第79話 町営バス


愛紗の叔父は、駅長さんでしたから、合理化で無人駅になる事が決まって、管理職で大分に行く話もありました。

でも、現場に居たいと思って留まりました。

そんな魅力があるのでしょう。 鉄道 の仕事には。

愛紗も思います。

 鉄道 の仕事って、すっきり、安全輸送、って目的があって、その為に頑張る。

そこがいいのかなって愛紗は思ってました。

なーんとなく、田舎の旧家で親の言いなりで育って来て、一生それは嫌なのもあったのでしょう。



誰かの機嫌で、自分が縛られるのは嫌だ。


そういう気持なのかもしれません。



大人になって、親離れの時期、なのでしょう。



親、と言うか不条理なものに監督されたくない。


鉄道なら、安全輸送って、わかりやすいものの

為に、頑張れる。



日本も古来はそうでしたし、現在でもそうなのですが



ただ、このところ世の中がヘンになっていて


不条理な人が増えたので、バスの運転手にも


そういうヘンな人がクレームを付けるような、そんな被害にあう事も

あったのです。




それは「鉄道でも変わらないのかな」と、愛紗は

なんとなく感じていて。



それで、ヘンな人がいない田舎に行こうかな、と

漠然と思ったのでした。




夢の中で、こんなことを思っている愛紗は

それを忘れたいと感じていたのでしょう。




長閑な山間の庄内駅は、温泉地の由布院と湯平、それと

向之原あたりの郊外住居地の間にあって


住んでいる人は、ほとんどが高齢者です。


かつては紡績工場があったりしたのは

明治の名残で


それも、化学繊維の出現で廃れ


今は、温泉保養地になっています。



愛紗は、そこの町営バスの運転をしていて(と言う夢です)

由布院と湯平、それと向之原までの

鉄道の駅と、役場や温泉センター、病院などの

公共施設を結んで走っています。


朝夕は、通学の為であったり。



向之原に高校があるので、そこまで通う学生も多いのですが

大抵は庄内駅まで来て、列車で行きます。


その為に、駅前が広く開いていて

自転車が一杯。



その子供達は、年々都会に出て行って減っているので


町営バスは、主に地域のお年寄りの足代わりになっています。



普通は、民間委託と言って、町営バスをバス業者が

請け負っていますから



町営バスだけでなく、観光バスなども運転する事もできたりします。




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