アブラハムに恋して

第11話アブラハムの生い立ち

 アブラハムと聞くと、きっと皆さま、一度は耳にした事がある歌を口ずさみませんか?


♫ アブラハムには 7人の子 1人はのっぽであとはチビ みんな仲良く暮らしてる さあ、踊りましょう♫♩


 アブラハムって本当に七人の子どものパパだったのか? そして本当に幸せに暮らしていたのか、お伝えいたしますね。ある意味、暴露です。あー、楽しい。

 

 その前に、まずアブラハムは誰の子だったでしょうか? ノアの子どもの名前は覚えておられますね。セム、ハム、ヤペテでしたね。


 そう、そのセムが百才の時、アルパクシャドが生まれます。ノアの孫です。アルパクシャドが三十五才でシェラハが生まれ、シェラハが三十才の時、エベルが生まれ、エベルが三十四才の時、ペレグが、ペレグが三十才でレウ、レウが三十二才でナホルが生まれます。


 そしてナホルが二十九才の時、テラが生まれました。はい、このテラがアブラハムのお父さんなんです。みんないい感じです。三十代でパパ。


 しかし、アブラハムはテラが七十才の時に生まれました。テラは晩婚だったみたいですね。そのあと弟も生まれました。


 アブラハム、成人してサライという女性と結婚します。あっ、ここで言っておかないといけない事があります。アブラハムって実はまだアブラムという名前です。


 弟くんたちも結婚しましたが、悲しい事に先に一人亡くなっています。三人の子どもを残して。男の子はロトっていいます。もう一度言います。ロトです。


 アブラム、少し凹んだかもしれません。加えて悲しい事に、サライになかなか子どもが出来ませんでした。きっと甥っ子ロトを自分の子どものように可愛がったでしょう。たぶん、養子にしたと思われます。


 ここまでは、たしかに皆んな仲良く暮らしていたと思います。住所はウルという町。ノアから数えて十代目のアブラムです。遊牧民じゃないんです。家持ち。


 都会よ、都会。バザールでは輸入品は買えるし、屋内水道完備の家ばかりです。

十四部屋の部屋があるんですって。羨ましいですね。


 けれど、アブラムは父親テラと、サライとロトを連れて、このウルの土地を出ます。えー、何で? そこは豊かでしたが、バベルの塔があった地から二百四十キロと近く、偶像礼拝が蔓延っていたからです。


 アブラムはそれが嫌だったでしょう。そして神様からも、そこから出なさいと言われていたようです。


 アブラムはこの時、七十代、サライは六十代です。嫌ですよね。いまさら。私なら、ウルの地で穏やかに暮らしたいと思います。


 しかし、アブラムは出ます。何人かの使用人と、家畜と全財産を持って。サライは文句一つ言わず、夫の決定に従います。熟年離婚しません。


「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、私が示す地へ行きなさい。そうすれば、私はあなたを大いなる国民とし、地の全ての民族は、あなたによって祝福される」12:1~3


 えっ? どこですか? 住所を言って下さい! 先に教えて下さい! 私ならキレます。宿は? まさか炎天下歩かされる? お肌に悪いんですけど。こちとらもうシミ増やしたくないんですけど。あっ、私は関係ない。


 アブラムは、信仰だけで行動します。九百六十キロ離れたハランという土地に来た時、宿営を張ります。父のテラ高齢だったので、休ませるためだったのでしょう。


 テラはハランの地で亡くなりました。さあ、ハランからまた旅立ちます。大移動ですね。この時、アブラム七十五才、サライは六十五才ですって。定年じゃん。


 老体にムチ打って進みます。どこへ? カナンの地です。まさかのカナン人の土地です。あのカナンの子孫の土地です。肥沃でいい土地なんですって。


 聖書の中では、「約束の地」と呼ばれています。みんなガンバレー。





 


 


 


 

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