小二の頃に告ってきた奴を拾った
はまみん
第1話
タイトル:小二のころに告られた奴を拾った
一章、やっぱこうだよなぁ
「朝起きると異世界に居た...んなわけねぇだろバーーーーーカなんでそんなことが出来るんだよ本だから何でもありとか言うなよ現実は辛いんだよ教室の片隅で本読んでるふりしながら推しキャラのことを妄想してたり帰宅部だから今日はどんなルートで帰ろうか迷ったり、後々考えてみると寂しいの一言しかでないのがこの現実なんだよ(ブチギレ&早口)」
そんな作者の本音が主人公にガッツリ影響されているのは気にしないでほしいが、私自身、朝読書の時にラノベしか見ない。いやそんなこともないのかもしれないけども、ほとんどラノベしか読まない。異世界転生系も好きだが、そんなありえない関係や展開も好きだ。しかし私が理系ということもあるのか、意味わからん原理でこうなるとか、確率的に無理だろとか否定をしてしまう。だが、これでいい(ゲス顔)。
二章、日常
とは言え私はラノベあるあるの高校一年だ。ちなみに高校生だが、一人暮らしをしている。しかし、日本国憲法的には未成年が保護者無しの一人暮らしはあまりよくないはずだが、いくらZOOZLE(ズーズル、グ〇グルじゃないぞ)で調べても補導されたとかいう事例はない。え、ここ日本語が使えるけど日本じゃない系?これだからラノベはすごいなぁ。まぁそんなメタいことを言ってると低評価がつくのでこれくらいにしてと。
べたなラノベだとかわいい幼馴染がいたりする。私もその流れに乗っている。つまるところ幼馴染がいる。が、パッとこないから今回はスルーする。
「七時よ、起きなさい」
はぁ、こんな事考えてると急に現実が現れてくるんだよなぁ。しかもオカンに頼ってしまってはダメ人間になってしまう。取り敢えず起きなきゃ。
自分は某動画サイトを見ながら飯を食うため、一般的な飯を食うスピードよりかは遅い。
「なんかYouTube飽きたなぁ」
と。毎日毎日繰り返してくると段々飽きてくる。人間って不思議だな。いつも隣で俺と全く同じことをしている弟がいる。こいつは目が悪くならないことを祈るか。もうスマホ持たせたら駄目だがな。てかこの卵焼き美味しくないな、チーズ入れてやがらぁ...はぁ。
いつもなら八時前後に学校に着くようにしている。が、他の人は本鈴がなる八時半の二分前に集団で来る。いや、指数関数的にと言ったほうが良いだろう。なんで予鈴なってから来てんだと、毎朝思っている。まぁ、このクラスのスローガンが平々凡々だからな。馬鹿げてる。しかも平の字の背景に爆発は駄目だろ。
本鈴がなると朝読書の時間になる。この時間を嫌がっている人もいるかと思うが、逆に私はこの時間が好きだ。ラノベ休養タイム。楽しい。カラーページが最高。ラノベしかできないいい感じの展開になってニヤける。近年の情勢的にマスクをする習慣になっているため、口が笑っても目が笑ってなければセーフ。セーフです。セーフですよ。セーフですから。デュフh(((((((((殴
三章、なにこれ。
今日は事に事が重なってこんな時間帯に塾から帰ることとなるとはな。夜十時とかふざけてるんですかね。
「今日はさっさと帰るか。」
