第137話 太陽

三つの太陽を見たことがあるだろうか。

我が祖父母は見たことがあるらしい。

薔薇戦争において、彼女とその兵士たちは払暁に三つの太陽を見たそうだ。

戦の前に三つの太陽を眼前にした祖父母は「あの太陽は私たち三人の指揮官を称えている」などと大法螺を吹いて、戦の前に横の指揮官達や兵士を鼓舞し、見事に戦に勝利した。

故に、彼女は自身の記章に『太陽』を取り入れたのだという。

古い話だ。

薔薇戦争など、私がこの世に産まれ落ちる前の話である。

嗚呼。

なれど。

私がその記章を、『太陽』を、その血を受け継いでいるのは間違いないらしい。

ただのパン屋の娘にすぎない私に対し、母はそう告げるのだ。

祖父母の息子が酷く好色で淫売だったらしいのだ。

過度な快楽主義者にして、平民相手でも夜を共にし、それこそ誰とでも寝たらしい。

それこそ王都どころか自国ですらない、税収を毟り取るだけの土地に住むパン屋の娘とでもだ。

『あの国の貴族の癖に素敵な男だった』と母は言うが、明らかに快楽に負けただけである。

まあ、そこのところはどうでもよい。

要点をまとめると先代王朝の血を、このパン屋の娘にすぎぬ私が受け継いでいるということであった。

そんなことを言われたところで困るのだが。

不思議な事に与太話としか思えぬそれを、我が街の司祭様までもが信じていた。

『貴女はあの素敵だった御方の娘なのです。それを自覚しなさい』なとどほざいていた。

実は司祭様も抱かれたとかそういうオチではなかろうか。

そう疑っていたが、金も受け取らずに私に文字を教えてくださる司祭様をそう罵るわけにはいかぬ。

――くだらぬことを考えている。

母も、司祭様も、皆死んでしまったというのに。


「太陽」


それだけを口走る。

祖父母の事など、よく知らぬ。

そもそもが貴種流離譚なんぞ、物語だからこそ受け入れられるのだ。

苦しい生活の中で思考を妄想に飛ばすだけの夢物語でしかない。

青い血を引いていることなんぞ、パン屋の娘である私に何の関係もない。

一生日陰者として終わり、それで私の一生は終わりであろう。

ずっとそのように考えていた。

生活はいつも苦しい。

パンはあまり売れないどころか、そもそもパンを作るための麦を育てても全て奪われてしまう。

この土地を支配するあの国の不在貴族に、税として何もかも奪われてしまうのだ。

もっと言えば農耕が可能な土地自体があの国の貴族に奪われてしまっており、私たちが育てた麦を口にすることなど滅多にない。

私の家がパン屋であるのは、昔まだ豊かであった頃の名残にすぎぬ。

我々がいつも食べるものは、これだ。

ジャガイモを取り出す。

遠い国までたどり着いた船乗りが、土産物として我が国に持ち込んだ作物である。

瘦せた土地、石灰質の岩盤、石を砕いた土でさえ作れる作物なのだ。

国の誰もが喜んだ。

これさえあれば、なんとか食べていけるのだ。

いや、違った。

かつては食べていけた、だ。


「もう食べていけない」


誰もがそう口にする。

ある日、冷たい雨が降り注いで――ジャガイモの葉が枯死して黒ずんだ。

その年のジャガイモは全て腐敗していた。

単純な話で、パンを口にできぬ我々の主食がどこにもないのだ。

