第40話 I wish

「かすみ」


僕は、春風に揺られていたかすみに

その話をしてみた。



「...はい。願いが叶うといいですね。」

かすみは、穏やかに微笑むとまた

桜の花を愛でながら。


「ひと、草、花...それぞれの生がありますね。

たとえば、ひとには生き物としての本性があります。

そのために、ほかのひとと争ったり

ときには防御したり。でも、

争って勝ったとしてもそれは些細なことで...

そう思えるようになることが『高次元』への道、だそうです。」




..なるほど。


高い次元に移る、と言うのは

そういう事なのか。


確かに、本能に沿って生きていくだけなら

動物と同じだ。


争わずに生きていく事の方がスマートだなと

僕は思った。


そうすると、かすみたちの世界に行けるのかな。



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