あたまのなか
竹下芥子
もしも魔法が使えたらあの娘にこんなことをする
もしも魔法が使えたらあの娘にどんなことをしよう。
もしも魔法が使えたら、あの娘の元まで飛んでいこう。時間に縛られずに一緒にいられるように。
もしも魔法が使えたら、あの娘に素敵なプレゼントをしよう。出来るだけ長く笑っていてもらえるように。
もしも魔法が使えたら、あの娘の病気を治そう。ぼくがいなくなっても大丈夫なように。
だけど飛んではいけないから、電車で君のところへ行くよ。電車が動いてない夜中には、君が寝るまで連絡を絶やさないから。素敵なプレゼントを買うために頑張ってるんだから、そんなに怒らないでぼくを見てよ。ぼくがいないと生きていけないなんて言うなら、君もぼくのために生きてみてよ。
そんなことより、
もしも魔法が使えたら、ぼくかあの娘を消してしまおう。
だけど魔法は、使えないから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます