第71話
前話同様気持ちの悪い描写があります。
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苦手な方は上の印の間を飛ばして読んでください。
ダンジョンの2階層でカイは走り回っていた。
魔力感知を使い、怪しい存在がいないか確認するためだ。
道中で「ビックアント」の集団と「スピットキャタピラー」の集団に遭遇するが、手に炎を纏わせてすれ違いざまにひっかく。ひっかかれたモンスター達は傷跡から炎が広がっていき火だるまになるため亡骸は全て黒焦げになっていた。
そんな中3階層に続く階段を見つけたが、まだ2階層を調べ切れていないため、カイは2階層の探索を続ける。
探索を続けていると、カイはビックアントとスピットキャタピラーが戦っているところに遭遇した。体数はビックアント3、スピットキャタピラー5だった。
(ダンジョンでもモンスター同士が戦うんだ)
そのまま隠れて見ていると、ビックアントが牙で全てのスピットキャタピラーを食いちぎった。少数の方のビックアントが縄張り争いを勝利した。
(1階層でスピットキャタピラーが全然いなかったのはビックアントに食われたからか...)
カイの思った通り、このダンジョンの1階層にスピットキャタピラーが全然いなかったのはダンジョンが生み出した端から、腹が減ったビックアントが食べてしまうからだった。
2階層にはまだいたのは集団で動き追い返すからだ。ただ、1体当たり3~4体いないとスピットキャタピラーはビックアントを倒せないため、基本先程の様に負けてしまっていた。
勝ったビックアント達はダンジョンに吸収される前にと一心不乱にスピットキャタピラーに噛みつく。
隠れていたカイは接近して先程までと同じ様に倒す。火だるまになったビックアントから火がスピットキャタピラーに火が移りより火が大きくなる。
火が予想よりも大きかったため、消えるまで待つかと思って休憩していると、火がモンスターの亡骸と一緒にダンジョンに飲み込まれ始めた。
(魔法に飲み込まれててもモンスターの残骸を吸収するんだ。魔法だけでも吸収するのかな?)
気になったカイは小さな氷を作り地面に落とす。すると5分程して氷が地面に吸収され始めた。
(魔法も5分で消える。ダンジョンで戦うときは気をつけないと)
何気なく試したことだったが、遠い未来、これが身近な人を救うことになるとはカイは知らなかった。
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2階層の探索が終わったためカイは3階層に来ていた。
少し歩いたが、モンスターが居なかった。
先程までと状況が違いすぎるため普通の者なら異常だと感じるが、これはこのダンジョンの3階層での普通だった。
(これ魔力感知できなかったら分からないじゃん)
カイがそう思った瞬間に地面から何かが飛び出してきた。
魔力感知で分かってたカイはすぐさま手に炎を纏いそれを掴む。掴んだ瞬間にそれは燃え始めるためカイは手放した。それは燃え尽き灰になった。
本当は3階層の入り口に教師を配置してこのことを生徒に伝える予定だったが、教師よりも前にカイが来ていたのだ。
3階層、モンスターは1体しかいない。そのモンスターの名前は「ワーム」
こいつの問題は地面に潜っているところだ。
突然出てくるため、いつ攻撃を受けるか分からない。
その代わり攻撃力と防御力はとても低い。噛まれても痛いだけで振り払えば離れ、ナイフで軽くつつくだけで倒すことができるのだ。魔法が当たりでもしたら木っ端みじんになり、何も残らない。
そのため3階層では何も問題がないのだ。
倒すのが面倒だが、ローブ男達がいないとも限らないため、カイは探索を続けるが、3階層はあっけないく終わった。そのため4階層に向かう。
4階層に向かう中でカイは驚きながらも嫌そうな顔をする。
行くのが嫌になるが、探索をするためにカイは仕方なく4階層に下り立った。
少し歩くとワームが出てくる。これは3階層と変わらない。
先程3階層では問題ないと言ったが、それは3階層では1体ずつでしか出ないからだ。
今カイの目の前には、50を超えるワームが噛みつこうと飛び出してきた。
そして、その後ろに待機してる100を超えるワームを魔力感知によって感知していた。
「うわぁ...」
魔力感知で分かっていたカイだが、気持ちが悪すぎて声から感想が漏れていた。
カイは右手を前に突き出し炎の手を作り伸ばす。するとワームたちはその炎にのまれ地面に落ちる。そのままカイは炎の手を伸ばし続け地面の中にまで伸ばし、待機してるワームの飲み込む。
その結果、カイは一瞬にして200近くのワームを焼き殺した。
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カイはそのまま魔力感知をしながら歩いていた。
出てくるワームの数が多いため走って通り抜けたいが、出てくるワームが多すぎて正確に魔力感知が出来ないのだ。
この数で走りながら感知すると見落としてしまうため、仕方なく歩いて探索していた。
最初にワームの集団を倒してから1時間ほど経ちカイはホッとしていた。
(1~4階層まではモンスター以外の反応は無かった。あいつらは今回来てない。ってことはバイトみたいなことは起きない。はぁ~、よかった~)
一応隅々まで感知をしたが、怪しい存在は居なかった。
ここまで来ているが、教師は誰も来ておらず、4階層にはカイだけだった。まだ魔力感知の外にいるためカイは分かっていないが、4階層に来る予定の教師はまだ2階層にいた。
ここまできたカイだが、この後することが2つに絞られていた。
1つは教師が来る前にここから立ち去る。
魔法が使えないものがここにいるのは怪しまれるため気づかれる前に1階層に行くと言う選択肢だった。
(うーん、でもやっぱり練習したいよね。行こう!!)
だが、カイとしてはこれではなく2つ目のことをしたいと思ったため2つ目にすると決めた。
その2つ目とは
『5階層、ボスの攻略』だった。
カイはさっそく5階層につながる階段に向かい始めた。
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