辺境暮らしの農家ドラゴン
張果仙人
第1話 勇者乙
レイティング神聖王国北東部“黒き森”を挟んだ先にその地はあると言う。
“恵みの台地”
年中農作物に溢れ飽食を約束される台地、其処に住む事が出来れば飢餓とは無縁の一生を送れる楽園。
伝説でも誇張された話でも無く、事実上存在するその“恵みの台地”に人類至上主義であるレイティング神聖王国は長年、黒き森を切り開き、道を作り野心と共に軍を進めて・・・
敗走する事65年、毎年の如く敗北する王国が藁を掴むようにすがった手段は古代の遺跡より発掘された伝説の《
無論、
記録に寄れば第1回から第30回迄は録な
《名誉有る勇者を讃えるモニュメント》に名を遺す者でも台地の
そんな勇者召喚の儀式を乱発し異世界の文明文化を取り込み肥大化したレイティング神聖王国も今はもう無い、モニュメントに名を残さなかった最後の勇者に裏切られ台地の
彼の者は鍛冶の匠、亜人種であるドワーフをも『狂気の武具』と言わしめる『ユナイテッド・ブレード』(ドワーフの文献では『ニホン・トウ』と言うらしくその違いは鍛冶の匠しか理解出来ない、曰く『256層などアホじゃろう』らしい)を自ら打ち上げ、どういう理屈か魔法やブレスをも切り飛ばし敵対したモノの首を執拗に狙う、そうあの《クビオイテケ》である。
今はもうレイティング神聖王国は無い、崩れた王城と立派なモニュメント、後は耕されて彼岸花に覆われた王都跡だけである。
この地はそう台地の
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