第2話 勝手に決めるなクソ爺じぃー!

 美咲~、茂樹君、お茶の水とやらかしてさぁ~、


 え、なになに、教えて!


 あのね、今日、お茶の水の現国の時ね~


「この主人公のジョンとマグダレーナ、最後はどうなるか。分かる人?

 

 (…同じことしてるわ…)

 

 誰も分からないのか!


 うん? 堀内、教科書、持ってないのか? 机に何も出てないぞ。

 全て頭に入ってるんだな。

 

 それでは、堀内、答えてみろ。


 ジョンとマグダレーナは最後にどうなるのか?


 作者の意図を答えてください。


 どうぞ!」って


 嫌味にモーションかけたのよ。


 茂樹君、糸永(担任)から教壇の一番前にされてるでしょ~、教科書も出さないのよねぇ~

 

 (…流石、茂樹君…)


 それで、茂樹君、なんて答えたの?


 それがさぁ~、何も答えなく、腕組みして、お茶の水を睨んだみたいなのよ。


 (…それで、それで…)


 それでさぁ~、お茶の水が、


 「なんだ、その眼は!教科書も出さず、腕組みして、教員を睨むのか!」ってね、


 無理して自分の威厳、示そうとしてね、


 ここから、笑っちゃうんだけどねぇ~


 (…よかった~、笑っちゃうんだよね。大事にはならなかったんだ…)


 教科書でね、茂樹君を叩こうとしたのよ!


 そしたらさぁ~、茂樹君に腕、捕まれちゃって、叩けないのよ!

笑うでしょ~


 (…確かに笑えるが次が聞きたい…)


 それで、お茶の水ね、バツが悪そうに教壇に戻ってね、何もなかったように、授業再開したのよ


 「え~、では、この『平原の町』、主人公ジョンとマグダレーナの行く末!


 作者であるコーマック・マッカーシーはどう、読者に伝えたかったのか?


 それを考察することが、行間を読み取ることです。


 残念ながら、教科書には、ラストシーンは載っていません。


 それぞれ、君達がラストシーンを作り上げてください。」ってね


 なんとか体裁、作ったわけよ。


 でもね、最後にお茶の水、やらかしたわけさ、これが最悪!


 えっ、また茂樹君とぶつかったの?


 うーん、ぶつかったって言うよりは、茂樹君に怒られたの、かな、お茶の水は!


 (生徒に怒られる?なになに初めて聞くわ!)


 お茶の水がね、最後に言わなくても良いのに、自分の感想を言ったわけさ、あの爺さん、独身エロでしょ、こう言ったの


 「まあ、君達が考える当たって、私の感想を参考にすると良い!


 一言だけ述べます。


 『一番好きな人とは結婚できない』


 是非、参考に…」と言ってね、


カッコよく終わろうとしたのよ!


 (…アイツ、それ、どこでも言ってるのかよ!…)


 その時ね!


 なになに、何があったの、教えてぇ~!


 あのね、急にね、茂樹君が教壇!机の下から足で蹴ったの「ドン~!」ってね


 お茶の水も皆んなもビックリしてさぁ~


 そしてね、茂樹君がお茶の水にね


 「お前が勝手に決めるな、くそジィジィ!」って言い放ったの!


 そして、茂樹君さぁ~、教室出て行ったのよ!


 (…カッコ良い…)


 面白いでしょ、美咲!


 うん!面白い!茂樹君、一番好きな人と結婚出来るって思ったのかなぁ~


 あっ!そこまで考えるの!美咲は~、まさかぁ~、美咲ぃ~、もしかして、茂樹君の事、気になってる? 好きなの~?


 違うよ!

 そんなことないからね、変な噂、流さないでよ!頼むからね!


 ムキになるところがますます怪しいけど、ここは、友達としてのマナーは守ります。

 じゃぁ~、またね!


 うーむ、私にとって、非常に感心の高いドラマの一コマだわ


 茂樹君の一番好きな人、誰のかなぁ?、これ、今、居るから、怒ったわけだよね!

 ショックだわ…


…私じゃ、ないよね…、たぶん…


 


 

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