いつもなら塾から駅の方を通って遠回りして現実逃避をしているわけだが、この時間帯ではすぐ帰らないと警察に引っかかるかもしれない。そんな面倒なことはいやだな。補導も任意でいいんじゃねぇか。そんなことを日によっては心にとどめておいたり口に出してたりする。が、やはり人間というものは同時進行が苦手なものである。
「やっべこれ駅の方面じゃん」
やってしまった。道間違えたし。だが戻るのもそこからの近道を通るのも面倒なのでいつも通りのことになった。
「7ギアじゃ足りねぇんだよもう3ギア欲しいんだよなぁ」
自転車に乗ってる時いつもこのセリフを言う。疾走感が足りないのかは知らんな。
駅周辺に着いた。ここから脇道を通って家まで一直線に帰る。が、いつも誰も通ってない道にただ一人、脇に座り込んでいる子がいた。んー、女子か。苦手だ。見た感じその人と私以外には人が通らなそうであったため、私は声をかけてもよいのだろうか。雰囲気的に年下だから警察沙汰になった時の対処が一番面倒くさい。でもこんな寒い中制服着てるし...え、こいつ制服着てるやんけはよ声かけなあかん。そう思い、私はその子の近くにチャリを止めて、話しかけた。
「おい...そこで何やってんだ?」
しまった、ちょっと言い方が怖かったなと後悔してるところ、
「あれ?浜野君?違う?」
あれ?なんかこいつ、見たことあるな。誰だっけな~...。とりあえず、
「いや、違くはないけどどうしたんよ」
思い出した、こいつ伊角やんけ。今は学校は違えど中三の時に一緒やった...ような気がする。実をいうとクラスメートの名前なんてほとんど覚えていない。が、なんで知っているかというt(((
「もしかして...いや、なんでもない。そんなところよりさ、聞いてよ。」
「去年は全く話してなかったのにめっちゃくるやん()※」
※「()」・・・「w」とほぼ使用用途は同じ。が、私の場合は、鼻で笑ってるようなあざ笑う感じの時に使う。
ちょっと引いてる。
「家に泊めて」
「...」
「...」
「家に...泊めて...?」
「そう。家に泊めさせて」
「あーそういうことね。じゃねぇよ何異性にそんなことを頼んでんだよ他の人に聞けよ」
どうゆう思考をしてるのか一緒の時から唯一読み取れなかったため流石の私でも対処ができない。頭おかしい。あたおかだ。
「えーケチーサイテー」
「ケチは違うだろ。お前なんでこんな変なとこで座ってたんだ。警察くるぞ。」
「...」
「わりぃ...。でもせめて話してくれないか。理由次第によっては一泊だけ泊めてやるぞ。」
「お?言ったな?お?お?おおおおお?」
あああああああこいつうっっっっっざそんなタイプやったっけか前までおとなしかったろがああああああああああ。
「泊めてくれるなら話そ...うか...な...。」
情緒不安定だなこいつ。でも、
「それなりに暗い理由があるんだろ。とりあえず面倒だからついてこい。」
「ふぇ?」
「野宿が良いなら来なくていいぞ。」
「ごめんなさい行きます行きます(早口)。」
はぁ...面倒なことになってしまった。完全に自分から提案したのが悪いが、時間を巻き戻す能力がない限り過去のことは変えられないのである。仕方ねぇ、歩いて帰るのかぁ。
四章、パッと見カップル?