私たちには三つの手段があった。

一つ目は、船乗りたちと一緒に、最後の希望を賭けて遠い国に逃げること。

二つ目は、我々が税として納めた麦を取り返すために、支配者たる東の島国と戦うこと。

三つ目は、飢え死にする。

どれもあまり良い手段とはいえない。

本当に遠い国に辿り着けるか分からぬ上に、そもそも食料自体が少なく、運よく辿り着いても何も財産を持たぬ私たちがどうなるかわからぬ。

かといって、戦ったところで勝てるとは到底思えず、皆が殺されてしまう。

まあ、結論としてはどうしたところで我々は死ぬだろう。

虚しい結論だった。

どうにもならない。

どうにもならないことを、私たちはどうにかしようとしている。

やらないと飢饉で死ぬからだ。

だから、どのような事でもする必要があるのだ。

司祭様が、私に悲しそうなお願いをした。


「生贄になっておくれ。私たちと一緒に死んでおくれ」


司祭様は言葉を少しも濁さなかった。

私がそれを理解できるだけの教育を司祭様から受けていたことなど、誰よりも司祭様が知っている。

美辞麗句など必要ない。

お飾りの旗印として、私を前王朝の正統後継者として掲げ、反乱を起こしたい。

我ら最後の抵抗を示してやろうじゃないか。

一人でも多くを道連れにすることで、奴らを後悔させてやろう。

ひょっとしたら、ひょっとしたら。

私たちと違い、もはや最後に抗う力すら持たぬ者達は、我らへの恐怖ゆえに救われぬかもしれぬと。

我らが生きているということを思い知らせてやるんだ、と。

そう司祭様は告げられた。

私は返答に困った。


「母に相談します」


何をやっても死ぬならば、別に戦って死ぬのは構わない。

皆が最後にその死に方を選ぶというのであれば、そうしてもよいと思った。

なれど、せめて母に相談しよう。

私は司祭様に今日中に返事をすることを告げて、家に帰った。

パン屋とは名ばかりの、半農の私の家だ。

そこで私の母と貴族の兵達がいがみ合っている。

私はそれを止め、どうしたのかと問うと、税が払えぬならば家から出て行けと兵士がいう。

地代が払えぬゆえの立ち退き命令であった。

要するに、我々は食料どころか家すら失うべきであるとのことだった。


「ここは私の家だ。ずっと私の先祖が住んできて、この子を育てた私の家だ!」


母が抵抗しようとする。

どうにもならない。

超人たる私なれば、この兵どもを殴り殺すぐらいわけもない。

だが、この兵を殺しても、もっと多くの兵が来るだけである。

私は兵士に、説得するので今日だけは帰って欲しいと言ったが。


「今日からお前の家じゃない。薄汚い二級市民の猿風情がすがりつくな」


兵士は言うことを聞かず、そう吐き捨てた。


「そもそも、何がパン屋だ。お前らにパンを口にする権利などない。芋を齧っていればそれでよい。麦は人間が口にするものだ。芋が腐ったというならば」


家庭菜園。

半農パン屋の、私の母が作った石造りの小さな菜園の、枯死した黒いジャガイモの葉っぱを指さして。

兵士はこういった。


「あのジャガイモの葉っぱでも食べていろ。それで死んだら、お前の自己責任だ」


そうして、笑いながら槍を私に向けた。


