第42話
金曜日の公式練習の日になった。どうやら公式練習とは昼休憩にコートを立てて練習することを指すらしい。生徒会本部が日程を組んで平等になるようにしているから公式練習らしい。
「創時君、行こっか」
「おう」
神崎さんに誘われてのこのこと体育館に向かっていく。道中ですごい目線を感じたけどそれももう既に7ヶ月経ったから慣れた。
「ここだよ」
「ほぉ……」
初めて来たな……4コート立てれる体育館か……
「広いね!」
「うん。大会とかで使われることもあるんだよ」
「ほぇぇ……」
うちのクラスは既に中で練習しているようだ。
「遅いよ!」
「ごめんね〜」
「川井も!」
「あぁ、すまん」
えーっと……うちで唯一のバレー部の……誰だろう。名前がわからない。
「早くシューズ履いて! 朝も1回も来ないから君だけ実力が未知数なんだよ……ただでさえ厳しいのに……」
うーん、苦手。暗に君もどうせ下手だろう?って言われているような気がして非常に不快。
「あぁ、すまん」
実力は隠してなんぼだと思うが、なかなか腹立たしいので一撃スカッとしたいと思う。
「とりあえず、レシーブとスパイクの実力が知りたいな」
「セッターは……」
「無論俺がやる」
だと思ったよ。1番大事なポジションに1番上手い人を置くのは定石だけど……まぁ、いいか。
「ボール投げるからレシーブしてみてくれ」
試験、下手に見せるのにもコツがある。普通よりもだいぶ早く手を組む。ボールの近くに移動。肘を曲げ組んだ手にぶつける。背中と膝を伸ばすのを忘れない。
ものすごーく変な方向にボールが飛んで行った。
「お、おう、次にボールを床に打ち付けてみてくれ……」
すごく残念な生き物を見る目で見られてもなぁ……
と、思いつつこれは全力で
ドカーン!!!!!
「お! やるじゃん! ちょっとジャンプして打ってみよ?」
テンション上がった様子なバレー部君。残念ながらそのテンションもうち崩してあげるわ。
「投げるからタイミング合わせて入ってきてくれ!」
「おぉ」
ボールが上に投げられる。俺は少し遅めに入り肘でボールを吹き飛ばす。
「おぉ……これはこれは……」
すごーーーく残念そうな顔をしている。でも大丈夫。6人しかいないからレギュラー確定だ。
「じゃあ練習しよっか」
どうやら1クラス1コートで女子と一緒らしい。時間はそんなに長くは取れないからテキパキとやりたいところである。
★★★★★
「ねぇ、創時君……ほんとにその程度なの?」
「? なんのことだ?」
「いや、バレー……」
「んー……まぁ、楽しみにしとけって」
「ふぅん」
練習終わりの教室までの道のりで神崎さんにそう聞かれた。一瞬ヒヤッとしたが、純粋な疑問だったらしく全く問題無かったようだ。
「じゃあさ、私と練習しない?」
「え?」
必要ないんだが。できる限りボロが出る状況は避けたいところである。
「いやだったかな?」
「嫌じゃないです」
ずるいって! 上目遣いでそんなの聞かれたら嫌じゃないって答えるしかないじゃないか。
「♪ じゃあ、近いうちにみんなでやろっか♪」
みんなで……? えっと……体育館でも借りるのかな……?
「一応聞くが、体育館とかはもっと前から借りなきゃ厳しいと思うぞ?」
「え?」
唖然とした顔されてもな……
結局朝練することで手を打つことになった。
〜あとがき〜
あと少し! 頑張ります!
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