第42話 勘違い

「なぜか解らないです。故郷で

なんとなく思っただけで。鉄道の運転士さんを見て。」



深町は「同じだな。僕はおじいちゃんだけど」



愛紗は「伺っています。ご不幸がおありでご心痛でしょう」


深町は「いやいや、そんなに大した話じゃない。

鉄道を受けたけど、落ちただけさ」




愛紗は笑顔で「私は、直接受験しても

受からないと思って」




深町は「そうでもないと思う。いろいろ受けたけどね。若ければ駅員から始められるよ、新幹線とか。運転は難しいけどね。制服着たいってくらいだったら」


新幹線の駅員とか、改札とか

果ては入れ替え運転士とかなら

出来るそうだ。



「年齢があるからね、それと地方私鉄かな。

園美さんが居た島根ね。あの辺りとか。千葉のいすみ鉄道とか。九州だと

西鉄とか。くま川鉄道とか。」




愛紗の知らないところ。




「知りませんでした。ありがとうございます。」





深町は笑顔で「あ、それからね。さっきの支援学校の乗務とか、女の子はないから」




愛紗は「そうなんですか?」




深町は「会社も事故があったら大変だから。

危ない事はさせない。でもね。岩市が居た頃は

いじめでね、そういう路線に嫌いな運転士を乗せろって指令に言ったり。でもね、指令は


それを断る。




愛紗は「さすがですね。」




深町は「うん。安全の為もあるし

指令自身の為もある。事故があったら

管理が呼ばれる。運輸局に。」




愛紗「そうなんですね」




深町は「そうさ、女の子だから守られているなんて思うのもいいけど。指令たちの護身でもあるの。だから、あんまり気にしない。」




愛紗は「所長責任もあるんですよね」




深町は「そうだけど、監督不行き届きとか

言い逃れをする。」




愛紗は「酷い」





深町は「過去の事さ、岩市だって結局

それがばれたから首になった」

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