事情を知らない人からはカップルにしか見えないだろう。こいつよりによって制服だし。ざけんな危ねぇんだよ。特定されるだろが。
「ねぇねぇ」
「なんだよ(キレ気味)」
「...ありがとう。」
「ん、あー、おう。」
純粋に人から褒められたことは久しぶりだったので変な感じになってしまった。でもちょっと嬉しい。
「私たちが小二の時にさ~...」
今言うなし。
「やめろあとでだ。それより冷蔵庫にあまり食料がなかったの忘れてたからそこのスーパーによるぞ。あと何喰いたいか?」
「え、ご飯くれるの?寝れればいいんだけども...」
その時、
「ぐうううぅ」
まぁ、案の定鳴りましたな。
「ご飯食べたいですか(意地悪)」
「.......たべたいです.......」
顔赤らめてて草。案の定飯ろくにくってねぇじゃねぇか。
※草・・・wと同じ
所詮機械だが流石にツカレタと感じている気がする自動ドアを潜り抜け、カートとかごを取った。平日の夜だが、割と客はいなかった。というより、私とこいつ以外に見た感じ三人しかいなかった。変なの。
「卵と味噌と、あとなんだっけかな。調味料はだいたいあったからあと、そうだ焼きそばだから麺とソースか。あとキャベツ、牛肉。ついでにカップ麺と乾麺かっとくか。あと米もだ」
「ほい、キャベツ。半分のでいいでしょ?」
「テンサイかよありがと。」
「お手伝いくらいはね。」
「ちなみに天の災害のほうね。」
「テンサイってそっちの天災か~。ウケる~。」
やっぱ女子ってわからんな。いつもの奴らならガッツリ突っ込みが入るんだけどな。なんか変な感じ。
「そうだ、夕飯食いたいもの弁当だからお総菜コーナーから好きなのとって来い。」
「わかったありがと~」
あの感じだと笑顔は久しぶりなんじゃないか?ちょっと不自然だったような。まぁいい。あとは、UFO買っとくか。いや、一平ちゃんの方が量が多くて安いな。同じ日清だった気がするが。
「これがいいー。はまくんのも取ってきたよ。」
「ありがと。ハンバーグか。」
「いやだ?」
「飯がくえりゃなんでもいいわ」
私はそういう主義なのである。
なんだかんだあって、こいつとの買い物が終わった。意外と食材も買ってしまったからしばらくは自炊だな。
五章、だからなんで。
スーパーからは十分弱なのでそれほど苦労はしないがはずだが、チャリに荷物が入りきらなくて相当辛かった。そのせいか自然と無言で帰宅をすることになった。こいつ楽しやがってよぉ。でも女子に持たせるのもダメか。そんなことを考えてると家に着いた。が、マンションで住んでる階もまぁまぁある。
「ただいまー。そしてようこそ私の家へ。」
「お邪魔しまーす。意外ときれいじゃん。」
「でたよ『意外と』が余計なんだよどいつもこいつもよぉこないだは親に言われたし。なんでよ、俺のイメージを聞きてえわ。」
ブチギレつつ無言の圧力でリビングに誘導したあと、食材を冷蔵庫に入れた。
「なにか手伝うことある?」
「今日はお前は客だ。何もするんじゃないよ。スマホでもいじってたら。コンセント使っていいよ、そこの裏にある。」
「んー、はまくんが言うならいいけどさー...ん、なにこれ?」
やっべまずい...
「ん...あ!?おいちょっと返s...何よけてんだよ。恥ずかしいんだけど。」
「意外とむきになってるわね。てか、こっちが一番恥ずかしいわよ。何年前よこれ~まだ持ってたの~?」
あー気まず。やだわー、やだわー、すっげーやだわーあああああああああああああもう。
「いいだろとっておいたってよ。」
「私もこんなことよくやったわねぇ~。私が小二の時にあげた、お て が み ★」
「素直に言えよ何自分で言って顔赤くしてんだよ。」
そう。実を言うと、小二のころ好きですとだけ書かれたいかにもJSという感じ手紙、言ってしまえばラブレターを貰ったわけだが、捨てるかどうか迷っていたらこの有様よ。あと照れながらこいついいやがったから更に気まずいやんけ。
「当時はあんたかっこよく見えたんだからね?今はそうでもないわよ。」
ああああああこいつ一言余計なんだよ。まぁこの状況にわからない人に説明すると、当時貰った私は、貰ってからの対処法を知っていなかったため放置してしまったのである。一番よくないですね。
「てかお前手紙渡す前までめっちゃ話しかけてきたよな。今思い出したけどお前ザリガニ食ったって話してたよな。」
「え、フツーにハズイんだがw」
「w」
ラノベみたいな感じだよな。わけわからんわ。飯食おっと。しっかし、ザリガニ食う、って凄いな、よくよく考えるとさ。所詮甲殻類だからまずいことはないのかもしれんけども。
謎に選んでくれたハンバーグを彼女と思い出話を交えながらいつもより早く食べ終わった。いつもの薬を飲んでるところふと思った。
「お前、着替えあんのか?」
「家出したから多少はあるわよ。」
「は?」
こいつ、さらっといいやがったな。まぁいい、とりあえず
「理由は聞かないでおくけど、先入るか?」
「ありがと入らせてもらうわ。」
とりあえず一人にさせてくれ。そう思い、お茶で薬を飲もうとしたところ、
「一緒に入る?」
「ブbーーーーーー」
噴き出したんだがふざけんなこいつ絶対タイミング見計らったやろこいつざけんな。
「だだ、大丈夫?」
「んなわけねぇだろバーカ入んねぇよとっとと行ってこい」
「は~い」
あんにゃろう...。とりあえず今日は金曜だし、ゆっくりするか。脱力タイムズでも見ようかn(((((
「ホントーに入んないのー?」
「だから黙って入れ。あとシャンプーは右だからな。ボディソープは左だ。」
「よくわかったねありがとう」
なんで聞いてきたし。しかし、今思ったけどあいつって意外と顔整ってたんだなぁ。マスクはすごいなぁ。
六章、おやすみなさい。
「よくわかんないから適当にタオル使ったけど、大丈夫?」
「もう使ったならいいだろ」
「確かに」
てかこいつのパジャマ姿...
