伯爵令嬢が効率主義の権化になったら ~第二王子の企みに、対抗しようと思います〜

野菜ばたけ@『祝・聖なれ』二巻制作決定✨

第1話 プツリという音を立てて、堪忍袋の緒が切れる



 自分にも堪忍袋の緒というものが存在するのだという事を、伯爵令嬢・セシリアは生まれてはじめて知ることとなった。


「面倒ですが、対処しましょう」


 そんな言葉と共に、彼女の口元が緩やかに弧を描く。


 しかし瞳の奥は一ミリだって笑っていない。 

 それもその筈、何故ならセシリアの心は今まさに怒りに満ちあふれているのだから。


 

 セシリアの怒りの原因は色々とある。

 しかし元を質(ただ)せば原因となる事象はたった一つ、あの第二王子だ。



 『許さない』


 セシリアの唇が、ゆっくりとそう形取った。


 そう。

 セシリアは自分の大事なモノを侵害される事を、決して許しはしないのである。


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