか? ヨハネはイエスが本当のメシアなのか確信の根拠が欲しくなりました。
ヨハネは自分の弟子を通して、イエスの奇跡や伝道の拡大を聞きます。確かにイエスは霊的に増し加わっています。対して牢屋の中の自分は減ってゆく。
そんな中でもアンティパスは、時々ヨハネを宮中に呼び、話を喜んで聞きます。神の預言者だという恐れがあったのでしょう。蛇の生殺し。
妻ヘロデアはヨハネを殺したいほど憎んでいました。プライドが高く、煮え切らない夫にイラついてもいました。目障りなヨハネを殺せ!って内心怒り沸騰。
そんなヘロデアの願いが叶う日が来ます。アンティパスの誕生パーティーの日、ヘロデアの連れ子サロメが催しとしてお祝いの舞を披露します。
めちゃくちゃご機嫌なアンティパス。義理娘サロメに欲しい物を何でもやろうと約束します。ローマの高官たち、支配者たちの前で見栄を張る単純な男。
サロメはヘロデアに聞きに行きます。まだ12、3才の可愛いお年頃。
「ママ〜、パパがご褒美くれるって。何をお願いしようかな」
「ヨハネの首を! 盆に載せて頂きたいと言いなさい!」即答ヘロデア。
アンティパスはサロメの申し出を断れません。見栄とプライドが邪魔をしたのでしょう。家来に命じてヨハネを処刑し首を持って来させました。
首チョンパされたんですね。ヨハネ〜。おお、ヨハネ。(泣)
お盆に載せられたヨハネの首。一品料理。ホラーです。ヘロデアは大満足。
ヨハネの首から下は無惨にも外に捨てられました。弟子回収。号泣したでしょうね。病気を治したり、死者を復活さられるイエスの所に持参したらいいのに。
首のない死体が生き返ったら、よけいにホラーです。ヨハネの
全ては神様のシナリオ通りに預言が成就しました。洗礼者ヨハネはあくまでもイエスの先駆者でなくてはなりません。
紀元32年ヨハネ殉教。ヨハネの先駆者としての宣教活動は三年半でした。そうです、イエスが十字架で亡くなるのは33年。同じ三年半になる事を予表していました。ヨハネの受難がキリストの受難の型でなくてはなりませんでした。
天晴れ。最期まで先駆者としてのヨハネの人生。お疲れ様。上から目線。
ヨハネはエリヤを役割モデルとした人生でした。エリヤは荒野で過ごし、バアル崇拝者のイゼベルと戦いましたね。化粧の濃いオバさん、イゼベルです。
ヨハネも荒野で生き、残酷女ヘロデアと戦いました。負けたけど。(泣)
しかし、神様はヨハネの死に報いました。ある意味の復讐です。あの誕生パーティーの後、ナバテア・アルタ4世に戦争を仕掛けられて、国主アンティパスとヘロデアは追放。ガリラ地方に島流し。二人は悲惨な最期。
サロメはどうなったでしょう。氷の上を歩いていた時、割れて溺れ、もがいていて、もがいて鋭利な薄氷で首チョンパ。恐ろしや。神様を侮るなかれ。
ヨハネの死を知ったイエスも「天晴れ!」って言ってくれたかもしれません。私たちはその胸のうちを知る事はできません。しかし言葉を聞く事ができます。
イエスはヨハネの生前中、弟子たちにこう言っていました。
「女から生まれた者の中で、バプテストのヨハネより優れた人は出ませんでした」
今、洗礼者ヨハネはイエス・キリストのそばにいられるでしょうね。お幸せに!
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