「かわいいな」
「ん?なんか言った?」
「何も言ってない気にした方が負け。」
「それずっと言ってるよね。」
「あんたに対しては今初めて使ったんだが。」
そういうと、なぜか彼女は赤らめた。なんでよ。もしかして日頃から...。まぁ、
「とりあえず俺風呂入ってくるから、そのあと話せる準備だけはしておけよ。」
「...」
「あとこれドライヤーね。」
そう言って、風呂に入った。
やはり日本人というものは湯船につかるのが一番安心できるものだと改めて感じた。
「はああああああああああああああああああもういやだわあああああああこのやろう」
そして、無意味に叫んでしまうのも日本人ならではなのかもしれない。そんなこたぁねぇか。
風呂を出て髪を乾かしてリビングに向かった。ドアを開けて思ったこと、
「お前なんでそんなくつろげんだよ主は俺だぞ。」
「その主が一時的に使わないなら私だって使ったっていいでしょ。」
「まぁいい、その代わり話せよ。なんであんなとこに居たのか。」
「うん...。わかったわ。私ね、家に帰っても何もできないの。お父さんは最近いないし、お母さんは厳しくて毎日過ごすのが辛かった。いつも兄が優遇されてて私のことなんかどうでもいいと思われてて。中学に入ってから急に母の態度が激変したの。私より兄の方が優れてたから兄は大丈夫だったのかもしれないけど、私に対しては冷たくされて。助けを求めて父に話そうかと思ってスマホを探してもなかったの。母に隠されてた。家族で兄だけが頼りだった。いつも慰めてくれた。こんな毎日を続けてたら体が耐え切れなくて...。家出のことを兄に話したら、ある程度のお金をくれて、『早く逃げな。母には説得しておくから。』と言ってくれた。それで...私は...もう...」
私は彼女の背中をさすってあげた
「わかった。もういいからね。」
そう言って、慰めるようにそっと抱きしめた。それをきっかけにやっと安心できたのか崩れ落ちるように泣き始めた。今日明日辺りは優しくしてあげないとなぁ。
彼女のことを考えてたところ良い感じに時間が過ぎていたので彼女をふとみてみたら、案の定スヤスヤと寝ていた。一度ソファーに寝かした後、来客用の布団を敷いてそこに寝かせた。疲れ切っていたからか、眠りが意外と深かった。
「おやすみ(小声)」
なんとなく今日は彼女の隣に寝ることにした。寝ているとはいえ、見守りたい気持ちがあるからなのか。私は私で疲れ切っていたからかすぐに寝れた。
七章、そうなってたら楽なんですけどね。
「ん、んんーー、はぁ。」
両腕を伸ばして重い体を起こしながらふと思った。あれは、夢だったのか。そう思った瞬間。
「おっはよーーーーーー!」
「うるs...いててててて」
「ちょちょちょ大丈夫?」
腰あたりをさすってくれた。人にやさしくされたことは何年振りなのか。うれしい。てか夢じゃねぇのかよ。そうなってたら楽なんですけどね。
「流石にカーペットに直で寝るのはダメだな。」
「とりあえず顔洗ってきな」
「はいはい。」
なぜ指示されないといけないかと思いつつ、顔を洗い歯磨きをして台所に向かった。
「ん、お前、飯作れたんだな。ありがと。」
「朝にしては反応が良いわね。昨日ね、夜中にふと目覚めたのよ。今思うと悪いけど、はまくんを起こそうとしたのよね。」
「なるほど、どうりで眠いわけだ。」
「そしたら、味噌汁って言ってたのよねw」
どういう寝言?自分でもびっくりやわ。
「で、作ってくれたと」
「そゆこと。あんた丁度昨日買ってたから作ってみた。」
「いいけどさ、作るならちゃんと作ろうよ。なんで味噌汁オンリーなんだよ。」
「今から卵焼くから我慢してくれちょ」
なんだこいつ。ずいぶん前だけど、こいつ家庭科の実習の時めっちゃうまかったもんな。負けてらんねぇな。
八章、買ってやるかぁ...