「理解したか。お前らなんか多少餓えて死んだってかまいやしないんだ。どうせまた増える」


それは人を見る目ではなく、肉にする前の家畜が餓えたからとわんわん泣いているのを指さして笑っている表情であった。

完全に、東の島国の価値観というものを理解した。

我らを自分の懐を増やすだけの奴隷以下のものであると認識していた。

私は自分に流れるという祖父母の血が忌まわしく思えたのだ。

そうして、それが利用できるならば。

もはや何を躊躇うことがあるだろうか。

私はその場にて兵士全員の首を両手で引きちぎり、惨たらしく殺傷した。

様子を見に来た町中の人々に、こう訴えたのだ。


「皆も知っているだろうが、私はあの国における前王朝の血統を引き継ぐものである」


演説のやり方など私は知らぬ。

司祭様なれば、もう少しスマートにできたかもしれないが。

私にはこのような言葉しか言えぬのだ。


「反乱を起こす。今から徴税官の屋敷に出向いて悉く皆殺しにして、腹を麦で満たそうじゃないか。パンなら私が焼いてやれるぞ!」


どうにも即物的な事しか言えぬ。

お前のパンを私が焼いてやるから一緒に戦わないかなど、まるで間抜けの台詞である。

そのセンスが酷く恥ずかしくて、私は顔を覆いたくすらなってしまったのだ。

私に指揮官としての才能など無く、お飾りの旗印にしかなれないであろう。

それは誰もが理解していたが。


「やってやろうじゃないか!!」


誰もがそう、何もかも打ち捨ててしまったような表情で答えた。

皆が貴種流離譚というくだらぬ物語に縋っていた。

ただの反乱民として無残に殺される結末は嫌であった。

せめて――大義名分くらいは用意して、我ら誇れる兵として、敵を道連れにして死んでやろう。

そう誓い、我々の反乱は始まった。







司祭様の手は、私が思ったよりも長かった。

テメレール領という、私が司祭様の授業でしか知らない神聖グステン帝国における大諸侯が力を貸してくださるというのだ。

なんで遠い国からわざわざ、とは思ったが、要するに私の血統に価値があるというのだ。

薔薇戦争において前王朝派であったから、今でも支援しているらしい。

反乱を起こし、いけ好かない徴税官を殴り殺し、食料と武装を奪ったが足りぬ。

裕福な領地を支配するテメレール様からの支援をもってして、ようやく戦という形になっている。

だが、まあ。

負けるだろう。

それは皆が理解していた。

誰もかれもが死んでいく。

母は後方で皆が食うパンでも焼いていれば良いのに、指揮官である私に恥をかかせまいぞと。

誰よりも前線で大いに戦い、すぐに戦死してしまった。

一緒に司祭様のところで勉強していた友達も皆死んだ。

司祭様も疫病で死んでしまわれた。

最期の言葉は今でも覚えている。


「我々は飢えで死んだものも、新大陸への航海で死んだものも、戦場で死んだ者も等しく魂を燃やしたのだ。その中で我らは生き延びる道ではなく、全ての侮辱に対する報復を選んだ。いずれ我らの血肉が土に還り、この土地で何かの作物を育てるであろう。何一つ後悔はない。なれど……旗印にした、生贄となったお前にだけは本当に申し訳ないことをした。後は太陽のように自由におなりなさい。テメレール様にお願いしたから、もうお逃げ」


