鉄道学校2年F組
深町珠
第1話 鉄道博物館
4人が着いたところは、北海岸の涼しいところ。
港の岸壁から、細いナローゲージのレールが二本。
枕木は古いけれども、廃止されて間もないのか
まだ、レールの錆びも少ない。
レールは国道に沿って走り、田んぼの中を畦道沿いに通り
小川を渡る。
ポプラの木が一本。
そこでカーブして、工場の中まで入る。
数kmの短い線路。以前は工場が稼動していて
活性白土を運んでいたのだが
工場が閉鎖され、軽便鉄道も同時に廃止の予定だったが
まだ、免許は返上されていない。
この国の法律で、保存鉄道とする場合は
特別に免税となり、運営を国が援助するようになっていた。
文化遺産として後世に残そうと言う趣旨で
そこで、この鉄道は新造蒸気機関車として
最も現代に近い製造年度と言う事で
保存鉄道とする事が決まり
国立の鉄道職員養成高校の実習教材として
使われる。
立派に保存鉄道として運営が出来れば、そのまま
学校で運営する事が出来ると言うオマケ付き。
そこで、鉄道高校の2年F組の4人、めぐ、リサ、Naomi,れーみぃが
その実習をする担当となり、遥遥旅してやって来た訳だ。
「ちょっと寒いくらいね」めぐは、目深に断ち切られた前髪を
少し気にしながら。真っ直ぐな黒髪は綺麗。
でも、昨夜寝台列車のシャワーの水が合わなかったのか
少し、髪の整いが気になる。
もう7月だというのに、北海岸は寒い所らしい。
気温は23℃。
「そうだね、めぐ、髪気になる?とっても綺麗だよ、いつもどおり」
と、リサはめぐより少し背が高いので
つやつやする髪を眺めて「ほら、天使の輪」と
にこにこ。
リサは、さっぱりと短い髪で少し茶色っぽいくらい細い。
めぐの髪をいつも、羨ましいと言っている。
「意外、大丈夫そうだね。廃線間もないからかな。」と、れーみぃは
まんまるの微笑みで。
ベレー帽がお気に入り。
少し、めぐより小柄で、ふくよかな顔立ちに黒い瞳。
髪はまっすぐ、肩のところで切っている。
「機関車、どこにあるんだろ?作ってからまだ50年くらいだから
まだ新しいね....。えーと、Bタンクロコか。協三工業製?
ディーゼルにどうしてしなかったんだろね。もうSLの時代じゃなかったのに」
と、Naomiはすらりとした長身、さらっと長い髪。
機械が得意だけど、スーパーモデルみたいなすっきり美人さん。
オートバイが大好きで、おじいちゃんの残したコレクションを
大切に保存し、直しながら乗っている。
今は、TR-1がお気に入りだ。
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