意外とおいしかったな。
「よし、お前。お前が家に帰りたいと思うまでうちで寝泊まりしてもいい。が、その代わり、家事をやってもらうからな」
「ビックリした、何かと思ったらそうゆうことね。おまかせぃ!」
「そうゆうことなので制服に着替えてくれ。てか外出するぞ」
「えええ、あ、わかった」
私は一人暮らしをしていたため、生活に必要なものも一人分のものしかなかった。自らこいつと一緒に過ごす宣言をしたため物を買う必要があった。めんどうだなぁ。
ショッピングモールに着いた。いつまでも制服とパジャマ一着ずつは完全にだるいので、服を買いに来た。あと制服着にくいだろが。
「お前も来たことあるだろここ。好きな服屋行ってこい。」
そういったところ、ユニクロに向かったようだ。
ユニクロなんて何年振りにきたのだろう。だが、ここの服ってちょっと使いにくかったりするんだよななぁ。
「はまくんはまくん、これどう?」
「あなたが決めなさいよ。」
「違う、浜野君と過ごすんだから気に入ってもらったのをさ...」
「なに?よくわからんけど、それ似合ってるぞ。」
もうツカレタわ。そんなことを繰り返してるうちに服を買い終わった。次は何を買おうか。
来客用の布団もなんだかんだ古いので、ついでに買い替えることにした。流石に運搬は宅急便に任せることにした。他にも暇つぶし用の本や、スマホを持ってないとのことなのでそれも買ってやった。運のいいことにお金は親から余分にもらってるので問題はなかった。帰り道、急に彼女がある店に寄った。
「お前化粧するのか?」
「うすーくね、薄く。」
「よくわからんな。」
「はまくん!」
「なによ」
「どんな匂いが好き?」
「なんだろう。」
好きな物は何かと聞かれるならまだわかる。好きなにおい?どゆことよ。
「昔こたつ好きだったんだよなぁ」
「どゆことよ」
「とりあえず好きな物を考えてみただけ。あでもみかんは好きかな~」
「柑橘系かぁ。となるとこれかな。」
そう呟いた彼女は、サンプルのオレンジの香水をシュッシュとにおわせた。
「私からオレンジのにおいすると、緊張する?」
「うっせー化粧欲しいなら好きな奴選んで買ってこい。」
「ふーん」
「なんだよ」
彼女はなんでもないと言い、先ほどの香水を手にもってレジに行った。あいつは何をしたかったんだよ。あとまだ化粧なんていらねぇんじゃねぇのか。でも買ってやるかぁ。
~なんで私を?~
私は親が嫌いだ。お父さんはよく出張でいなくなるし、お母さんはなにかと阻止してくる。何もできない。耐えられない。そう思った私は家出をすることを決意した。何も考えずに。それが仇となった。
近くにあった制服を着て、寝間着を適当にとって他にも最低限のものをリュックに詰めた。スマホは電源を切って机の中にしまった。うるさいんだもん。
とりあえず最寄り駅にでもいこうかな。そういえば浜野君が三つ先の駅が最寄りっていう情報を休み時間の時に聞いたことがあるな。でも本当かな。とりあえず行ってみようかな。
駅についてから程なくして列車が来た。いっそのこと通過列車まで待とうかと思ったけど、その気にはなれなかった。ボーっとしてると駅が一つ、二つ、三つと着く。慌てて気づいた私はササっとホームにでて重い足取りで改札へ向かった。ここ父の実家の最寄りだから最悪泊めてもらおうかなと考えてると、時間がどんどん過ぎていった。とりあえず今日の分の寝泊まりの分を探した。ネットカフェが思ったより安かった。