太陽とはなんぞや。

太陽とは何なのだ。

三つの太陽などどうでもよい。

私の祖父母の記章など関係ない。

太陽などどうでもよい。

私はただのパン屋の娘にすぎぬ。

あの最後まで笑いながら死んだ、半農にしてパン屋の一人娘にすぎない。

生贄などと言うが、私は何もかも理解して、覚悟して全てをやることにしたのだ。

皆と一緒に死のうと思う。

最後、手配していただいたテメレール様にお詫びの手紙を送り、それで全てを終わらせることにした。

これで私の人生は仕舞いだろう。

今では数少なくなってしまったが、ケルン派教会に眠っていたマスケット銃を全員に配布した。

私位は着慣れぬ甲冑を着込み、一番見栄えの良い馬に乗る。

今回だけは、司祭様には及ばねど指揮官としてやり遂げなければ。

一兵でも敵を道連れにして死ぬのだ。

そうしたいと思ったのだ。

あの御方さえ現れなければ。


「シャルロット・ル・テメレールである」


狂ったような練度の超人部隊と、銃や馬はおろか、移動式の大砲まで備えた最新鋭の兵隊を引き連れたテメレール様が現れたのだ。

最終戦を目前にして、あの島国の兵士など怯えて近寄らなくなってしまった。


「お前がパン屋の娘であるか? 超人であるがゆえに、不幸にも貴種流離譚というくだらぬ願望の生贄にされてしまった者であるか?」


テメレール様が呟いた。

私をじっくりと検分しているようであった。


「私は先代王朝の末裔にして――」


自分の名乗りを上げようとして。

テメレール様が手をすっと上げて、私の言葉を止めた。


「お前はパン屋の娘である。すでに死んだ司祭に道具として操られただけのパン屋の娘にすぎぬ。反論は許さん」


何がしたいのだ、この方は。

私はあまり頭が良くない。

真意を問いただそうとして――


「すべてはこのテメレールと、お前を養育した司祭が企んで、あの島国を乗っ取ろうと企んだことが真相であったと、そういうことになる。どうせあの遠い島国からは私まで手を伸ばせぬ。皇帝経由の苦情は無視する。さすがに、王朝の遺児を抱えこんでいるのは拙いから、お前は一度僭称者にすぎぬただのパン屋の娘として扱うことになるが」


何を言っているんだ、この人は。

私は言に詰まる。

何を目的としているのか、何がテメレール様の利益になるのかがさっぱりわからぬからだ。


「これは秘密の話だが、私は神聖グステン帝国の皇帝になる予定である」


秘密の話と言いながら、私とテメレール様の周囲には多くの人がいる。

相手は側近だけかもしれぬが、私の周りなどは奴隷も同然の無学な平民しかおらず、神聖グステン帝国の名すら知らない者さえいるのだ。

その中で、無茶を言っている。


「多くの超人を集め、多くの兵士を集め、帝国の一切合切を手に入れるつもりである。お前が私に協力するのであれば、将来『実はお前は本当に王朝の末裔だったんだよ』ということにして、二つの島国ぐらいはくれてやることも考えないでもない」


無茶苦茶である。

何がしたいのかが。

何をしたのかが、どうしてもわからぬ。

だから、単純に尋ねることにした。


「何がしたいのですか? 正気であられるとは思えない」

「私は正気である。全て本音で語っている。すでに述べた通り、神聖グステン帝国の皇帝になるつもりである。この世全ての皇帝として、配下たるお前を島国の王にしてやってもよい。私はお前と、お前の最後の兵士たちを我がテメレール領に優秀な超人と兵士として連れていくつもりである」


最後まで死ななかった、超人たる私と、死すら恐れぬ兵達。

私と彼女たちの命にはまだ価値があった。

なれど。


「今、神聖グステン帝国は皇帝の親族が皇帝位を乗っ取っておる。今がチャンスだ。一人でも多くの超人と兵隊を集める必要がある。ついてこい」


私の懊悩を無視して、テメレール様は勝手に話を進めている。

船の出港準備を進めている。

駄目だ、私たちはすでに死んでしまった仲間たちと一緒に死ぬのだ。

そこにもはや意味はないかもしれない。

私は武器をくれた恩はあれど、もはや生き延びる気はない。

そう告げようとする。

だが。


「見ろ、空に三つの太陽が現れている」


空に太陽があった。

三つの太陽であった。


「あれは私を、このシャルロット・ル・テメレールを称賛するにあたって、もはや一つの太陽では足りないだろうと、神が三つの太陽を以てして称賛しているのだ。もはや私自身が太陽であると断言しても不足はないかもしれぬ」


何言ってんだろう、この人は。


「私だけを。他ならぬ私だけを、この神聖グステン帝国皇帝にして、我がテメレール領から見れば田舎も田舎にすぎぬ島国の先代王朝の遺児を配下に加えた、この私だけを称えているのだ」


