第8話

「おねぇちゃん、遅いなぁ...」


ミヒロはそう呟き、

ベッドに横たわった。


「来ないんなら、シンジと三回戦しちゃうぞ?」


ミヒロは俺のこと、上目遣いで見て。


俺のおへそ辺りから右手の人差し指をつつーと

下半身めがけて走らせてみせた。


「あのな、ミヒロ...」


「俺の身体に触るの、やめてくれないか?

それから、ベッドに寝転ぶのもやめてくれ。

今すぐどいてくれ...」


「ん?」


「今日のことはさ。

見分けられなかった俺が悪いよ...」


「え、なになに?」


「シンジ、顔怖いよ...?」


「俺、おまえのこと、すっかりマヒロだと思って。ガチでイチャイチャしたわけで」


ミヒロは、少し悲しそうな顔をした。


「ん、でもさ、私と寝ちゃったんだから、

私がもう、新しい彼女でよくない??」



「そういうわけにはいかない...」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る