“イチバン”好きな人とは結婚できない
ジョン・グレイディー
第1話 意地くそ悪い爺さん先生
私、藤田美咲、現在、現代国語の授業中です。
私の1番苦手なお茶の水の爺さん
なんでもかんでも、私を指名する。
今日も嫌な予感がしてきた…‥
いいか、この「平原の町」のジョンとマグダレーナ、結婚できると思う人?
あれ?誰もできないと思ってるのか?
はーい、藤田!できない理由を説明しなさいー
やっぱ、私だ!なんで、いつも、私に当てるかなあ~
マグダレーナが、ジョンを庇って、自ら命を絶つ…とか…、えー、分かりません!
お前はアホか!マグダレーナは、カトリック教徒でしょー、自殺は神への冒涜、大罪ですよー、するわけないだろ!
あのねー、藤田、よーく、覚えておけよー、
「イチバン スキナ ヒトトハ ケッコン デキマセン」分かりましたかー
私は外人じゃんないですー
日本語ちゃんと分かりますよーだ!
意味分かんないよ、あのジィジィ、そんなこと、教科書載ってないじゃん!
現国の「お茶の水」のくそジィジィーめ!
やっぱ、お茶の水のカモにされてしまいました。
でも~、なんで、「一番好きな人と結婚できない」のかなぁ~
二番目ならいいとかの問題ではないよね!
人生の定義?哀しき運命?
うーむ、それじゃ、哲学じゃん…
まあ、教科書に載ってない事だもん、中間試験に出ることはないよね!
私はその時、お茶の水先生の言葉の重みに何も感じることはありませんでした。全く。
当時、私には彼氏はいませんでした。
あの、今、私、高2です。
彼氏はいないけど、憧れの人は中学の時からいました。
それが、なかなかの強敵で…
ちょっとやそっとでは、振り向いてくれそうもない、難しい奴で…
そんな男子を好きになってしまった私は偉い!と誰かに讃えて欲しいぐらいです。
でも、もう3年越しの片想いだから、それはそれで…気に入ってます。
無理するとろくなことないから、私の場合は、特に!
想い続けるのが大事なんです!
片隅からそっと、見ているだけで、今は満足なんだから!
それを、お茶の水の野郎!!
結婚できないなんて、言いやがって!
私が誰が好きだか知らないくせに、なんで私に…
あっ、皆んなに言ったのか!
私は奴のカモだもんねー
話がそれましたが、私が憧れてる男子は、3組の「堀内茂樹」君です。
茂樹君とは中学から同じ学校で、中2の時、父の都合で私、転校生でして、茂樹君がクラス委員長で、野球部で、怖そうだけど、好きになってしまいました。
この3年間、想い続けているだけで、正直言います。話したこともありません。きっぱり、全く。
これって、純愛ですよね。
これから、どうすれば良いのか、このままで良いはずはない。
それぐらいは、分かっているつもりです。
ただ、なんと、茂樹君、今どき、皆無の「硬派」だから、変な虫が付く心配はないのです!
問題は私の心の問題です。
それは重々、理解しております。
大事に、大事に、この3年間、守り続けた初恋、まずは焦らず、お話からしたいと思っています。
※堀内茂樹、2年3組、野球部崩れの荒くれ者、硬派気取りで女を寄せ付けないが、本当は女大好き、典型的な思春期男子の同性集団化の過剰反応
※そんな茂樹を不幸にも初恋相手にしてしまい、何とこれも今どき貴重な3年越しの片想いの藤田美咲
注:お茶の水教諭の「一番好きな人とは結婚できない」の「一番」って、いつの、どの時期の「一番」なのか。アンダーライン要
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