私は色々考えた挙句に。

はて、どうしようか。

そう悩んだ。

正直、困る。

度を過ぎた馬鹿を見ると、どうにもならぬというか、何を言ってよいのか分からぬ。


「さあ、行くぞ」


無理やりに、この薄暗い性格の『日陰者』の手を引っ張っていく馬鹿がいる。

私は困惑している。

テメレール様の側近は苦笑いしている。

私の兵士たちはというと、私の指示をただ待っている。

「本当に行くの?」という不安げな顔すらしているものがいる。

なれど。

この島国の王朝の僭称者『日陰者』は、結局のところ『太陽』の僭称者に着いていってしまう。

私は。

神聖グステン帝国の皇帝位簒奪戦にて、レッケンベル卿に何度も殺されかけるテメレール様を、何度も死に物狂いで助け出す羽目になる。

あの太陽、私がいなければ今頃死んでいたぞ。

そのように愚痴じみた事を考えている。

更には、このような酷い目に合っている。

ファウスト・フォン・ポリドロという化け物に殺されかけている。

私はあまり武器が得手ではない。

パン屋の娘に技量を期待するものではない。

私が自慢できるのは耐久力だけであり、狂ったようなポリドロ卿の暴力で、何度も致命にすら至りかねない一撃を防いでいる。

私はひたすらに、それを受けている。

レッケンベル卿からテメレール様を救出した時と、全く同じように。

だけど、今回は私が死んでもよいから助けて終わりとはいかない。

私が負けては、そのままテメレール様が負けてしまう気がしている。


「――」


ポリドロ卿が何かを喋っている。

激痛で耳は聞こえぬが、降伏するか否かの要求であろうと考える。

私は呟いた。


「私は太陽になりたいんだ」


レッケンベル卿相手にも、殴り殺されかけながら、朦朧として似たような事を告げた記憶がある。

何がしたいのか?

複雑な思いがある。

私はただのパン屋の娘であり、本当に王朝の末裔であり、皆の心の慰めのための貴種流離譚としての存在にしかすぎなかった。

人生で誰一人として救えた気がしない。

誰かの太陽になったことなどない。

母を救えなかった、司祭様を救えなかった、友人たちを救えなかった、誰も救えなかった。

生贄にすらなれなかったのだ。

ポリドロ卿は私の言葉に返答せず、グレートソードを振り下ろした。

その行為には躊躇など欠片もない。

私は石畳に音を立てて這いつくばる。


「私は」


太陽になりたいんだ。

私は理解している。

私は、私が惨めな「日陰者」であると理解している。

どのような言葉を連ねても、私は負け犬であるのだ。

私たちテメレール様の配下は、一度何もかも投げ捨ててしまった負け犬の集まりにすぎぬ。

負け続けの人生を送ってきて、それでテメレール様の元に辿り着いた悲しい者たちが殆どだ。

だが。


『おのれらは負けているのか! どうしようもない人生だからと全て投げてしまったのか!? 負け犬に過ぎぬのか!!』


テメレール様の酷い叱咤が背を焼いている。

そうだ、あの馬鹿で阿呆で愚劣で、どうしようもなく愛おしいテメレール様の配下であるのだ。

立ち上がろうとする。

ポリドロ卿はその隙を与えるつもりなどない。

私が立ち上がろうとするたびに、私の頭上から致命にすら至る一撃を加え続けるであろう。

だが。


「私は太陽になりたいんだ」


「日陰者」は太陽になりたい夢を見ている。

暗い性格を明るく振る舞い、何処かあの馬鹿のように明るくなれるかと夢を見ている。

全身の力を込めて、その一撃を跳ね除けた。

もはやこの手に剣など無い。

血も涙もないポリドロ卿が反撃を許すまいと、遠くに蹴飛ばしてしまっている。

この頑丈な体のみが、残された武器である。

日陰者は立ち上がり、鉄靴を前方に伸ばす。

足の曲げ伸ばしの反動に体重を乗せるだけの簡単な蹴り技だった。

初めての反撃がポリドロ卿の胴体に突き刺さる。

なれど、ポリドロ卿は気にした様子もなく剣を再度振り上げて、勢いよく振り下ろした。

八十七撃目である。

レッケンベル卿に5度相対し、その内4度までもテメレール公を逃がした超人。

「日陰者」はその強打を受けて地面に再び這いつくばり、降参の言葉一つ口にすることなく、完全に沈黙した。

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