海と少女

絵本では、ふたりは

海まで流れ


航海して、南の海まで向かいます。


珊瑚の渚、青い空。



白い雲。






めぐは「素敵ね」と


ためいき(笑)。



そんなふうに、旅ができたら

どんなにすてきだろう・・・・。



想像する時の、パートナーは


やっぱりルーフィかしら(笑)。








みずたまだった、スノー・フレイクたちは



南の海で、やがて

蒸発して、空に昇って。





その絵を見ていて、めぐは

なんとなく、哀しくなってしまいます。





それが、人生を終えることを

イメージさせてしまって。




スノー・フレイクさんは

しあわせだったから・・・・



それでいいのかな、なんて

ふうにも思いました。







絵本は、さらに続きます。




雲になった、スノー・フレイクは


やがて、北へと昇り


雪雲になって。



あの、なつかしい丘へと向かいます。




青い空を。

緑の牧場や、深淵を越えて。




ふるさとの丘に、また

冬が来て。




また、スノー・フレイクになって



さらさらと舞い降りるのです・・・。





と、絵本はそこで終わり。


めぐは、また、感動してしまいます。




絵本の中で、一緒に

物語を経験するって。



ひょっとしたら映画に出るのと

似てるのかしら・・・・・。



と、めぐは、あの映写技師のことを

思い出したりしながら。




この「ゆきのひとひら」が

人生と、転生も描いていることに

気づきます。





クリスタさんは、転生をするために

天使さんをお辞めになって。



すごいこと。



そんなふうに思ったら


急に、元の3次元世界に

戻りたくなっちゃったけど。


でも、絵本の裏表紙まで来てしまったので


ちょっと息苦しい(笑)。



どうやって表紙に戻ろう?



それ以前に、床に絵本を置いたまま



閉館しちゃダメ(笑)。



なんて、司書めぐに戻っちゃって(笑)。



でも、帰り方がわかりません。




「あーん、帰りたいよー」(笑)。







まだまだ夜中です。






仕方ないので、地道にめぐは

ページをたどって。


表紙のところまで戻った。



開館まで、待ってれば

クリスタさんが見つけてくれるかしら・・・。



そんな、僅かな希望を持って。



天使さんなら、帰り方をごぞんじかもしれない。





もう、夜遅くて眠くなってきたので


表紙の、白い雪雲さんに乗って

おやすみなさーい・・・・・。(笑)。


ゆき雲さんは、思いのほか快適で


ふんわり、ゆらゆら。




寒いかとおもったけど

そこは絵本なので(笑)あったかい。



どこへいくのかな・・・・。と、思いながら

めぐは、眠った。


のどかな子である(笑)。




一方のルーフィは、その事情をしらないので

図書館の屋上にとりあえず降りた。


セキュリティが、やっぱりあって。

侵入したら警察が来てしまう。



それはちょっと厄介だ。


住民登録もしていない。当然だけれど

異世界から来て住民票を取る魔法使いは居ない。


市民税取られちゃうもの(笑)。




それでも、お買い物すると消費税は掛かるのだけれど。(w)



この国では、その消費税を廃止する事が決まったばかりだった。


まあ、それはいいとして(笑)。



セキュリティがあるので、とりあえず

重力場が歪んでいる場所を、コンピュータに頼って探ると

1階の、小部屋。



「ここなら、窓から覗けるかな」


とは思ったが、窓の外にセキュリティ・カメラがあると

やっぱり映像を取られてしまい、不審者、なんて言われて

交番に連れて行かれると・・・・・。



身元不明のイギリス人タイホ!


なんて事になる(笑)。





どうしようか、と思って


最初にめぐに会った日に使った魔法で


空間に円を描き、そこに、見たい場所の映像を出した。



小部屋。



薄暗くてよく分からない。



クッションフロアに、絵本が一冊。



「ゆきのひとひら」






そこまでしか、ルーフィには見えない。







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