猫日記

@butadon1226

第1話

僕の朝は、彼女を起こすところから始まる。

毎日毎日、朝から大きな音を鳴らしているのに

本人はいつまでも布団の中。

特に冬の寒い日なんて、布団の中で饅頭みたいに丸まってるものだから、起こすのも一苦労だ。

そんなこんなで、今日も部屋には音が鳴る。

太陽はもう、おはようと言っているのに彼女ときたら…

「まったくもぅ」

ため息をつきながらも、彼女を起こす役は僕のものという、誰と比べたかもわからない優越感に浸りつつ、布団へと向かう。

「みーちゃん!朝だよ、起きて!」

布団の上からぺしぺし

それでも起きなければ布団の中からゆさゆさ

ようやく眠たい顔を擦りながら起き上がったのは、

起こし始めてから5分は経った後だった。

「ん…」

気怠げな顔をしながら、目をしぱしぱさせて伸びをするみーちゃん。なんてだらしないんだ…。

「ほら、早く顔洗って仕事行く支度しないと!」

「ん〜?今日も起こしてくれてありがとね〜。」

僕の言葉が聞こえているのかいないのか、気の抜けた声を出しながら頭を撫でてくる。…照れるじゃないか。

それからみーちゃんは洗顔をして、僕と一緒にご飯を食べる。

ずっと変わらない、朝のルーティーンだ。

「それじゃあ、行ってくるね♪」

ちゅ。

みーちゃんは仕事に出る時、必ずチューをしてくる。

僕は嫌だって言ってるのに…。

目の前のドアが閉まり、ガチャリと鍵の閉まる音がする。それが、僕の1日が始まる合図。

「…さて、と」

今日は何をしようかな、と後ろを振り返る。

日の差し込む窓。

揺れるカーテン。

今日も良いことがありそうだ、と僕は思い、そっと家の外に足を踏み出した。

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