しかし、いつまでもお金を使い続けれるわけでもない。最初の方はたくさんあったからいいけど。流石に一週間となると手持ちが少なくなる。となると、誰かに泊めてもらうか。
だが、道行く人に話しかけても、ガキはとめれない犯罪になるだのなんなの言われ、あっという間に日が落ちてしまった。それでもめげずに声をかけ続けた。かけ続けた。かけ...続けた...。誰も聞いてくれなくなったので、警察に見つからないように比較的人の通らなそうな道の端に丸くなった。もう自分は凍死するんだと覚悟を決めていたところ、自転車の音がした。
「おい.....ここで何やってんだ?」
浜野君だ。よりによって会えるとは思っていなかった。ちょっと嬉しかったが、同時に寂しい気持ちにもなった。やはり家が恋しいのか。自分でもわからなくなってきた。とりあえず適当に浜野君と話を展開してると、どうやら家に泊めてくれるようだ。今日の分は安心した。でも、気まずい。もし私があんなことをやっていなければ良かったのだが、過去は過去なのでどうしようもできない。
~意外と、綺麗な部屋だ。~
スーパーに寄った後、浜野君の家に向かった。マンションということで静かにそろーっとついて行った。手慣れた様子でカギを開けたのを見届けたのち、お邪魔しますとちゃんと行ってから入った。意外といいなぁ。てかなんかいい匂いだなぁ。安心するなぁとか思ってたらなんか圧を感じたので、彼の言う通りにリビングらしきところに誘導された。買ってきた食料を冷蔵庫にいれてたので手伝いたかったが、邪魔するなということで彼に言われたとおりにスマホでもいじることにした。が、家に置いてきたことを忘れていた。しかし、充電するふりをして部屋を物色したところ、見たことあるピンクの手紙があった。え?
~なんで持ってたのよ~
恥ずかしい。とことん恥ずかしい。まさか大昔の私の黒歴史を持っていたとは。やられた。家出の代償なのか。知りたくもないし見たくもない。まさかこれをずっと持ってたなんて。もしかして好きだったのかな。だとしたら...。でも何も返事がないまま過ごしたわけだからな。ずっと持ってたなんて。中学の時にもう一回送ってみたほうが良かったのかな。だけどこんなことを言ってもなぁ。
話した感じ仕方なく持っていた感がすごかったから私には興味がないのかしら。
お風呂に誘ってみたけど割と怒られたのでササっと入ってきた。先に入るということなので、私の後に彼がお風呂に入ることになるためササっと済ませた。
彼がお風呂に入ってる間、勝手ながら部屋中を探検してみた。意外ときちんとまとめられていて、どちらかというと女子の部屋という感じになった。それより、彼がお風呂から出てきたら話さないといけないことを思い出した。それと同時にソファーに座り込んで考えに考えた。説明したくなにのに説明しないと屈辱感。そんなことを考えてると彼が来た。てか風呂ながい子なのね。
質問に対してはありのままに答えたが、どうしても無理な部分は無理だった。でも彼も察してくれてそっと抱きしめてくれた。一瞬びっくりしたが、暖かくて安心感があった。いい匂いだし。そう思ってたらなんだか視界がぼやけてきた。服で拭ってもぼやけた。そのまま私は彼の胸の中で眠ってしまった。
~彼の好み~
ふと、夜中に目が覚めてしまったのでなんとなく起こそうかと思った。どこにいるか探そうとしたところ、隣にいた。変態なのかしら。起こそうとしたが眠りが深かったので諦めた。その瞬間、味噌汁、と言った。え、なに?どゆこと?作って欲しいの?謎すぎて予想以上に深く考えてたら、また寝てしまった。
