第29話 my elusive dream

「仲間って、『ふつー』の仲間ってこと?」


僕は、ちょっとどきどきしながら尋ねた。



ううん、店長さんはわたしたちみたいに...

と、かすみはふつうにそういう。




「そうか、それで...」

僕は、なんとなく謎が解けたような気がした。

花をどこから仕入れて来るのか分からないけど

採算の合わないお店がよく続くな、と思っていた。


でも、別の次元からの花で、それらが

3次元、現世の人を和ませ...

出会いを待っている。希に

かすみやふたばのように

こちらに現れることも....



「それが、目的...」



「目的?」かすみは、僕の推測が分からない、というふうに。


「私たちは、ただ遊びに来てるだけよ」


ふたばも、うんうん、と頷いた。


あなたが優しい方だから、ここにいるだけよ、と

かすみは、僕をじっと見た。


その視線は、はじめての時のように

刺激的なものだった。


陶然とした。


恋しい気持ちってこういうのだろうか?

と思った。でも、ふたばが一緒なので


さすがにここでhugするわけにもいかない。



..ふと、ふたばを見ると

なんとなく、僕らの雰囲気を感じたのか

うつむいてしまっていた。


「ふたばちゃん?」


声を掛けたけど、返事はない。


そばに行って、どうしたの?と尋ねる。

ゆっくりと彼女は、顔を上げる。


なんとなく、熱っぽいのかな?

そんな視線で、僕を見ている。






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