次の日、彼が言ってた寝言、味噌汁を作ってあげることにした。しかし、彼も作ってる途中で起きてきてしまった。まだ味噌汁しかできてないところに突っ込まれたので、卵も焼いてあげると言ったところ、なにか突っ込まれた気がしたが、その表情はにやけてたことだけ覚えてる。結局うれしいんだろおいおいw
食後、急に呼ばれたので何事かと思ったら、日用品を買ってもらえるということなので、彼に甘えて色々買ってもらった。読みたかった本が何気に一番うれしかった。
帰る途中、化粧屋さんを見つけた。気になったので酔ってみたら、やたら香水を勧めてたので見てみた。浜野君にどんな匂いが好きか聞いてみたら、ミカンと言われたので、オレンジ系のやつを探してみた。試しに匂わせて彼に聞いてみたら、いつもと反応が違った。素直じゃないんだからぁ。
九章、ただいま。
色々買わされたので割と荷物が重くなったが、親の荷物持ちの方が辛かったので今回は何とも思わなかった。色々無駄なものも買ってしまったので、捨てるものがなにかと多そうだ。とりあえず袋を開けては配置して開けては配置しての繰り返しだった。
開けるのを最後に回しておいたスマホ。機械に詳しい俺は、せっかくだから伊角に開けさせた。色々初期設定したのち、LINEをインストールした。彼女の画面には友達は一人もなく、私と交換することによって彼女の画面に私のアイコンが現れた。
「これってはまくん専用だね」
「お前何言ってんだよ」
しかもこいつ照れながら言うもんだから突っ込みがさえなかった。
「私さ、クラスラインに呼ばれなかったんだよね」
「どゆこと?」
「なんでかというとね...」
その事実を知った私は、言葉が出なくなった。
Fin
あとがき
あとがきって何を書くのかどのくらいの量なのか定義はされてないので短めにしようかと思ったけどよくよく考えると1ページ弱もしくはそれ以上のしか見たことがないので、それなりに長く書いてやろうかとおもいます。今回初めて小説的な何かを書いたわけだが、はっきり言って超疲れる。程よい長さにまとめて、かつ読者に満足してもらわないといけない。マイメッセージは強制的にやらされるため、聞き手のことなど全く考えずに楽に書けるのでやろうと思えば無限にできるのだが、今回は自発的にやったため面白さなどの要素も含めないといけない。こうなるともうパニックになる。だが、言ってしまうとネタがあれば小説とかでも全然スラスラ書けるが、今回分かったことは、思い付きで小説を書こうとかバカな思考はやめたほうが良いなと思ったこと。そこの君、三章の導入が強引とか言うな。言ってしまうと今回は少々ネタをリスペクトさせてもらったり、一部実話だったりする。道に座ってる少女を拾ったとかはリスペクト。あと残りは実はだったり、よく私が妄想するシチュエーションだったりする。圧倒的黒歴史。まぁでも最近恥ずかしがらなくなったのでネットに上げようかとか思ったり思わなかったり。カクヨムだったか忘れたけど。あと登場人物の名前に関しては超適当なので、自分のしっくりくる名前にあてはめて呼んでみたらいいんじゃないんですかね。知らんけど。意外と長く書けましたね。最後に、一部誤字脱字があるかと思いますが、気にしたら負けです。そんなわけで、次回、城之内死す。お楽しみに〜。嘘ですありません次回など二度と書きません疲れましたそもそも今回は多方面から色々怒られそうだからねバイバイ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます